観光立国推進基本法

# 平成十八年法律第百十七号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   観光
最終編集日 : 2024年 08月29日 05時58分


1項

この法律は、二十一世紀の我が国経済社会の発展のために観光立国を実現することが極めて重要であることにかんがみ、観光立国の実現に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国 及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、観光立国の実現に関する施策の基本となる事項を定めることにより、観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民経済の発展、国民生活の安定向上 及び国際相互理解の増進に寄与することを目的とする。

1項

観光立国の実現に関する施策は、地域における創意工夫を生かした主体的な取組を尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進することが、将来にわたる豊かな国民生活の実現のため特に重要であるという認識の下に講ぜられなければならない。

2項

観光立国の実現に関する施策は、観光が健康的でゆとりのある生活を実現する上で果たす役割の重要性にかんがみ、国民の観光旅行の促進が図られるよう講ぜられなければならない。

3項

観光立国の実現に関する施策は、観光が国際相互理解の増進とこれを通じた国際平和のために果たす役割の重要性にかんがみ、国際的視点に立って講ぜられなければならない。

4項

観光立国の実現に関する施策を講ずるに当たっては、観光産業が、多様な事業の分野における特色ある事業活動から構成され、多様な就業の機会を提供すること等により我が国 及び地域の経済社会において重要な役割を担っていることにかんがみ、国、地方公共団体、住民、事業者等による相互の連携が確保されるよう配慮されなければならない。

1項

国は、前条の施策の基本理念(次条第一項において「基本理念」という。)にのっとり、観光立国の実現に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、観光立国の実現に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、自主的かつ主体的に、その地方公共団体の区域の特性を生かした施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2項

地方公共団体は、前項の施策を実施するに当たっては、その効果的な実施を図るため地方公共団体相互の広域的な連携協力に努めなければならない。

1項

住民は、観光立国の意義に対する理解を深め、魅力ある観光地の形成に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。

1項

観光に関する事業(第十六条において「観光事業」という。)を営む者(以下「観光事業者」という。)は、その事業活動を行うに際しては、住民の福祉に配慮するとともに、観光立国の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。

1項

政府は、観光立国の実現に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上 又は金融上の措置 その他の措置を講じなければならない。

1項

政府は、毎年、国会に、観光の状況 及び政府が観光立国の実現に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。

2項

政府は、毎年、交通政策審議会の意見を聴いて、前項の報告に係る観光の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。

1項

交通政策審議会は、国土交通大臣 又は関係各大臣の諮問に応じ、観光立国の実現に関する重要事項を調査審議する。

2項

交通政策審議会は、前項に規定する事項に関し、国土交通大臣 又は関係各大臣に意見を述べることができる。

3項

交通政策審議会は、前二項に規定する事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明 その他 必要な協力を求めることができる。