新型インフルエンザ等対策特別措置法

# 平成二十四年法律第三十一号 #

第二章 新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画等

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和五年九月一日 ( 2023年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第十四号による改正
最終編集日 : 2023年 10月07日 15時49分


1項

政府は、新型インフルエンザ等の発生に備えて、新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「政府行動計画」という。)を定めるものとする。

2項

政府行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

新型インフルエンザ等対策の実施に関する基本的な方針

二 号

国が実施する次に掲げる措置に関する事項

新型インフルエンザ等 及び新型インフルエンザ等感染症に変異するおそれが高い動物の感染性の疾病の外国 及び国内における発生の状況、動向 及び原因の情報収集

新型インフルエンザ等に関する情報の地方公共団体、指定公共機関、事業者 及び国民への適切な方法による提供

新型インフルエンザ等が国内において初めて発生した場合における第十六条第八項に規定する政府現地対策本部による新型インフルエンザ等対策の総合的な推進

検疫、第二十八条第三項に規定する特定接種の実施 その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置

医療の提供体制の確保のための総合調整

生活関連物資の価格の安定のための措置 その他の国民生活 及び国民経済の安定に関する措置

三 号

第二十八条第一項第一号の規定による厚生労働大臣の登録の基準に関する事項

四 号

都道府県 及び指定公共機関がそれぞれ次条第一項に規定する都道府県行動計画 及び第九条第一項に規定する業務計画を作成する際の基準となるべき事項

五 号

新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

六 号

新型インフルエンザ等対策の実施に当たっての地方公共団体相互の広域的な連携協力 その他の関係機関相互の連携協力の確保に関する事項

七 号

前各号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な事項

3項

政府行動計画は、新型インフルエンザ等が発生する前の段階、新型インフルエンザ等が外国において発生した段階 及び新型インフルエンザ等が国内において発生した段階に区分して定めるものとする。

4項

内閣総理大臣は、政府行動計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

5項

内閣総理大臣は、前項の規定により政府行動計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ第七十条の二の新型インフルエンザ等対策推進会議の意見を聴かなければならない。

6項

内閣総理大臣は、第四項の閣議の決定があったときは、遅滞なく、政府行動計画を国会に報告するとともに、その旨を公示しなければならない。

7項

政府は、政府行動計画を定めるため必要があると認めるときは、地方公共団体の長 その他の執行機関(以下「地方公共団体の長等」という。)、指定公共機関 その他の関係者に対し、資料 又は情報の提供、意見の陳述 その他必要な協力を求めることができる。

8項

第三項から前項までの規定は、政府行動計画の変更について準用する。

1項

都道府県知事は、政府行動計画に基づき、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「都道府県行動計画」という。)を作成するものとする。

2項

都道府県行動計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事項

二 号

都道府県が実施する次に掲げる措置に関する事項

新型インフルエンザ等の都道府県内における発生の状況、動向 及び原因の情報収集 並びに調査

新型インフルエンザ等に関する情報の市町村、指定地方公共機関、医療機関、事業者 及び住民への適切な方法による提供

感染を防止するための協力の要請 その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置

医療従事者の確保 その他の医療の提供体制の確保に関する措置

物資の売渡しの要請 その他の住民の生活 及び地域経済の安定に関する措置

三 号

市町村 及び指定地方公共機関がそれぞれ次条第一項に規定する市町村行動計画 及び第九条第一項に規定する業務計画を作成する際の基準となるべき事項

四 号

新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

五 号

新型インフルエンザ等対策の実施に関する他の地方公共団体 その他の関係機関との連携に関する事項

六 号

前各号に掲げるもののほか、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関し都道府県知事が必要と認める事項

3項

都道府県知事は、都道府県行動計画を作成しようとするときは、あらかじめ、感染症に関する専門的な知識を有する者 その他の学識経験者の意見を聴かなければならない。

4項

都道府県知事は、都道府県行動計画を作成する場合において、他の地方公共団体と関係がある事項を定めるときは、当該他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。

5項

都道府県知事は、都道府県行動計画を作成したときは、内閣総理大臣に報告しなければならない。

6項

内閣総理大臣は、前項の規定により報告を受けた都道府県行動計画について、必要があると認めるときは、当該都道府県知事に対し、必要な助言 又は勧告をすることができる。

7項

都道府県知事は、都道府県行動計画を作成したときは、速やかに、これを議会に報告し、並びに当該都道府県の区域内の市町村の長 及び関係指定地方公共機関に通知するとともに、公表しなければならない。

8項

都道府県知事は、都道府県行動計画を作成するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長(当該指定行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。以下同じ。)、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等、指定公共機関、指定地方公共機関 その他の関係者に対し、資料 又は情報の提供、意見の陳述 その他必要な協力を求めることができる。

9項

第三項から前項までの規定は、都道府県行動計画の変更について準用する。

1項

市町村長は、都道府県行動計画に基づき、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関する計画(以下「市町村行動計画」という。)を作成するものとする。

2項

市町村行動計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策の総合的な推進に関する事項

二 号

市町村が実施する次に掲げる措置に関する事項

新型インフルエンザ等に関する情報の事業者 及び住民への適切な方法による提供

住民に対する予防接種の実施 その他の新型インフルエンザ等のまん延の防止に関する措置

生活環境の保全 その他の住民の生活 及び地域経済の安定に関する措置

三 号

新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

四 号

新型インフルエンザ等対策の実施に関する他の地方公共団体 その他の関係機関との連携に関する事項

五 号

前各号に掲げるもののほか、当該市町村の区域に係る新型インフルエンザ等対策に関し市町村長が必要と認める事項

3項

市町村長は、市町村行動計画を作成する場合において、他の地方公共団体と関係がある事項を定めるときは、当該 他の地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。

4項

市町村長は、市町村行動計画を作成したときは、都道府県知事に報告しなければならない。

5項

都道府県知事は、前項の規定により報告を受けた市町村行動計画について、必要があると認めるときは、当該市町村長に対し、必要な助言 又は勧告をすることができる。

6項

市町村長は、市町村行動計画を作成したときは、速やかに、これを議会に報告するとともに、公表しなければならない。

7項

前条第三項 及び第八項の規定は、市町村行動計画の作成について準用する。

8項

第三項から前項までの規定は、市町村行動計画の変更について準用する。

1項

指定公共機関 又は指定地方公共機関は、それぞれ政府行動計画 又は都道府県行動計画に基づき、その業務に関し、新型インフルエンザ等対策に関する業務計画(以下「業務計画」という。)を作成するものとする。

2項

業務計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

当該指定公共機関 又は指定地方公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策の内容 及び実施方法に関する事項

二 号

新型インフルエンザ等対策を実施するための体制に関する事項

三 号

新型インフルエンザ等対策の実施に関する関係機関との連携に関する事項

四 号

前三号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な事項

3項

指定公共機関 及び指定地方公共機関は、それぞれ その業務計画を作成したときは、速やかに、指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長を経由して内閣総理大臣に、指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事に報告しなければならない。


この場合において、内閣総理大臣 又は都道府県知事は、当該指定公共機関 又は指定地方公共機関に対し、必要な助言をすることができる。

4項

指定公共機関 及び指定地方公共機関は、それぞれ その業務計画を作成したときは、速やかに、これを関係都道府県知事 及び関係市町村長に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。

5項

第七条第八項の規定は、業務計画の作成について準用する。

6項

前三項の規定は、業務計画の変更について準用する。

1項

指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等 並びに指定公共機関 及び指定地方公共機関(第十二条 及び第五十一条において「指定行政機関の長等」という。)は、政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画 又は業務計画で定めるところにより、その所掌事務 又は業務に係る新型インフルエンザ等対策の実施に必要な医薬品 その他の物資 及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は新型インフルエンザ等対策の実施に必要なその管理に属する施設 及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。

1項

前条の規定による物資 及び資材の備蓄と、災害対策基本法昭和三十六年法律第二百二十三号第四十九条の規定による物資 及び資材の備蓄とは、相互に兼ねることができる。

1項

指定行政機関の長等は、政府行動計画、都道府県行動計画、市町村行動計画 又は業務計画で定めるところにより、それぞれ 又は他の指定行政機関の長等と共同して、新型インフルエンザ等対策についての訓練を行うよう努めなければならない。


この場合においては、災害対策基本法第四十八条第一項の防災訓練との有機的な連携が図られるよう配慮するものとする。

2項

都道府県公安委員会は、前項の訓練の効果的な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該訓練の実施に必要な限度で、区域 又は道路の区間を指定して、歩行者 又は車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。

3項

指定行政機関の長等は、第一項の訓練を行おうとするときは、住民 その他関係のある公私の団体に協力を要請することができる。

1項

国 及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等の予防 及びまん延の防止に関する知識を普及するとともに、新型インフルエンザ等対策の重要性について国民の理解と関心を深めるため、国民に対する啓発に努めなければならない。

2項

国 及び地方公共団体は、新型インフルエンザ等対策を実施するに当たっては、新型インフルエンザ等に起因する差別的取扱い等(次に掲げる行為をいい、以下 この項において「差別的取扱い等」という。)及び他人に対して差別的取扱い等をすることを要求し、依頼し、又は唆す行為が行われるおそれが高いことを考慮して、新型インフルエンザ等の患者 及び医療従事者 並びにこれらの者の家族 その他のこれらの者と同一の集団に属する者(以下 この項において「新型インフルエンザ等患者等」という。)の人権が尊重され、及び何人も差別的取扱い等を受けることのないようにするため、新型インフルエンザ等患者等に対する差別的取扱い等の実態の把握、新型インフルエンザ等患者等に対する相談支援 並びに新型インフルエンザ等に関する情報の収集、整理、分析 及び提供 並びに広報 その他の啓発活動を行うものとする。

一 号

新型インフルエンザ等患者等であること 又は新型インフルエンザ等患者等であったことを理由とする不当な差別的取扱い

二 号

新型インフルエンザ等の患者等の名誉 又は信用を毀損する行為

三 号

前二号に掲げるもののほか、新型インフルエンザ等の患者等の権利利益を侵害する行為