著作権法

# 昭和四十五年法律第四十八号 #

第八節 裁定による著作物の利用

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和八年六月二十四日 ( 2024年 7月19日 )
@ 最終更新 : 令和八年法律第四十八号
最終編集日 : 2026年 07月29日 12時42分


1項

公表された著作物 又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明 その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合は、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。

一 号

権利者情報(著作権者の氏名 又は名称 及び住所 又は居所 その他著作権者と連絡するために必要な情報をいう。以下この号において同じ。)を取得するための措置として文化庁長官が定めるものをとり、かつ、当該措置により取得した権利者情報 その他その保有する全ての権利者情報に基づき著作権者と連絡するための措置をとつたにもかかわらず、著作権者と連絡することができなかつたこと。

二 号
著作者が当該公表著作物等の出版 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
2項

地方公共団体 その他これらに準ずるものとして政令で定める法人以下この項 及び次条において「国等」という。)が前項の規定により著作物を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず同項の規定による供託を要しない。


この場合において、国等著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、同項の規定により文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

3項

第一項裁定を受けようとする者は、著作物の利用方法 その他政令で定める事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料 その他政令で定める資料を添えて、これを文化庁長官提出しなければならない。

一 号
当該著作物が公表著作物等であることを疎明する資料
二 号

第一項各号に該当することを疎明する資料

三 号

前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める資料

4項

裁定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。


ただし、当該者が国であるときは、この限りでない。

5項
裁定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 号
当該裁定に係る著作物の利用方法
二 号

前号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項

6項

文化庁長官は、裁定をしない処分をするときは、あらかじめ、裁定の申請をした者(次項 及び次条第一項において「申請者」という。)にその理由を通知し、弁明 及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。

7項

文化庁長官は、次の各号に掲げるときは、当該各号に定める事項を申請者に通知しなければならない。

一 号

裁定をしたとき

第五項各号に掲げる事項 及び当該裁定に係る著作物の利用につき定めた補償金の額

二 号

裁定をしない処分をしたとき

その旨 及びその理由

8項

文化庁長官は、裁定をしたときは、その旨 及び次に掲げる事項をインターネットの利用 その他の適切な方法により公表しなければならない。

一 号
当該裁定に係る著作物の題号、著作者名 その他の当該著作物を特定するために必要な情報
二 号

第五項第一号に掲げる事項

三 号

前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項

9項

文化庁長官は、前項の規定による公表に必要と認められる限度において、裁定に係る著作物を利用することができる。

10項

第一項の規定により作成した著作物の複製物には、裁定に係る複製物である旨 及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。

1項

申請者は、当該申請に係る著作物の利用方法を勘案して文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定 又は裁定をしない処分を受けるまでの間(裁定 又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間)、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用することができる。


ただし、当該著作物の著作者が当該著作物の出版 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるときは、この限りでない。

2項

国等前項の規定により著作物を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず同項の規定による供託を要しない。

3項

第一項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の規定の適用を受けて作成された複製物である旨 及び裁定の申請をした年月日を表示しなければならない。

4項

第一項の規定により著作物を利用する者以下「申請中利用者」という。)(国等を除く次項において同じ。)が裁定を受けたときは、前条第一項の規定にかかわらず同項の補償金のうち第一項の規定により供託された担保金の額に相当する額(当該担保金の額が当該補償金の額を超えるときは、当該額)については、同条第一項の規定による供託を要しない。

5項

申請中利用者は、裁定をしない処分を受けたとき(当該処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つた場合を除く)は、当該処分を受けた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託しなければならない。


この場合において、同項の規定により供託された担保金の額のうち当該補償金の額に相当する額(当該補償金の額が当該担保金の額を超えるときは、当該額)については、当該補償金を供託したものとみなす。

6項

申請中利用者国等に限る)は、裁定をしない処分を受けた後に著作権者連絡をすることができるに至つたときは、当該処分を受けた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

7項

申請中利用者は、裁定 又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

8項

第四項第五項 又は前項の場合において、著作権者は、前条第一項 又はこの条第五項 若しくは前項の補償金を受ける権利に関し、第一項の規定により供託された担保金から弁済を受けることができる。

9項

第一項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が前項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなつたときは、政令で定めるところにより、その全部 又は一部を取り戻すことができる。

10項

文化庁長官は、申請中利用者から裁定の申請を取り下げる旨の申出があつたときは、裁定をしない処分をするものとする。


この場合において、前条第六項の規定は、適用しない。

1項
未管理公表著作物等を利用しようとする者は、次の各号のいずれにも該当するときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当する額を考慮して文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、当該裁定の定めるところにより、当該未管理公表著作物等を利用することができる。
一 号
当該未管理公表著作物等の利用の可否に係る著作権者の意思を確認するための措置として文化庁長官が定める措置をとつたにもかかわらず、その意思の確認ができなかつたこと。
二 号
著作者が当該未管理公表著作物等の出版 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
2項
前項に規定する未管理公表著作物等とは、公表著作物等のうち、次の各号のいずれにも該当しないものをいう。
一 号
当該公表著作物等に関する著作権について、著作権等管理事業者による管理が行われているもの
二 号
文化庁長官が定める方法により、当該公表著作物等の利用の可否に係る著作権者の意思を円滑に確認するために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているもの
3項
第一項の裁定(以下この条において「裁定」という。)を受けようとする者は、裁定に係る著作物の題号、著作者名 その他の当該著作物を特定するために必要な情報、当該著作物の利用方法 及び利用期間、補償金の額の算定の基礎となるべき事項 その他文部科学省令で定める事項を記載した申請書に、次に掲げる資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
一 号
当該著作物が未管理公表著作物等であることを疎明する資料
二 号
第一項各号に該当することを疎明する資料
三 号
前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める資料
4項
裁定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 号
当該裁定に係る著作物の利用方法
二 号
当該裁定に係る著作物を利用することができる期間
三 号
前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項
5項
前項第二号の期間は、第三項の申請書に記載された利用期間の範囲内かつ三年を限度としなければならない。
6項
第六十七条第四項 及び第六項から 第十項までの規定は、裁定について準用する。この場合において、同条第七項第一号中「第五項各号」とあるのは「第六十七条の三第四項各号」と、同条第八項第二号中「第五項第一号」とあるのは「第六十七条の三第四項第一号 及び第二号」と読み替えるものとする。
7項
裁定に係る著作物の著作権者が、当該著作物の著作権の管理を著作権等管理事業者に委託すること、当該著作物の利用に関する協議の求めを受け付けるための連絡先 その他の情報を公表すること その他の当該著作物の利用に関し当該裁定を受けた者からの協議の求めを受け付けるために必要な措置を講じた場合には、文化庁長官は、当該著作権者の請求により、当該裁定を取り消すことができる。この場合において、文化庁長官は、あらかじめ当該裁定を受けた者に その理由を通知し、弁明 及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
8項
文化庁長官は、前項の規定により裁定を取り消したときは、その旨 及び次項に規定する取消時補償金相当額 その他の文部科学省令で定める事項を当該裁定を受けた者 及び前項の著作権者に通知しなければならない。
9項
前項に規定する場合においては、著作権者は、第一項の補償金を受ける権利に関し同項の規定により供託された補償金の額のうち、当該裁定のあつた日から その取消しの処分のあつた日の前日までの期間に対応する額(以下この条において「取消時補償金相当額」という。)について弁済を受けることができる。
10項
第八項に規定する場合においては、第一項の補償金を供託した者は、当該補償金の額のうち、取消時補償金相当額を超える額を取り戻すことができる。
11項
国等が第一項の規定により未管理公表著作物等を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず、同項の規定による供託を要しない。この場合において、国等は、著作権者から 請求があつたときは、同項の規定により文化庁長官が定める額(第八項に規定する場合にあつては、取消時補償金相当額)の補償金を著作権者に支払わなければならない。
1項

公表された著作物を放送し、又は放送同時配信等しようとする放送事業者 又は放送同時配信等事業者は、次の各号のいずれにも該当するときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送し、又は放送同時配信等することができる。

一 号
著作権者に対し放送 又は放送同時配信等の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないこと。
二 号
著作者が当該著作物の放送、放送同時配信等 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
三 号
著作権者がその著作物の放送 又は放送同時配信等の許諾を与えないことについてやむを得ない事情があると認められないこと。
2項

前項の規定により放送され、又は放送同時配信等される著作物は、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。


この場合において、当該有線放送、地域限定特定入力型自動公衆送信 又は伝達を行う者は、第三十八条第二項 及び第三項の規定の適用がある場合を除き、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

3項

文化庁長官は、第一項の裁定の申請があつたときは、その旨を当該申請に係る著作権者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。

4項

第六十七条第四項第六項 及び第七項の規定は、第一項の裁定について準用する。


この場合において、

同条第七項
「申請者」とあるのは
「申請者 及び著作権者」と、

同項第一号
「第五項各号に掲げる事項」とあるのは
「その旨」と

読み替えるものとする。

1項

商業用レコードが最初に国内において販売され、かつ、その最初の販売の日から三年を経過した場合において、当該商業用レコードに著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物を録音して他の商業用レコードを製作しようとする者は、次の各号のいずれにも該当するときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、当該録音 又は譲渡による公衆への提供をすることができる。

一 号
著作権者に対し録音 又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないこと。
二 号
著作者が当該音楽の著作物の録音 その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
2項

前条第三項 及び第四項の規定は、前項の裁定について準用する。

1項

第六十七条から前条までに規定するもののほか、この節に定める裁定に関し必要な事項は、政令で定める。