この章において「研修実施者」とは、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める者をいう。
教育公務員特例法
第四章 研修
市町村が設置する中等教育学校(後期課程に学校教育法第四条第一項に規定する定時制の課程のみを置くものを除く。次号において同じ。)の校長 及び教員のうち県費負担教職員である者当該市町村の教育委員会
地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この号 及び次項第二号において「中核市」という。)が設置する小学校等(中等教育学校を除く。)の校長 及び教員のうち県費負担教職員である者当該中核市の教育委員会
前二号に掲げる者以外の教育公務員当該教育公務員の任命権者
この章において「指導助言者」とは、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める者をいう。
前項第一号に掲げる者
同号に定める市町村の教育委員会
前項第二号に掲げる者
同号に定める中核市の教育委員会
公立の小学校等の校長 及び教員のうち県費負担教職員である者(前二号に掲げる者を除く。)
当該校長 及び教員の属する市町村の教育委員会
公立の小学校等の校長 及び教員のうち県費負担教職員以外の者
当該校長 及び教員の任命権者
教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。
教育公務員の研修実施者は、教育公務員(公立の小学校等の校長 及び教員(臨時的に任用された者 その他の政令で定める者を除く。以下この章において同じ。)を除く。)の研修について、それに要する施設、研修を奨励するための方途 その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない。
教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。
教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。
教育公務員は、任命権者(第二十条第一項第一号に掲げる者については、同号に定める市町村の教育委員会。以下この章において同じ。)の定めるところにより、現職のままで、長期にわたる研修を受けることができる。
文部科学大臣は、公立の小学校等の校長 及び教員の計画的かつ効果的な資質の向上を図るため、次条第一項に規定する指標の策定に関する指針(以下この条 及び次条第一項において「指針」という。)を定めなければならない。
指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
公立の小学校等の校長 及び教員の資質の向上に関する基本的な事項
次条第一項に規定する指標の内容に関する事項
その他公立の小学校等の校長 及び教員の資質の向上を図るに際し配慮すべき事項
文部科学大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
公立の小学校等の校長 及び教員の任命権者は、指針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該校長 及び教員の職責、経験 及び適性に応じて向上を図るべき校長 及び教員としての資質に関する指標(以下この章において「指標」という。)を定めるものとする。
公立の小学校等の校長 及び教員の任命権者は、指標を定め、又はこれを変更しようとするときは、第二十二条の七第一項に規定する協議会において協議するものとする。
公立の小学校等の校長 及び教員の任命権者は、指標を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
独立行政法人教職員支援機構は、指標を策定する者に対して、当該指標の策定に関する専門的な助言を行うものとする。
公立の小学校等の校長 及び教員の研修実施者は、指標を踏まえ、当該校長 及び教員の研修について、毎年度、体系的かつ効果的に実施するための計画(以下この条 及び第二十二条の六第二項において「教員研修計画」という。)を定めるものとする。
教員研修計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。
研修実施者が実施する第二十三条第一項に規定する初任者研修、第二十四条第一項に規定する中堅教諭等資質向上研修 その他の研修(以下この項 及び次条第二項第一号において「研修実施者実施研修」という。)に関する基本的な方針
研修実施者が指導助言者として行う第二十二条の六第二項に規定する資質の向上に関する指導助言等の方法に関して必要な事項(研修実施者が都道府県の教育委員会である場合においては、県費負担教職員について第二十条第二項第三号に定める市町村の教育委員会が指導助言者として行う第二十二条の六第二項に規定する資質の向上に関する指導助言等に関する基本的な事項を含む。)
前号に掲げるもののほか、研修を奨励するための方途に関する事項
前各号に掲げるもののほか、研修の実施に関し必要な事項として文部科学省令で定める事項
公立の小学校等の校長 及び教員の任命権者は、文部科学省令で定めるところにより、当該校長 及び教員ごとに、研修の受講 その他の当該校長 及び教員の資質の向上のための取組の状況に関する記録(以下この条 及び次条第二項において「研修等に関する記録」という。)を作成しなければならない。
第二十六条第一項に規定する大学院修学休業により当該教員が履修した同項に規定する大学院の課程等に関する事項
認定講習等(教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)別表第三備考第六号の文部科学大臣の認定する講習 又は通信教育をいう。次条第一項 及び第三項において同じ。)のうち当該任命権者が開設したものであつて、当該校長 及び教員が単位を修得したものに関する事項
前三号に掲げるもののほか、当該校長 及び教員が行つた資質の向上のための取組のうち当該任命権者が必要と認めるものに関する事項
公立の小学校等の校長 及び教員の任命権者が都道府県の教育委員会である場合においては、当該都道府県の教育委員会は、指導助言者(第二十条第二項第二号 及び第三号に定める者に限る。)に対し、当該校長 及び教員の研修等に関する記録に係る情報を提供するものとする。
公立の小学校等の校長 及び教員の指導助言者は、前項の規定による相談への対応、情報の提供 並びに指導 及び助言(次項において「資質の向上に関する指導助言等」という。)を行うに当たつては、当該校長 及び教員に係る指標 及び教員研修計画を踏まえるとともに、当該校長 及び教員の研修等に関する記録に係る情報を活用するものとする。
公立の小学校等の校長 及び教員の任命権者は、指標の策定に関する協議 並びに当該指標に基づく当該校長 及び教員の資質の向上に関して必要な事項についての協議を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織するものとする。
協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
公立の小学校等の校長 及び教員の研修に協力する大学 その他の当該校長 及び教員の資質の向上に関係する大学として文部科学省令で定める者
その他当該任命権者が必要と認める者
協議会において協議が調つた事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
前三項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
公立の小学校等の教諭等の研修実施者は、当該教諭等(臨時的に任用された者 その他の政令で定める者を除く。)に対して、その採用(現に教諭等の職以外の職に任命されている者を教諭等の職に任命する場合を含む。)の日から一年間の教諭 又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(次項において「初任者研修」という。)を実施しなければならない。
指導助言者は、初任者研修を受ける者(次項において「初任者」という。)の所属する学校の副校長、教頭、主幹教諭(養護 又は栄養の指導 及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。)、指導教諭、教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭 又は講師のうちから、指導教員を命じるものとする。
指導教員は、初任者に対して教諭 又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項について指導 及び助言を行うものとする。
公立の小学校等の教諭等(臨時的に任用された者 その他の政令で定める者を除く。以下この項において同じ。)の研修実施者は、当該教諭等に対して、個々の能力、適性等に応じて、公立の小学校等における教育に関し相当の経験を有し、その教育活動 その他の学校運営の円滑かつ効果的な実施において中核的な役割を果たすことが期待される中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るために必要な事項に関する研修(次項において「中堅教諭等資質向上研修」という。)を実施しなければならない。
指導助言者は、中堅教諭等資質向上研修を実施するに当たり、中堅教諭等資質向上研修を受ける者の能力、適性等について評価を行い、その結果に基づき、当該者ごとに中堅教諭等資質向上研修に関する計画書を作成しなければならない。
公立の小学校等の教諭等の任命権者は、児童、生徒 又は幼児(以下「児童等」という。)に対する指導が不適切であると認定した教諭等に対して、その能力、適性等に応じて、当該指導の改善を図るために必要な事項に関する研修(以下この条において「指導改善研修」という。)を実施しなければならない。
指導改善研修の期間は、一年を超えてはならない。
ただし、特に必要があると認めるときは、任命権者は、指導改善研修を開始した日から引き続き二年を超えない範囲内で、これを延長することができる。
任命権者は、指導改善研修を実施するに当たり、指導改善研修を受ける者の能力、適性等に応じて、その者ごとに指導改善研修に関する計画書を作成しなければならない。
任命権者は、指導改善研修の終了時において、指導改善研修を受けた者の児童等に対する指導の改善の程度に関する認定を行わなければならない。
任命権者は、第一項 及び前項の認定に当たつては、教育委員会規則(幼保連携型認定こども園にあつては、地方公共団体の規則。次項において同じ。)で定めるところにより、教育学、医学、心理学 その他の児童等に対する指導に関する専門的知識を有する者 及び当該任命権者の属する都道府県 又は市町村の区域内に居住する保護者(親権を行う者 及び未成年後見人をいう。)である者の意見を聴かなければならない。
前項に定めるもののほか、事実の確認の方法 その他第一項 及び第四項の認定の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
前各項に規定するもののほか、指導改善研修の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
任命権者は、前条第四項の認定において指導の改善が不十分でなお児童等に対する指導を適切に行うことができないと認める教諭等に対して、免職 その他の必要な措置を講ずるものとする。