国民投票広報協議会(以下この節において「協議会」という。)については、国会法に定めるもののほか、この節の定めるところによる。
日本国憲法の改正手続に関する法律 抄
第二節 国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知
協議会の委員(以下この節において「委員」という。)は、協議会が存続する間、その任にあるものとする。
委員の員数は、憲法改正の発議がされた際 衆議院議員であった者 及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とし、その予備員の員数は、当該発議がされた際 衆議院議員であった者 及び当該発議がされた際 参議院議員であった者各十人とする。
委員は、各議院における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て選任する。
ただし、各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは、各議院において、当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとする。
前項の規定は、予備員の選任について準用する。
委員に事故のある場合 又は委員が欠けた場合は、憲法改正の発議がされた際にその者の属していた議院の議員であった予備員のうちから協議会の会長が指名する者が、その委員の職務を行う。
協議会の会長は、協議会の議事を整理し、秩序を保持し、協議会を代表する。
協議会は、次に掲げる事務を行う。
国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨 並びに憲法改正案に係る新旧対照表 その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明 並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見 及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成
第六十五条の憲法改正案の要旨の作成
第百六条 及び第百七条の規定によりその権限に属する事務
前三号に掲げるもののほか憲法改正案の広報に関する事務
協議会が、前項第一号、第二号 及び第四号の事務を行うに当たっては、憲法改正案 及びその要旨 並びに憲法改正案に係る新旧対照表 その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明に関する記載等については客観的かつ中立的に行うとともに、憲法改正案に対する賛成意見 及び反対意見の記載等については公正かつ平等に扱うものとする。
協議会は、憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった委員 及び当該発議がされた際参議院議員であった委員がそれぞれ七人以上出席しなければ、議事を開き議決することができない。
協議会の議事は、出席委員の三分の二以上の多数で決する。
協議会に事務局を置く。
事務局に参事 その他の職員を置き、参事のうち一人を事務局長とする。
事務局長は、協議会の会長の監督を受けて、庶務を掌理し、他の職員を指揮監督する。
事務局長以外の職員は、上司の命を受けて、庶務に従事する。
事務局長 その他の職員は、協議会の会長が両議院の議長の同意 及び両議院の議院運営委員会の承認を得て、任免する。
前各項に定めるもののほか、事務局に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
この節に定めるもののほか、協議会に関する事項は、両議院の議長が協議して定める。
協議会は、第十四条第一項第一号の国民投票公報の原稿を作成したときは、これを国民投票の期日前三十日までに中央選挙管理会に送付しなければならない。
中央選挙管理会は、前項の国民投票公報の原稿の送付があったときは、速やかに、その写しを都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。
都道府県の選挙管理委員会は、前項の国民投票公報の原稿の写しの送付があったときは、速やかに、国民投票公報を印刷しなければならない。
この場合においては、当該写しを原文のまま印刷しなければならない。
公職選挙法第百七十条第一項本文 及び第二項の規定は、国民投票公報の配布について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「当該選挙に用うべき選挙人名簿」とあるのは
「投票人名簿」と、
「選挙の期日前二日」とあるのは
「国民投票の期日前十日」と、
同条第二項中
「選挙人」とあるのは
「投票人」と
読み替えるものとする。
総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会 及び市町村の選挙管理委員会は、国民投票に際し、国民投票の方法、この法律に規定する規制 その他国民投票の手続に関し必要と認める事項を投票人に周知させなければならない。
中央選挙管理会は、国民投票の結果を国民に対して速やかに知らせるように努めなければならない。
投票人に対しては、特別の事情がない限り、国民投票の当日、その投票権を行使するために必要な時間を与えるよう措置されなければならない。