文化芸術基本法

# 平成十三年法律第百四十八号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和元年六月七日 ( 2019年 6月7日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第二十六号による改正
最終編集日 : 2024年 05月08日 23時04分


1項

この法律は、文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることに鑑み、文化芸術に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国 及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、文化芸術に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う者(文化芸術活動を行う団体を含む。以下同じ。)の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって心豊かな国民生活 及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

1項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術活動を行う者の自主性が十分に尊重されなければならない。

2項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術活動を行う者の創造性が十分に尊重されるとともに、その地位の向上が図られ、その能力が十分に発揮されるよう考慮されなければならない。

3項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることに鑑み、国民がその年齢、障害の有無、経済的な状況 又は居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない。

4項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、我が国 及び世界において文化芸術活動が活発に行われるような環境を醸成することを旨として文化芸術の発展が図られるよう考慮されなければならない。

5項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、多様な文化芸術の保護 及び発展が図られなければならない。

6項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、地域の人々により主体的に文化芸術活動が行われるよう配慮するとともに、各地域の歴史、風土等を反映した特色ある文化芸術の発展が図られなければならない。

7項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、我が国の文化芸術が広く世界へ発信されるよう、文化芸術に係る国際的な交流 及び貢献の推進が図られなければならない。

8項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、乳幼児、児童、生徒等に対する文化芸術に関する教育の重要性に鑑み、学校等、文化芸術活動を行う団体(以下「文化芸術団体」という。)、家庭 及び地域における活動の相互の連携が図られるよう配慮されなければならない。

9項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術活動を行う者その他広く 国民の意見が反映されるよう十分配慮されなければならない。

10項

文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承、発展 及び創造に活用することが重要であることに鑑み、文化芸術の固有の意義と価値を尊重しつつ、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業 その他の各関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう配慮されなければならない。

1項

国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、文化芸術に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、文化芸術に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

国は、現在 及び将来の世代にわたって人々が文化芸術を創造し、享受することができるとともに、文化芸術が将来にわたって発展するよう、国民の文化芸術に対する関心 及び理解を深めるように努めなければならない。

1項

文化芸術団体は、その実情を踏まえつつ、自主的かつ主体的に、文化芸術活動の充実を図るとともに、文化芸術の継承、発展 及び創造に積極的な役割を果たすよう 努めなければならない。

1項

国、独立行政法人、地方公共団体、文化芸術団体、民間事業者 その他の関係者は、基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協働するよう努めなければならない。

1項

政府は、文化芸術に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上 又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない。