消費者契約法

# 平成十二年法律第六十一号 #

第二款 差止請求関係業務等

分類 法律
カテゴリ   商業
@ 施行日 : 令和五年一月五日 ( 2023年 1月5日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第九十九号による改正
最終編集日 : 2024年 02月18日 17時11分

1項

適格消費者団体は、不特定かつ多数の消費者の利益のために、差止請求権を適切に行使しなければならない。

2項

適格消費者団体は、差止請求権を濫用してはならない。

3項

適格消費者団体は、事案の性質に応じて他の適格消費者団体と共同して差止請求権を行使するほか、差止請求関係業務について相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない。

4項

適格消費者団体は、次に掲げる場合には、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を他の適格消費者団体に通知するとともに、その旨 及びその内容 その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に報告しなければならない。


この場合において、当該適格消費者団体が、当該通知 及び報告に代えて、すべての適格消費者団体 及び内閣総理大臣が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)を利用して同一の情報を閲覧することができる状態に置く措置であって内閣府令で定めるものを講じたときは、当該通知 及び報告をしたものとみなす。

一 号

第四十一条第一項同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による差止請求をしたとき。

二 号

前号に掲げる場合のほか、裁判外において差止請求をしたとき。

三 号

差止請求に係る訴えの提起(和解の申立て、調停の申立て 又は仲裁合意を含む。)又は仮処分命令の申立てがあったとき。

四 号

差止請求に係る判決の言渡し(調停の成立、調停に代わる決定の告知 又は仲裁判断を含む。) 又は差止請求に係る仮処分命令の申立てについての決定の告知があったとき。

五 号

前号の判決に対する上訴の提起(調停に代わる決定に対する異議の申立て 又は仲裁判断の取消しの申立てを含む。)又は同号の決定に対する不服の申立てがあったとき。

六 号

第四号の判決(調停に代わる決定 又は仲裁判断を含む。) 又は同号の決定が確定したとき。

七 号

差止請求に係る裁判上の和解が成立したとき。

八 号

前二号に掲げる場合のほか、差止請求に係る訴訟(和解の申立てに係る手続、調停手続 又は仲裁手続を含む。) 又は差止請求に係る仮処分命令に関する手続が終了したとき。

九 号

差止請求に係る裁判外の和解が成立したときその他差止請求に関する相手方との間の協議が調ったとき、又はこれが調わなかったとき。

十 号

差止請求に関し、請求の放棄、和解、上訴の取下げ その他の内閣府令で定める手続に係る行為であって、それにより確定判決 及びこれと同一の効力を有するものが存することとなるものをしようとするとき。

十一 号

その他差止請求に関し内閣府令で定める手続に係る行為がされたとき。

5項

内閣総理大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、すべての適格消費者団体 並びに内閣総理大臣 及び経済産業大臣が電磁的方法を利用して同一の情報を閲覧することできる状態に置く措置 その他の内閣府令で定める方法により、他の適格消費者団体 及び経済産業大臣に当該報告の日時 及び概要 その他内閣府令で定める事項を伝達するものとする。

6項

適格消費者団体について、第十二条の二第一項第二号本文の確定判決等で強制執行をすることができるものが存する場合には、当該適格消費者団体は、当該確定判決等に係る差止請求権を放棄することができない

1項

適格消費者団体は、差止請求権の行使(差止請求権不存在等確認請求に係る訴訟を含む。第二十八条において同じ。)に関し、消費者から収集した消費者の被害に関する情報をその相手方 その他の第三者が当該被害に係る消費者を識別することができる方法で利用するに当たっては、あらかじめ、当該消費者の同意を得なければならない。

1項

適格消費者団体の役員、職員 若しくは専門委員 又は これらの職にあった者は、正当な理由がなく、差止請求関係業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

1項

適格消費者団体の差止請求関係業務に従事する者は、その差止請求関係業務を行うに当たり、相手方の請求があったときは、当該適格消費者団体の名称、自己の氏名 及び適格消費者団体における役職 又は地位 その他内閣府令で定める事項を、その相手方に明らかにしなければならない。

1項

適格消費者団体は、消費者の被害の防止 及び救済に資するため、消費者に対し、差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの 及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。)又は裁判外の和解の内容 その他必要な情報を提供するよう努めなければならない。

1項

適格消費者団体は、次に掲げる場合を除き、その差止請求に係る相手方から、その差止請求権の行使に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を受けてはならない。

一 号

差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。以下 この項において同じ。) 又は民事訴訟法平成八年法律第百九号第七十三条第一項の決定により訴訟費用(和解の費用、調停手続の費用 及び仲裁手続の費用を含む。)を負担することとされた相手方から 当該訴訟費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。

二 号

差止請求に係る判決に基づいて民事執行法昭和五十四年法律第四号第百七十二条第一項の規定により命じられた金銭の支払として財産上の利益を受けるとき。

三 号

差止請求に係る判決に基づく強制執行の執行費用に相当する額の償還として財産上の利益を受けるとき。

四 号

差止請求に係る相手方の債務の履行を確保するために約定された違約金の支払として財産上の利益を受けるとき。

2項

適格消費者団体の役員、職員 又は専門委員は、適格消費者団体の差止請求に係る相手方から、その差止請求権の行使に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を受けてはならない。

3項

適格消費者団体 又は その役員、職員 若しくは専門委員は、適格消費者団体の差止請求に係る相手方から、その差止請求権の行使に関し、寄附金、賛助金 その他名目のいかんを問わず、金銭 その他の財産上の利益を第三者に受けさせてはならない。

4項

前三項に規定する差止請求に係る相手方からその差止請求権の行使に関して受け 又は受けさせてはならない財産上の利益には、その相手方がその差止請求権の行使に関してした不法行為によって生じた損害の賠償として受け 又は受けさせる財産上の利益は含まれない。

5項

適格消費者団体は、第一項各号に規定する財産上の利益を受けたときは、これに相当する金額を積み立て、これを差止請求関係業務に要する費用に充てなければならない。

6項

適格消費者団体は、その定款において、差止請求関係業務を廃止し、又は第十三条第一項の認定の失効(差止請求関係業務の廃止によるものを除く)若しくは取消しにより差止請求関係業務を終了した場合において、積立金(前項の規定により積み立てられた金額をいう。)に残余があるときは、その残余に相当する金額を、他の適格消費者団体(第三十五条の規定により差止請求権を承継した適格消費者団体がある場合にあっては、当該適格消費者団体)があるときは当該他の適格消費者団体に、これがないときは第十三条第三項第二号に掲げる要件に適合する消費者団体であって内閣総理大臣が指定するもの 又は国に帰属させる旨を定めておかなければならない。

1項

適格消費者団体は、その行う差止請求関係業務に支障がない限り、定款の定めるところにより、差止請求関係業務以外の業務を行うことができる。

2項

適格消費者団体は、次に掲げる業務に係る経理をそれぞれ区分して整理しなければならない。

一 号
差止請求関係業務
二 号

不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を図るための活動に係る業務(前号に掲げる業務を除く

三 号

前二号に掲げる業務以外の業務