民事訴訟法

# 平成八年法律第百九号 #
略称 : 民訴法 

第一節 当事者能力及び訴訟能力

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年三月一日 ( 2024年 3月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月31日 09時08分


1項

当事者能力、訴訟能力 及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き民法明治二十九年法律第八十九号)その他の法令に従う。


訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。

1項

法人でない社団 又は財団で代表者 又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。

1項

共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告 又は被告となるべき一人 又は数人を選定することができる。

2項

訴訟の係属の後、前項の規定により原告 又は被告となるべき者を選定したときは、他の当事者は、当然に訴訟から脱退する。

3項

係属中の訴訟の原告 又は被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その原告 又は被告を自己のためにも原告 又は被告となるべき者として選定することができる。

4項

第一項 又は前項の規定により原告 又は被告となるべき者を選定した者(以下「選定者」という。)は、その選定を取り消し、又は選定された当事者(以下「選定当事者」という。)を変更することができる。

5項

選定当事者のうち死亡 その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。

1項

未成年者 及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。


ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。

1項

被保佐人、被補助人(訴訟行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る次項 及び第四十条第四項において同じ。)又は後見人 その他の法定代理人が相手方の提起した訴え 又は上訴について訴訟行為をするには、保佐人 若しくは保佐監督人、補助人 若しくは補助監督人 又は後見監督人の同意 その他の授権を要しない。

2項

被保佐人、被補助人 又は後見人 その他の法定代理人が次に掲げる訴訟行為をするには、特別の授権がなければならない。

一 号

訴えの取下げ、和解、請求の放棄 若しくは認諾 又は第四十八条第五十条第三項 及び第五十一条において準用する場合を含む。)の規定による脱退

二 号

控訴、上告 又は第三百十八条第一項の申立ての取下げ

三 号

第三百六十条第三百六十七条第二項 及び第三百七十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ 又はその取下げについての同意

1項

外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。

1項

訴訟能力、法定代理権 又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。


この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。

2項

訴訟能力、法定代理権 又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者 又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。

3項

前二項の規定は、選定当事者が訴訟行為をする場合について準用する。

1項

法定代理人がない場合 又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者 又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。

2項

裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。

3項

特別代理人が訴訟行為をするには、後見人と同一の授権がなければならない。

1項

法定代理権の消滅は、本人 又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。

2項

前項の規定は、選定当事者の選定の取消し 及び変更について準用する。

1項

この法律中 法定代理 及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者 及び法人でない社団 又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者 又は管理人について準用する。