基幹放送の業務を行おうとする者は、次に掲げる要件のいずれにも該当することについて、総務大臣の認定を受けなければならない。
放送法
第一款 認定等
当該業務に用いられる基幹放送局設備を確保することが可能であること。
当該業務を維持するに足りる経理的基礎 及び技術的能力があること。
当該業務に用いられる電気通信設備(基幹放送局設備を除く。以下「基幹放送設備」という。)が第百十一条第一項の総務省令で定める基準に適合すること。
衛星基幹放送の業務を行おうとする場合にあつては、当該衛星基幹放送において使用する周波数が衛星基幹放送に関する技術の発達 及び普及状況を勘案して総務省令で定める衛星基幹放送に係る周波数の使用に関する基準に適合すること。
当該業務を行おうとする者が次のいずれにも該当しないこと。
ただし、当該業務に係る放送の種類、放送対象地域 その他の事項に照らして基幹放送による表現の自由ができるだけ多くの者によつて享有されることが妨げられないと認められる場合として総務省令で定める場合は、この限りでない。
イに掲げる者に対して支配関係を有する者
イ 又はロに掲げる者がある者に対して支配関係を有する場合におけるその者
当該業務を行おうとする者が次のイからルまで(衛星基幹放送、移動受信用地上基幹放送 又はコミュニティ放送(超短波放送による地上基幹放送のうち、一の市町村の全部 若しくは一部の区域 又はこれに準ずる区域として総務省令で定めるものにおいて受信されることを目的として行われるものをいう。以下同じ。)の業務を行おうとする場合にあつては、ホを除く。)のいずれにも該当しないこと。
日本の国籍を有しない人
外国政府 又はその代表者
外国の法人 又は団体
法人 又は団体であつて、イからハまでに掲げる者が特定役員であるもの又はこれらの者がその議決権の五分の一以上を占めるもの
法人又は団体であつて、(1)に掲げる者により直接に占められる議決権の割合((2) 及び次項第十一号において「外国人等直接保有議決権割合」という。)とこれらの者により(2)に掲げる者を通じて間接に占められる議決権の割合として総務省令で定める割合(同号ハ 及び第百十六条第三項において「外国人等間接保有議決権割合」という。)とを合計した割合が五分の一以上であるもの(ニに該当する場合を除く。)
イからハまでに掲げる者
外国人等直接保有議決権割合が総務省令で定める割合以上である法人 又は団体
この法律 又は電波法に規定する罪を犯して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
第百三条第一項 又は第百四条(第五号を除く。)の規定により認定の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
第百三十一条の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
電波法第七十五条第一項 又は第七十六条第四項(第四号を除く。)の規定により基幹放送局の免許の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
電波法第二十七条の十六第一項 又は第六項(第四号を除く。)の規定により移動受信用地上基幹放送をする無線局に係る同法第二十七条の十四第一項に規定する開設計画の認定の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
法人 又は団体であつて、その役員がヘからヌまでのいずれかに該当する者であるもの
前項の認定を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。
基幹放送の業務に用いられる基幹放送局について電波法の規定による免許を受けようとする者 又は当該免許を受けた者の氏名 又は名称
基幹放送に関し希望する周波数
基幹放送の業務に用いられる電気通信設備の概要
特定役員の氏名又は名称
外国人等直接保有議決権割合
地上基幹放送(コミュニティ放送を除く。)の業務の認定を受けようとする場合にあつては、外国人等直接保有議決権割合と外国人等間接保有議決権割合とを合計した割合
前項の申請書には、事業計画書、事業収支見積書 その他総務省令で定める書類を添付しなければならない。
第一項の認定(協会 又は学園の基幹放送の業務 その他総務省令で定める特別な基幹放送の業務に係るものを除く。)の申請は、総務大臣が公示する期間内に行わなければならない。
第九十六条第一項の認定の更新(地上基幹放送の業務に係るものに限る。)の申請についても、同様とする。
前項の期間は、一月を下らない範囲内で申請に係る基幹放送において使用する周波数ごとに定める期間(地上基幹放送において使用する周波数にあつては、その周波数を使用する基幹放送局に係る電波法第六条第八項の公示の期間と同一の期間)とし、前項の規定による期間の公示は、基幹放送の種類 及び放送対象地域 その他認定の申請に資する事項を併せ行うものとする。
前条第一項の認定は、次の事項(衛星基幹放送にあつては、次の事項 及び当該衛星基幹放送の業務に係る人工衛星の軌道 又は位置)を指定して行う。
電波法の規定により基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者の氏名 又は名称
基幹放送に係る周波数
総務大臣は、前条第一項の認定をしたときは、認定証を交付する。
認定証には、次の事項(衛星基幹放送にあつては、次の事項 及び当該衛星基幹放送の業務に係る人工衛星の軌道 又は位置)を記載しなければならない。
認定の年月日 及び認定の番号
認定を受けた者の氏名 又は名称
電波法の規定により基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者の氏名 又は名称
基幹放送に係る周波数
認定基幹放送事業者は、第九十三条第一項の認定を受けたときは、遅滞なく、その業務の開始の期日を総務大臣に届け出なければならない。
基幹放送の業務を一箇月以上休止するときは、認定基幹放送事業者は、その休止期間を総務大臣に届け出なければならない。
休止期間を変更するときも、同様とする。
第九十三条第一項の認定は、五年ごと(地上基幹放送の業務の認定にあつては、電波法の規定による当該地上基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許の有効期間と同一の期間ごと)にその更新を受けなければ、その効力を失う。
総務大臣は、衛星基幹放送 又は移動受信用地上基幹放送の業務の認定について前項の更新の申請があつたときは、衛星基幹放送の業務の認定にあつては第九十三条第一項第四号 及び第五号に、移動受信用地上基幹放送の業務の認定にあつては同項第五号に適合していないと認める場合を除き、その更新をしなければならない。
認定基幹放送事業者は、第九十三条第二項第七号から第九号までに掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、総務大臣の許可を受けなければならない。
ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
認定基幹放送事業者は、第九十三条第二項第一号、第三号 若しくは第十一号に掲げる事項に変更があつたとき、又は前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ただし、次に掲げる変更については、この限りでない。
前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更(第九十三条第二項第八号 又は第九号に掲げる事項の変更に限る。)のうち特に軽微なものとして総務省令で定めるもの
第九十三条第二項第十一号に掲げる事項の変更であつて、当該変更によつて同条第一項第七号ニ 又はホに該当することとなるおそれが少ないものとして総務省令で定めるもの
総務大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定基幹放送事業者の申請により、第九十四条第一項各号に掲げる事項の指定を変更する。
衛星基幹放送を行う場合にあつては、電波法の規定により、当該衛星基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者以外の者が当該衛星基幹放送に係る人工衛星の軌道 若しくは位置 及び周波数をその免許状に記載すべき基幹放送局の免許を受けたとき 又は当該衛星基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者が当該衛星基幹放送に係る人工衛星の軌道 若しくは位置について変更の許可 若しくは当該衛星基幹放送に係る周波数について指定の変更を受けたとき。
移動受信用地上基幹放送を行う場合にあつては、電波法の規定により、当該移動受信用地上基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者以外の者が当該移動受信用地上基幹放送に係る放送対象地域内の放送区域 及び周波数をその免許状に記載すべき基幹放送局の免許を受けたとき 若しくは当該移動受信用地上基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者が当該移動受信用地上基幹放送に係る周波数について指定の変更を受けたとき 又は第九十一条第四項の規定により総務大臣が基幹放送普及計画を変更した場合において当該移動受信用地上基幹放送に係る放送対象地域について変更があつたとき。
前二号に準ずるものとして総務省令で定めるとき。
認定基幹放送事業者について相続があつたときは、その相続人は、認定基幹放送事業者の地位を承継する。
この場合においては、相続人は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
認定基幹放送事業者が基幹放送の業務を行う事業を譲渡し、又は認定基幹放送事業者たる法人が合併 若しくは分割(基幹放送の業務を行う事業を承継させるものに限る。)をしたときは、当該事業を譲り受けた者 又は合併後存続する法人 若しくは合併により設立された法人 若しくは分割により当該事業を承継した法人は、総務大臣の認可を受けて認定基幹放送事業者の地位を承継することができる。
電波法第二十条第四項前段の規定の適用がある場合において、分割により地上基幹放送の業務を行う事業を承継した法人は、総務大臣の認可を受けたときは、当該業務に係る認定を受けたものとみなす。
同項後段の規定の適用がある場合において、特定地上基幹放送局(中継地上基幹放送局を除く。)の免許人が当該基幹放送局を譲渡し、譲受人が当該基幹放送局を譲渡人の地上基幹放送の業務の用に供する業務を行おうとする場合における当該譲渡人について、又は特定地上基幹放送局の免許人が地上基幹放送の業務を行う事業を譲渡し、その譲渡人が当該基幹放送局を譲受人の地上基幹放送の業務の用に供する業務を行おうとする場合における当該譲受人についても、同様とする。
前項の規定により受けたものとみなされた認定の有効期間は、当該認定に係る地上基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許の有効期間の残存期間と同一の期間とする。
電波法第二十条第五項の規定により合併後存続する法人 若しくは合併により設立された法人 又は譲受人が合併 又は事業の譲渡に係る地上基幹放送の業務に用いられる特定地上基幹放送局(中継地上基幹放送局を除く。)の免許人の地位を承継したときは、当該地上基幹放送の業務についての第九十三条第一項の認定は、その効力を失う。
第九十三条第一項の規定は、第二項 及び第三項の認可に準用する。
認定基幹放送事業者は、認定証に記載した事項に変更を生じたときは、その認定証を総務大臣に提出し、訂正を受けなければならない。
認定基幹放送事業者は、その業務を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
認定基幹放送事業者が基幹放送の業務を廃止したときは、第九十三条第一項の認定は、その効力を失う。
第九十三条第一項の認定がその効力を失つたときは、認定基幹放送事業者であつた者は、一箇月以内にその認定証を返納しなければならない。
総務大臣は、認定基幹放送事業者が第九十三条第一項第七号(トを除く。)に掲げる要件に該当しないこととなつたとき、又は認定基幹放送事業者が行う地上基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許がその効力を失つたときは、その認定を取り消さなければならない。
前項の規定にかかわらず、総務大臣は、認定基幹放送事業者が第九十三条第一項第七号ニ 又はホに該当することとなつた場合において、次に掲げる事項を勘案して必要があると認めるときは、当該認定基幹放送事業者の認定の有効期間の残存期間内に限り、期間を定めて当該認定を取り消さないことができる。
第九十三条第一項第七号ニ 又はホに該当することとなつた状況
前項の規定により当該認定を取り消すこと 又はこの項の規定により当該認定を取り消さないことが当該認定に係る基幹放送の受信者の利益に及ぼす影響
総務大臣は、認定基幹放送事業者が第九十三条第一項第七号ニ 又はホに該当することとなつたと認めるときは、前項の規定により当該認定基幹放送事業者の認定を取り消さないこととするか否かの決定をしなければならない。
総務大臣は、前項の決定をしようとするときは、当該決定に係る認定基幹放送事業者の意見を聴かなければならない。
総務大臣は、第三項の決定をしたときは、遅滞なく、当該決定に係る認定基幹放送事業者に対し、理由を付してその旨(当該決定が第二項の規定により当該認定基幹放送事業者の認定を取り消さないこととするものであるときは、その旨 及び同項の規定により定めた期間)を通知しなければならない。
総務大臣は、認定基幹放送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
正当な理由がないのに、基幹放送の業務を引き続き六月以上休止したとき。
不正な手段により、第九十三条第一項の認定、第九十六条第一項の認定の更新 又は第九十七条第一項の許可を受けたとき。
第九十三条第一項第五号に掲げる要件に該当しないこととなつたとき。
第百七十四条の規定による命令に従わないとき。
衛星基幹放送 又は移動受信用地上基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許がその効力を失つたとき。
総務大臣は、第百条の規定による業務の廃止の届出を受けたとき、又は第百三条第一項 若しくは前条の規定による認定の取消し 若しくは第百七十四条の規定による業務の停止の命令をしたときは、その旨を当該届出 又は取消し 若しくは命令に係る業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者に通知するものとする。
第九十三条第一項の規定にかかわらず、特定地上基幹放送事業者は、同項の認定を受けないで、次に掲げる方法により、地上基幹放送の業務を行うことができる。
前号の方法により地上基幹放送の業務を行う放送対象地域と同一の放送対象地域において、基幹放送局提供事業者と第百十七条第一項に規定する放送局設備供給契約を締結し、当該基幹放送局提供事業者の中継地上基幹放送局を用いる方法
特定地上基幹放送事業者は、前項第二号の方法により地上基幹放送の業務を行おうとするときは、総務省令で定めるところにより、当該業務に用いる電気通信設備(基幹放送局提供事業者の基幹放送局設備を除く。第四項において同じ。)及びその運用のための業務管理体制(特定地上基幹放送事業者が当該電気通信設備の一部を構成する設備の運用を他人に委託しようとする場合にあつては、委託先における業務管理体制を含む。第四項 及び第百八十七条第二号において「電気通信設備等」という。)が第百十一条第一項の総務省令で定める基準に適合することについて、総務大臣の確認を受けなければならない。
総務大臣は、前項の確認をしたときは、当該確認を受けた特定地上基幹放送事業者の特定地上基幹放送局に係る電波法第十四条第一項の免許状に、次に掲げる事項を付記するものとする。
第二項の確認を受けた特定地上基幹放送事業者は、当該確認に係る地上基幹放送の業務に用いる電気通信設備等を変更しようとするとき(当該業務に用いる電気通信設備の変更 又は当該電気通信設備の一部を構成する設備の運用の委託先の変更を伴う場合に限る。)は、変更後の電気通信設備等が第百十一条第一項の総務省令で定める基準に適合することについて、総務大臣の確認を受けなければならない。
ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
第二項の確認を受けた特定地上基幹放送事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
ただし、総務省令で定める特に軽微な変更については、この限りでない。