資産の流動化に関する法律

# 平成十年法律第百五号 #
略称 : 資産流動化法 

第五款 利益の配当

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時49分

1項

特定目的会社は、その社員(当該特定目的会社を除く)に対し、最終事業年度の末日における第一号に掲げる額から第二号から第四号までに掲げる額の合計額を減じて得た額を限度として、利益の配当をすることができる。

一 号
資産の額
二 号
負債の額
三 号
資本金の額
四 号

前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める額

2項

利益の配当は、資産流動化計画で定められた優先出資社員に対する優先的配当の規定に従うほか、各社員(当該特定目的会社を除く)の有する優先出資 又は特定出資の口数に応じて、これをしなければならない。

1項

事業年度を一年とする特定目的会社については、一事業年度の途中において一回に限り事業年度中の一定の日を定めその日における社員(当該特定目的会社を除く)に対し取締役の決定(取締役が数人あるときは、その過半数をもってする決定)により金銭の分配(以下この款において「中間配当」という。)をすることができる旨を定款で定めることができる。

2項

前項の決定は、同項の一定の日から三箇月以内にしなければならない。

3項

中間配当は、第一号に掲げる額から第二号から第五号までに掲げる額の合計額を減じて得た額を限度としてすることができる。

一 号
最終事業年度の末日における資産の額
二 号
最終事業年度の末日における負債の額
三 号
最終事業年度の末日における資本金の額
四 号
最終事業年度に関する定時社員総会において利益から配当し、又は支払うものと定めた金額
五 号

前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める額

4項

取締役は、特定目的会社の事業年度の末日において前条第一項第二号から第四号までに掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるおそれがあると認めるときは、当該事業年度において中間配当を決定してはならない。

5項

中間配当は、これを利益の配当とみなして、第三十二条第四項第二号に係る部分に限る)、第四十五条第四項において準用する会社法第百五十一条第一項第八号に係る部分に限る)及び前条第二項の規定を適用する。

1項

会社法第四百五十七条配当財産の交付の方法等)の規定は、特定目的会社の利益の配当 及び中間配当の場合について準用する。


この場合において、

同条第一項
配当財産(第四百五十五条第二項の規定により支払う金銭 及び前条の規定により支払う金銭を含む。」とあるのは
資産流動化法第百十四条第一項の規定により配当する金銭(中間配当の場合にあっては、分配する金銭。」と、

株主名簿」とあるのは
「特定社員名簿 又は優先出資社員名簿」と、

株主(登録株式質権者を含む。」とあるのは
「社員(登録特定出資質権者 及び登録優先出資質権者を含む。」と、

株主が」とあるのは
「社員が」と、

同条第二項 及び第三項
配当財産」とあるのは
「金銭」と、

株主」とあるのは
「社員」と

読み替えるものとする。

1項

第百十四条第一項の規定に違反して特定目的会社が同項の規定による利益の配当をした場合 又は第百十五条第三項の規定に違反して中間配当をした場合には、当該行為により配当する金銭(以下この款において「配当金」という。)の額(同項の規定に違反して中間配当をした場合にあっては分配する金銭(以下この款において「分配金」という。)の額。以下この条において同じ。)の交付を受けた者 並びに当該利益の配当 又は中間配当に関する職務を行った取締役(当該取締役の行う利益の配当 又は中間配当に職務上関与した者として内閣府令で定めるものを含む。)及び次の各号に掲げる者は、当該特定目的会社に対し、連帯して、当該配当金の額の交付を受けた者が交付を受けた配当金の額に相当する金銭を支払う義務を負う。

一 号

第百四条第二項の規定による定時社員総会の決議による承認があった場合(当該決議によって定められた配当金の額が当該事業年度の末日における第百十四条第一項各号除く)に規定する額を超える場合に限る)における当該定時社員総会に係る総会議案提案取締役(当該定時社員総会に議案を提案した取締役として内閣府令で定めるものをいう。

二 号

第百十五条第一項の規定による取締役の決定があった場合(当該決定によって定められた分配金の額が同条第三項に規定する額を超える場合に限る)における当該取締役の決定に係る決定案提案取締役(当該決定に係る案を提案した取締役として内閣府令で定めるものをいう。

1項

特定目的会社が中間配当をした場合において、当該中間配当をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第百四条第二項の承認を受けた時(同条第四項前段に規定する場合にあっては、同項後段の報告をした時)における第百十四条第一項第二号から第四号までに掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該中間配当に関する職務を行った取締役は、当該特定目的会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該中間配当の分配金の額を超える場合にあっては、当該分配金の額)を支払う義務を負う。


ただし、当該取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

1項

会社法第四百六十二条第二項 及び第三項剰余金の配当等に関する責任)の規定は第百十七条の規定による特定目的会社の取締役の責任について、同法第四百六十三条株主に対する求償権の制限等)の規定は特定目的会社の社員について、同法第四百六十四条買取請求に応じて株式を取得した場合の責任)の規定は第三十八条において準用する同法第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じた特定目的会社の取締役の責任、第五十条第一項において準用する同法第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じた特定目的会社の取締役の責任 及び第百五十三条第一項の規定による請求に応じた特定目的会社の取締役の責任について、同法第四百六十五条第二項欠損が生じた場合の責任)の規定は前条の規定による特定目的会社の取締役の責任について、それぞれ準用する。


この場合において、

同法第四百六十二条第二項
前項」とあるのは
資産流動化法第百十七条」と、

業務執行者」とあるのは
同条に規定する取締役」と、

同項各号に定める者」とあるのは
同条各号に掲げる者」と、

同項の」とあるのは
同条の」と、

同条第三項
第一項の」とあるのは
資産流動化法第百十七条の」と、

業務執行者」とあるのは
同条に規定する取締役」と、

同項各号に定める者」とあるのは
同条各号に掲げる者」と、

前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額」とあるのは
資産流動化法第百十四条第一項 又は第百十五条第三項に規定する額」と、

総株主」とあるのは
「総社員」と、

同法第四百六十三条第一項
前条第一項に」とあるのは
資産流動化法第百十七条に」と、

第四百六十一条第一項各号に掲げる行為」とあるのは
資産流動化法第百十四条の規定による利益の配当 又は中間配当」と、

金銭等の帳簿価額の総額」とあるのは
「配当金の額 又は分配金の額」と、

当該行為がその効力を生じた日における分配可能額」とあるのは
同条第一項 又は資産流動化法第百十五条第三項に規定する額」と、

前条第一項の金銭を支払った業務執行者」とあるのは
資産流動化法第百十七条に規定する取締役」と、

同項各号に定める者」とあるのは
同条各号に掲げる者」と、

同条第二項
前条第一項」とあるのは
資産流動化法第百十七条」と、

同項」とあるのは
同条」と、

金銭等の帳簿価額」とあるのは
「配当金の額 又は分配金の額」と、

同法第四百六十四条第一項
当該支払の日における分配可能額」とあるのは
「当該支払が属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る資産流動化法第百十四条第一項の額」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

第九十七条第三項 及び第四項 並びに会社法第七編第二章第二節第八百四十七条第二項第八百四十七条の二第八百四十七条の三第八百四十九条第二項第三項 及び第六項から第十一項まで第八百四十九条の二第八百五十一条 並びに第八百五十三条第一項第二号 及び第三号除く)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定は、第百十七条の規定による同条に規定する特定目的会社の取締役の責任を追及する訴え 並びに前条の規定 及び前項において準用する同法第四百六十四条の規定による特定目的会社の取締役の責任を追及する訴えについて準用する。


この場合において、

同法第八百四十七条第一項
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは
「特定社員 又は六箇月これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間から引き続き優先出資を有する優先出資社員」と、

同条第三項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第四項
株主」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十七条の四第二項
株主等(株主、適格旧株主 又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

当該株主等」とあるのは
「当該特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十九条第一項
株主等」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と、

同条第四項
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 及び優先出資社員」と、

同法第八百五十条第三項 及び第八百五十二条
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百五十三条第一項第一号
株主」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

特定目的会社は、何人に対しても、社員、特定社債権者、特定約束手形の所持人 又は特定借入れに係る債権者(次項 及び第五項において「社員等」という。)の権利の行使に関し、財産上の利益の供与(当該特定目的会社の計算においてするものに限る。以下この条において同じ。)をしてはならない。

2項

特定目的会社が特定の社員等に対して無償で財産上の利益の供与をしたときは、当該特定目的会社は、社員等の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしたものと推定する。


特定目的会社が特定の社員等に対して有償で財産上の利益の供与をした場合において、当該特定目的会社の受けた利益が当該財産上の利益に比して著しく少ないときも、同様とする。

3項

特定目的会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与を受けた者は、これを当該特定目的会社に返還しなければならない。


この場合において、当該利益の供与を受けた者は、当該特定目的会社に対して当該利益と引換えに給付をしたものがあるときは、その返還を受けることができる。

4項

特定目的会社が第一項の規定に違反して財産上の利益の供与をしたときは、当該利益の供与をすることに関与した取締役として内閣府令で定める者は、当該特定目的会社に対して、連帯して、供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う。


ただし、その者(当該利益の供与をした取締役を除く)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

5項

前項の義務は、すべての社員等の同意がなければ、免除することができない

6項

第九十七条第三項 及び会社法第七編第二章第二節第八百四十七条第二項第八百四十七条の二第八百四十七条の三第八百四十九条第二項第三項 及び第六項から第十一項まで第八百四十九条の二第八百五十一条 並びに第八百五十三条第一項第二号 及び第三号除く)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定は、第三項の利益の返還を求める訴えについて準用する。


この場合において、

同法第八百四十七条第一項
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは
「特定社員 又は六箇月これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間から引き続き優先出資を有する優先出資社員」と、

同条第三項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第四項
株主 又は同項の発起人等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十七条の四第二項
株主等(株主、適格旧株主 又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

当該株主等」とあるのは
「当該特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十九条第一項
株主等」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と、

同条第四項
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 及び優先出資社員」と、

同法第八百五十条第三項 及び第八百五十二条
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百五十三条第一項第一号
株主」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。