精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

# 昭和二十五年法律第百二十三号 #
略称 : 精神保健福祉法 

第三節 医療保護入院等

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百四号による改正
最終編集日 : 2024年 05月02日 22時43分


1項

精神科病院の管理者は、次に掲げる者について、その家族等のうちいずれかの者の同意があるときは、本人の同意がなくても、六月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内の期間を定め、その者を入院させることができる。

一 号

指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療 及び保護のため入院の必要がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたもの

二 号

第三十四条第一項の規定により移送された者

2項

精神科病院の管理者は、前項第一号に掲げる者について、その家族等がない場合 又はその家族等の全員がその意思を表示することができず、若しくは同項の規定による同意 若しくは不同意の意思表示を行わない場合において、その者の居住地(居住地がないか、又は明らかでないときは、その者の現在地。第四十五条第一項除き、以下同じ。)を管轄する市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)の同意があるときは、本人の同意がなくても、六月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内の期間を定め、その者を入院させることができる。


第三十四条第二項の規定により移送された者について、その者の居住地を管轄する市町村長の同意があるときも、同様とする。

3項

前二項に規定する場合において、精神科病院(厚生労働省令で定める基準に適合すると都道府県知事が認めるものに限る)の管理者は、緊急 その他やむを得ない理由があるときは、指定医に代えて特定医師に診察を行わせることができる。


この場合において、診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療 及び保護のため入院の必要がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたときは、前二項の規定にかかわらず、本人の同意がなくても、十二時間を限り、その者を入院させることができる。

4項

第十九条の四の二の規定は、前項の規定により診察を行つた場合について準用する。


この場合において、

同条
指定医は、前条第一項」とあるのは
第二十一条第四項に規定する特定医師は、第三十三条第三項」と、

当該指定医」とあるのは
「当該特定医師」と

読み替えるものとする。

5項

精神科病院の管理者は、第三項後段の規定による入院措置を採つたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該入院措置に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

6項

精神科病院の管理者は、第一項 又は第二項の規定により入院した者(以下「医療保護入院者」という。)であつて次の各号いずれにも該当する者について、厚生労働省令で定めるところによりその家族等のうちいずれかの者(同項の場合にあつては、その者の居住地を管轄する市町村長)の同意があるときは、本人の同意がなくても、六月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内の期間を定め、これらの規定による入院の期間(この項の規定により入院の期間が更新されたときは、その更新後の入院の期間)を更新することができる。

一 号

指定医による診察の結果、なお第一項第一号に掲げる者に該当すること。

二 号

厚生労働省令で定める者により構成される委員会において当該医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置について審議が行われたこと。

7項

第二項に規定する市町村長は、同項 又は前項の規定に基づく事務に関し、関係行政機関 又は関係地方公共団体に対し、必要な事項を照会することができる。

8項

精神科病院の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療保護入院者の家族等に第六項の規定によるその同意に関し必要な事項を通知しなければならない。


この場合において、厚生労働省令で定める日までにその家族等のいずれの者からも同項の規定による入院の期間の更新について不同意の意思表示を受けなかつたときは、同項の規定による家族等の同意を得たものとみなすことができる。


ただし、当該同意の趣旨に照らし適当でない場合として厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。

9項

精神科病院の管理者は、第一項第二項 若しくは第三項後段の規定による入院措置を採つたとき、又は第六項の規定による入院の期間の更新をしたときは、十日以内に、その者の症状 その他厚生労働省令で定める事項を当該入院 又は当該入院の期間の更新について同意をした者の同意書を添え(前項の規定により家族等の同意を得たものとみなした場合にあつては、その旨を示し)、最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出なければならない。

1項

精神科病院の管理者は、医療保護入院者を退院させたときは、十日以内に、その旨 及び厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出なければならない。

1項

精神科病院の管理者は、第三十三条第一項第二項 若しくは第三項後段の規定による入院措置を採る場合 又は同条第六項の規定による入院の期間の更新をする場合においては、当該精神障害者 及びその家族等であつて同条第一項 又は第六項の規定による同意をしたものに対し、当該入院措置を採る旨 又は当該入院の期間の更新をする旨 及びその理由、第三十八条の四の規定による退院等の請求に関すること その他厚生労働省令で定める事項を書面で知らせなければならない。


ただし、当該精神障害者については、当該入院措置を採つた日 又は当該入院の期間の更新をした日から四週間を経過する日までの間であつて、その症状に照らし、その者の医療 及び保護を図る上で支障があると認められる間においては、この限りでない。

2項

精神科病院の管理者は、前項ただし書の規定により同項本文に規定する事項を書面で知らせなかつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める事項を診療録に記載しなければならない。

1項

第二十九条の六 及び第二十九条の七の規定は、医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者について準用する。


この場合において、

これらの規定中
措置入院者」とあるのは、
「医療保護入院者」と

読み替えるものとする。

1項

精神科病院の管理者は、前条において準用する第二十九条の六 及び第二十九条の七に規定する措置のほか、厚生労働省令で定めるところにより、必要に応じて地域援助事業者と連携を図りながら、医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するために必要な体制の整備 その他の当該精神科病院における医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置を講じなければならない。

1項

厚生労働大臣の定める基準に適合するものとして都道府県知事が指定する精神科病院の管理者は、医療 及び保護の依頼があつた者について、急速を要し、その家族等の同意を得ることができない場合において、その者が、次に該当する者であるときは、本人の同意がなくても、七十二時間を限り、その者を入院させることができる。

一 号

指定医の診察の結果、精神障害者であり、かつ、直ちに入院させなければその者の医療 及び保護を図る上で著しく支障がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたもの

二 号

第三十四条第三項の規定により移送された者

2項

前項に規定する場合において、同項に規定する精神科病院の管理者は、緊急 その他やむを得ない理由があるときは、指定医に代えて特定医師に同項の医療 及び保護の依頼があつた者の診察を行わせることができる。


この場合において、診察の結果、その者が、精神障害者であり、かつ、直ちに入院させなければその者の医療 及び保護を図る上で著しく支障がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたときは、同項の規定にかかわらず、本人の同意がなくても、十二時間を限り、その者を入院させることができる。

3項

第十九条の四の二の規定は、前項の規定により診察を行つた場合について準用する。


この場合において、

同条
指定医は、前条第一項」とあるのは
第二十一条第四項に規定する特定医師は、第三十三条の六第二項」と、

当該指定医」とあるのは
「当該特定医師」と

読み替えるものとする。

4項

第一項に規定する精神科病院の管理者は、第二項後段の規定による入院措置を採つたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該入院措置に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

5項

第一項に規定する精神科病院の管理者は、同項 又は第二項後段の規定による入院措置を採つたときは、直ちに、当該入院措置を採つた理由 その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出なければならない。

6項

都道府県知事は、第一項の指定を受けた精神科病院が同項の基準に適合しなくなつたと認めたときは、その指定を取り消すことができる。

7項

厚生労働大臣は、前項に規定する都道府県知事の権限に属する事務について、第一項の指定を受けた精神科病院に入院中の者の処遇を確保する緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し前項の事務を行うことを指示することができる。

1項

第十九条の九第二項の規定は前条第六項の規定による処分をする場合について、第二十九条第三項の規定は精神科病院の管理者が前条第一項 又は第二項後段の規定による入院措置を採る場合について準用する。


この場合において、

第二十九条第三項
当該精神障害者 及びその家族等であつて第二十八条第一項の規定による通知を受けたもの又は同条第二項の規定による立会いを行つたもの」とあるのは、
「当該精神障害者」と

読み替えるものとする。

1項

都道府県知事は、その指定する指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ、直ちに入院させなければその者の医療 及び保護を図る上で著しく支障がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたものにつき、その家族等のうちいずれかの者の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を第三十三条第一項の規定による入院をさせるため第三十三条の六第一項に規定する精神科病院に移送することができる。

2項

都道府県知事は、前項に規定する精神障害者の家族等がない場合 又はその家族等の全員がその意思を表示することができず、若しくは同項の規定による同意 若しくは不同意の意思表示を行わない場合において、その者の居住地を管轄する市町村長の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を第三十三条第二項の規定による入院をさせるため第三十三条の六第一項に規定する精神科病院に移送することができる。

3項

都道府県知事は、急速を要し、その者の家族等の同意を得ることができない場合において、その指定する指定医の診察の結果、その者が精神障害者であり、かつ、直ちに入院させなければその者の医療 及び保護を図る上で著しく支障がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたときは、本人の同意がなくてもその者を第三十三条の六第一項の規定による入院をさせるため同項に規定する精神科病院に移送することができる。

4項

第二十九条の二の二第二項 及び第三項の規定は前三項の規定による移送を行う場合について、第三十三条第七項の規定は第二項の規定による移送を行う場合について準用する。


この場合において、

同条第七項中「第二項」とあるのは
第三十四条第二項」と、

同項 又は前項」とあるのは
「同項」と

読み替えるものとする。