水産資源保護法

# 昭和二十六年法律第三百十三号 #

第四節 溯河魚類の保護培養

分類 法律
カテゴリ   水産業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 01月22日 17時17分


1項

農林水産大臣は、毎年度、溯河魚類のうちさけ 及びますの個体群の維持のために国立研究開発法人水産研究・教育機構(以下「機構」という。)が実施すべき人工ふ化放流に関する計画を定めなければならない。

2項

前項の計画においては、当該年度において人工ふ化放流を実施すべき河川 及び放流数を定めなければならない。

3項

農林水産大臣は、第一項の計画を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。

4項

農林水産大臣は、第一項の計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、機構に通知しなければならない。

5項

機構は、前項の規定による通知を受けたときは、当該計画に従つて人工ふ化放流を実施しなければならない。

1項

機構は、溯河魚類のうちさけ 又は ますを目的とする漁業を営む者が、前条第一項の人工ふ化放流により著しく利益を受けるときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の承認を受けて、その者にその実施に要する費用の一部を負担させることができる。

1項

溯河魚類の通路となつている水面に設置した工作物の所有者 又は占有者は、溯河魚類の溯上を妨げないように、その工作物を管理しなければならない。

2項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の工作物の所有者 又は占有者が同項の規定による管理を怠つていると認めるときは、その者に対し、同項の規定に従つて管理すべきことを命ずることができる。

3項

都道府県知事は、前項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に報告しなければならない。

1項

農林水産大臣は、溯河魚類の通路を害するおそれがあると認めるときは、水面の一定区域内における工作物の設置を制限し、又は禁止することができる。

2項

農林水産大臣は、前項の規定による制限をしようとするときは、当該工作物を設置しようとする者に対し、溯河魚類の通路 若しくは当該通路に代わるべき施設を設置すべきことを命じ、又は溯河魚類の通路 若しくは当該通路に代わるべき施設を設置することが著しく困難であると認める場合においては、当該水面における溯河魚類 若しくは その他の魚類の繁殖に必要な施設を設置し、若しくは方法を講ずべきことを命ずることによつても、これをすることができる。

3項

前項の規定による命令を受けた者は、農林水産省令の定めるところにより、当該命ぜられた事項についての計画を作成し、これについて農林水産大臣の承認を受けなければならない。

1項

農林水産大臣は、工作物が溯河魚類の通路を害すると認めるときは、その所有者 又は占有者に対し、除害工事を命ずることができる。

2項

前項の規定により除害工事を命ずるときは、次項の規定による補償金の総額が国会の議決を経た予算の金額を超えない範囲内でしなければならない。

3項

農林水産大臣は、第一項の規定により除害工事を命じたときは、その工作物について権利を有する者に対し、相当の補償をしなければならない。


ただし第二十五条第二項の規定による命令に違反した者に対し、第一項の規定により除害工事を命じた場合においては、その者に対しては、補償しない。

4項

第一項の規定による除害工事の命令が利害関係人の申請によつてされたときは、農林水産大臣の定めるところにより、当該申請者が、前項本文の規定による補償をしなければならない。

5項

前二項の補償金額に不服がある者は、補償金額決定の通知を受けた日から 六月以内に、訴えをもつて、その増減を請求することができる。

6項

前項の訴えにおいては、国を被告とする。


ただし第四項の場合においては、申請者 又は工作物について権利を有する者を被告とする。

7項

第一項の規定による工作物の除害工事の命令があつた場合において、当該工作物の上に先取特権、質権 又は抵当権があるときは、当該先取特権者、質権者 又は抵当権者から 供託しなくてもよい旨の申出がある場合を除き、農林水産大臣 又は第四項の当該申請者は、第三項 又は第四項補償金を供託しなければならない。

8項

前項の先取特権者、質権者 又は抵当権者は、同項の規定により供託した補償金に対してその権利を行うことができる。

1項

内水面においては、溯河魚類のうちさけを採捕してはならない。


ただし、漁業の免許を受けた者 又は漁業法第百十九条第一項 若しくは第二項 及び この法律の第四条第一項の規定に基づく農林水産省令 若しくは規則の規定により農林水産大臣 若しくは都道府県知事の許可を受けた者が、当該免許 又は許可に基づいて採捕する場合は、この限りでない。

1項

公共の用に供しない水面であつて公共の用に供する水面 又は第三条の水面に通ずるものには、政令で、第二十五条から 前条までの規定 及び これらに係る罰則を適用することができる。