組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律

# 平成十一年法律第百三十六号 #
略称 : 組織的犯罪処罰法  組織犯罪対策三法  組織犯罪処罰法 

第二節 追徴保全

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年七月十四日 ( 2024年 7月14日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第四十八号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

裁判所は、 若しくは 若しくはに掲げる罪 又はの罪に係る被告事件に関し、この法律 その他の法令の規定により不法財産の価額を追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、追徴の裁判の執行をすることができなくなるおそれがあり、又はその執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、追徴保全命令を発して、被告人に対し、その財産の処分を禁止することができる。

2項

追徴保全命令は、追徴の裁判の執行のため保全することを相当と認める金額(第四項において「追徴保全額」という。)を定め、特定の財産について発しなければならない。


ただし、動産については、目的物を特定しないで発することができる。

3項

追徴保全命令においては、処分を禁止すべき財産について、追徴保全命令の執行の停止を得るため、又は追徴保全命令の執行としてされた処分の取消しを得るために被告人が納付すべき金銭(以下「追徴保全解放金」という。)の額を定めなければならない。

4項

追徴保全命令には、被告人の氏名、罪名、公訴事実の要旨、追徴の根拠となるべき法令の条項、追徴保全額、処分を禁止すべき財産の表示、追徴保全解放金の額、発付の年月日 その他最高裁判所規則で定める事項を記載し、裁判長 又は受命裁判官が、これに記名押印しなければならない。

5項

及びの規定は、追徴保全(追徴保全命令による処分の禁止をいう。以下同じ。)について準用する。

1項

裁判官は、の規定により追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、に規定する必要があると認めるときは、公訴が提起される前であっても、検察官の請求により、に規定する処分をすることができる。

2項

本文 及びの規定は、前項の規定による追徴保全について準用する。

1項

追徴保全命令は、検察官の命令によってこれを執行する。


この命令は、平成元年法律第九十一号)の規定による仮差押命令と同一の効力を有する。

2項

追徴保全命令の執行は、追徴保全命令の謄本が被告人 又は被疑者に送達される前であっても、これをすることができる。

3項

追徴保全命令の執行は、この法律に特別の定めがあるもののほか、 その他仮差押えの執行の手続に関する法令の規定に従ってする。


この場合において、これらの法令の規定において仮差押命令を発した裁判所が保全執行裁判所として管轄することとされる仮差押えの執行については、第一項の規定による命令を発した検察官の所属する検察庁の対応する裁判所が管轄する。

1項

追徴保全命令に基づく 仮差押えの執行がされた金銭債権の債務者が、当該債権の額に相当する額の金銭を供託したときは、債権者の供託金の還付請求権につき、当該仮差押えの執行がされたものとみなす。

2項

前項の規定は、追徴保全解放金の額を超える部分に係る供託金については、これを適用しない

1項

追徴保全解放金が納付された後に、追徴の裁判が確定したとき、又は仮納付の裁判の言渡しがあったときは、納付された金額の限度において追徴 又は仮納付の裁判の執 行があったものとみなす。

2項

追徴の言渡しがあった場合において、納付された追徴保全解放金が追徴の金額を超えるときは、その超過額は、被告人に還付しなければならない。

1項

裁判所は、追徴保全の理由 若しくは必要がなくなったとき、又は追徴保全の期間が不当に長くなったときは、検察官、被告人 若しくはその弁護人の請求により、又は職権で、決定をもって、追徴保全命令を取り消さなければならない。


の規定は、この場合に準用する。

1項

追徴保全命令は、無罪、免訴 若しくは公訴棄却( 及びの規定による場合を除く)の裁判の告知があったとき、又は有罪の裁判の告知があった場合において追徴の言渡しがなかったときは、その効力を失う。

2項

又はの規定による公訴棄却の裁判があった場合における追徴保全命令の効力については、の規定を準用する。

1項

追徴保全命令が効力を失ったとき、又は追徴保全解放金が納付されたときは、検察官は、速やかに、の規定によりした命令を取り消し、かつ、追徴保全命令に基づく仮差押えの執行の停止 又は既にした仮差押えの執行の取消しのため、必要な措置を執らなければならない。