船舶の所有者等の責任の制限に関する法律

# 昭和五十年法律第九十四号 #
略称 : 船主責任制限法 

第六節 責任制限手続への参加

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和二年十月一日 ( 2020年 10月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第十八号による改正
最終編集日 : 2023年 05月10日 14時07分


1項

制限債権者は、その有する制限債権(利息 又は不履行による損害賠償 若しくは違約金の請求権については、制限債権の調査期日の開始の日までに生じたものに限る。以下この章において同じ。)をもつて責任制限手続に参加することができる。

2項

制限債権を弁済した申立人 又は受益債務者は、弁済の限度においてその制限債権を有するものとみなし、これをもつて責任制限手続に参加することができる。

3項

制限債権につき、将来、制限債権者に代位し、又は申立人 若しくは受益債務者に対して求償権を有することとなる者は、その制限債権を有するものとみなし、これをもつて責任制限手続に参加することができる。


ただし、制限債権者が責任制限手続に参加した場合における当該参加に係る制限債権については、この限りでない。

4項

申立人 又は受益債務者は、制限債権に基づき外国において強制執行をされるおそれがあるときは、その強制執行により支払をすべき制限債権の額についてその制限債権を有するものとみなし、これをもつて責任制限手続に参加することができる。


前項ただし書の規定は、この場合について準用する。

5項

前各項の規定により責任制限手続に参加しようとする者は、制限債権の内容 その他の最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。

6項

第四項の規定により責任制限手続に参加しようとする者が前項の規定による届出をするときは、外国において強制執行をされるおそれがあることを疎明しなければならない。

1項

制限債権につき申立人 及び受益債務者以外に全部の履行をする義務を負う者がある場合において、その者のためにも責任制限手続が開始され、又は拡張されたときは、制限債権者は、責任制限手続開始の時又は責任制限手続拡張の時に有する制限債権の全額につき、各責任制限手続においてその権利を行うことができる。

2項

前項の規定は、制限債権につき申立人 及び受益債務者以外に全部の履行をする義務を負う者がある場合において、その者のために船舶油濁等損害賠償保障法の規定により責任制限手続が開始され、又は拡張されたときにおける同法第二条第十三号に規定する船舶油濁等損害に基づく 債権(制限債権に該当するものに限る)について準用する。

1項

債権の目的が、金銭でないとき、又は金銭であつてその額が不確定であるとき、若しくは外国の通貨をもつて定められたものであるときは、その債権の額は、責任制限手続開始の時 又は責任制限手続拡張の時における評価額による。

1項

第四十七条第五項の規定による届出は、第二十七条第三十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により裁判所が定めた届出期間内にしなければならない。

2項

第四十七条第一項から第四項までの規定により責任制限手続に参加することのできる者が、その責めに帰することのできない事由によつて届出期間内に届出をすることができなかつたときは、その者は、前項の規定にかかわらず、届出期間が経過した後においても、届出をすることができる。


ただし、制限債権の調査期日が終了した後は、この限りでない。

1項

責任制限手続に参加した者は、その届け出た事項に変更が生じたとき、又は届け出た事項を変更しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。

2項

前条の規定は、他の制限債権者の利益を害すべき変更の届出をする場合について準用する。

3項

第四十七条第三項 又は第四項の規定により責任制限手続に参加した者は、制限債権者に代位し、申立人 若しくは受益債務者に対して求償権を取得し、又は制限債権につき支払をしたときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。


この場合においては、届出の原因となつた事実を証明しなければならない。

1項

責任制限手続に参加した者の届出に係る債権を取得した者は、その参加した者の地位を承継することができる。

2項

前項の規定により承継しようとする者は、取得した債権 その他の最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。


この場合においては、当該債権を取得したことを証明しなければならない。

3項

前二項の規定は、第四十七条第一項の規定により責任制限手続に参加した者の届出に係る債権を弁済した申立人 又は受益債務者について準用する。

1項

裁判所は、この節の規定によつてする届出が第四十七条第五項 若しくは第六項第五十条第五十一条第二項において準用する場合を含む。)、第五十一条第三項 又は前条第二項同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反するときは、その届出を却下しなければならない。

2項

前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

責任制限手続への参加がある場合には、責任制限手続への参加が終了する(責任制限手続終結の決定によらないで責任制限手続への参加が終了した場合にあつては、その終了の時から六月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

1項

申立人 及び受益債務者は、第十八条第三十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定により届け出た制限債権者以外の制限債権者で、まだ責任制限手続に参加していないものの氏名 又は名称 及び住所を知つたときは、直ちに、これを裁判所に届け出なければならない。


ただし、制限債権の調査期日が終了した後に知つたときは、この限りでない。

2項

第二十八条第二項 及び第三項第三十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、前項の規定による届出に係る制限債権者について準用する。

1項

第四十七条第一項の規定により責任制限手続に参加した者の著しい損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、当該参加した者の届出に係る債権が確定する前においても、管理人の申立てにより、又は職権で、管理人に対して、制限債権に対する配当の一部として基金から相当の金額を支払うことを命ずることができる。

2項

管理人は、前項に規定する制限債権者から同項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちに、その旨を裁判所に報告し、なお、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その理由を裁判所に報告しなければならない。