群衆犯罪の捜査については、この章に規定するもののほか、一般の例によるものとする。
犯罪捜査規範
第15章 群衆犯罪に関する特則
群衆犯罪の捜査については、常に一般社会の情勢 及び群衆犯罪の主体となるおそれのある団体、集団等の実態と その動向を正しく把握し、群衆犯罪の捜査が適確に行われるように心掛けなければならない。
群衆犯罪の捜査を行うに当たつては、実行行為者のみにとどまることなく、首謀者、謀議参与者 その他事件の背後にある共犯関係者を的確に把握するように努めなければならない。
群衆犯罪の現場においてその被疑者を逮捕するに当たつては、相手方の勢力、情勢の推移等を慎重に考慮し、逮捕の時期、方法 及び範囲を誤ることのないよう、現場指揮官の統制の下に行わなければならない。
群衆犯罪が発生した場合は、随時、その実行状況 その他現場の状況を明らかにし、被疑者の犯行を確認する等証拠の収集保全に努めなければならない。
群衆犯罪の被疑者を逮捕した場合においては、逮捕に当たつた警察官は、それぞれ自己の逮捕した被疑者につき、その人相、体格 その他の特徴、犯罪事実の概要、逮捕の時、場所 及び状況等を明確に記憶しておいて、事後の取調べに支障を生じないようにしておかなければならない。
前項に規定する目的を達するため、必要があるときは、被疑者を逮捕した直後において、被疑者を逮捕した警察官とともに撮影しておく等適当な方法をとらなければならない。
被疑者を逮捕する場合において、当該被疑者と関係のある物件を差し押さえたときは、その間の関係を明らかにするため、これらをともに撮影する等適当な方法をとらなければならない。
群衆犯罪の被疑者を多数同時に逮捕した場合において、通謀、奪還等を防止するため必要があるときは、被疑者の分散留置 その他の適切な措置が講ぜられるようにしなければならない。
群衆犯罪の被疑者の取調べを行うに当たつては、特に取調べに当たる警察官相互の連絡を密接にし、事件の全ぼうを明らかにするように努めなければならない。