資産の流動化に関する法律

# 平成十年法律第百五号 #
略称 : 資産流動化法 

第五節 信託契約の変更等

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時49分


1項

特定目的信託契約の変更は、次の各号いずれかに該当する場合を除くほか、行うことができない

一 号
受託信託会社等が権利者集会に提案してその承諾を受ける場合
二 号
特定目的信託の変更が裁判所により命じられた場合
三 号
変更の内容が内閣府令で定める軽微な内容である場合
四 号
その他投資者の保護に反しないことが明らかな場合として内閣府令で定める場合
2項

前項第一号の規定にかかわらず、特定目的信託契約の変更のうち、資産信託流動化計画に記載し、又は記録する事項で次に掲げるものについての変更は、行うことができない

一 号

第二百二十六条第一項第二号に掲げる事項のうち内閣府令で定めるもの

二 号

第二百二十六条第一項第三号から第五号までに掲げる事項のうち内閣府令で定めるもの(あらかじめ変更を行う場合の条件が資産信託流動化計画に定められている場合を除く

三 号

第二百二十五条第一項の規定による届出に係る資産信託流動化計画にその変更ができない旨の定めがあるもの

3項

第一項第一号の場合において、受託信託会社等は、特定目的信託契約の変更に関する議案の要領を第二百四十二条第二項 又は第三項の規定による通知に記載し、又は記録しなければならない。

4項

第一項第一号の承諾を行う権利者集会の決議は、総元本持分の二分の一三分の一以上の割合を特定目的信託契約で定めた場合にあっては、その割合)を超える元本持分を有する受益証券の権利者が出席し、かつ、その議決権の三分の二これを上回る割合を特定目的信託契約で定めた場合にあっては、その割合以上に当たる多数をもって行わなければならない。


この場合において、第二百四十四条第三項の規定は、適用しない

5項

第一項第三号 及び第四号の場合における特定目的信託契約の変更は、受託信託会社等が行うものとする。

6項

信託法第百四十九条(第一項を除く)(関係当事者の合意等)並びに第六章第二節(信託の併合)及び第三節(信託の分割)の規定は、特定目的信託については、適用しない

1項

前条第五項の場合において、受託信託会社等は、資産信託流動化計画に記載し、又は記録する事項に係る特定目的信託契約の変更を行ったときは、遅滞なく、その旨を各受益証券の権利者に通知し、又は内閣府令で定めるところにより、公告しなければならない。

1項

第二百六十九条第一項第一号の場合に限る)の規定により資産信託流動化計画に記載し、又は記録する事項に係る特定目的信託契約の変更を行う場合において、これを承諾する決議を行う権利者集会に先立ってその変更に反対する旨を受託信託会社等に対し書面をもって通知し、かつ、当該権利者集会において反対した受益証券の権利者は、当該受託信託会社等に対し、自己の有する受益権を当該変更がなければ当該受益権が有すべき公正な価格をもって買い取るべき旨を請求することができる。

2項

受益証券の権利者は、あらかじめ特定目的信託契約に定めがあるときは、前項の規定による書面による通知に代えて、電磁的方法により同項に規定する特定目的信託契約の変更に反対する旨を通知することができる。


この場合において、当該受益証券の権利者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

3項

第一項の規定により受託信託会社等が受益権の買取りを行うときは、当該買取りの対価 その他これに要した費用は、信託財産に関して負担する費用として受託信託会社等の負担とする。

4項

前項の場合において、買取りに係る受益権の処分の方法について、あらかじめ特定目的信託契約の定め又は権利者集会の決議がないときは、当該買取りに係る受益権は、消滅するものとする。

5項

信託法第百三条第四項から第八項まで(受益権取得請求)、第百四条(受益権の価格の決定等)、第二百六十二条(第五項を除く)(信託に関する非訟事件の管轄)、第二百六十三条(信託に関する非訟事件の手続の特例)及び第二百六十四条(最高裁判所規則)の規定は、第一項の受益権の買取りの請求について準用する。


この場合において、

同法第百三条第四項中
重要な信託の変更等」とあるのは
資産の流動化に関する法律以下「資産流動化法」という。第二百六十九条第一項第一号の場合に限る)の規定により資産信託流動化計画に記載し、又は記録する事項に係る特定目的信託契約の変更」と、

受益者」とあるのは
資産流動化法第二百七十一条第一項に規定する受益証券の権利者」と、

同条第五項中
官報による公告」とあるのは
「公告」と、

同条第六項中
第一項 又は第二項」とあるのは
資産流動化法第二百七十一条第一項」と、

受益権の内容」とあるのは
「元本持分(種類の異なる受益権を定めた場合にあっては、受益権の種類 及び種類ごとの元本持分)」と、

同条第八項中
重要な信託の変更等」とあるのは
資産流動化法第二百六十九条第一項第一号の場合に限る)の規定により資産信託流動化計画に記載し、又は記録する事項に係る特定目的信託契約の変更」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

6項

信託法第四章第二節第四款(受益権取得請求権)の規定は、特定目的信託については、適用しない

1項

特定目的信託契約において受益権を元本持分を有しない種類の受益権に分割している場合であって第二百六十九条第一項第一号の場合に限る)の規定により資産信託流動化計画に記載し、又は記録する事項に係る特定目的信託契約の変更を行うときは、権利者集会の承諾の決議のほか種類権利者集会(元本持分を有しない種類の受益権に係るものに限る)の承諾を得なければならない。

2項

第二百六十九条第三項 及び第四項 並びに前条の規定は、前項の承諾の決議を行う種類権利者集会について準用する。


この場合において、

第二百六十九条第四項
元本持分」とあるのは
「利益持分」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

受託信託会社等 及びその理事、取締役 若しくは執行役 又はこれらに準ずる者の責任の免除は、権利者集会の決議によるものとする。

2項

前項の権利者集会の決議は、受益証券の権利者の全員一致をもって行う。


この場合において、第二百四十四条第三項の規定は、適用しない

1項
受託信託会社等の辞任の同意は、権利者集会の決議によるものとする。
2項
受託信託会社等に職務遂行に関し不正の行為 又は法令 若しくは特定目的信託契約に違反する重大な事実があるときは、裁判所は、権利者集会の決議による請求により、当該受託信託会社等を解任することができる。
3項

受託信託会社等が信託業法第七条第三項(同法第五十四条第二項において準用する場合を含む。)の登録の更新をしなかった場合、同法第四十四条第一項の規定により同法第三条の免許を取り消された場合、同法第四十五条第一項の規定により同法第七条第一項の登録を取り消された場合、同法第五十九条第一項の規定により同法第五十三条第一項の免許を取り消された場合、同法第六十条第一項の規定により同法第五十四条第一項の登録を取り消された場合 又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第十条の規定により同法第一条第一項の認可を取り消された場合における前項の規定の適用については、

同項中
権利者集会の決議」とあるのは、
「権利者集会の決議 又は内閣総理大臣」と

する。

4項

信託業法第四十九条(第一項を除く)の規定は、前項の場合について準用する。

5項

第二百六十九条第四項の規定は第一項の権利者集会の決議について、信託法第二百六十二条(第五項を除く)(信託に関する非訟事件の管轄)の規定は第二項第三項の規定により適用する場合を含む。)の規定により解任する場合について、それぞれ準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

受託信託会社等が辞任し、又は解任された場合には、当該受託信託会社等であった信託会社等(以下この条において「前受託信託会社等」という。)は、遅滞なく、信託財産に係る財産目録 及び貸借対照表を作成し、権利者集会の承認を受けなければならない。


この場合において、信託法第七十七条第二項の規定の適用については、

同項中
受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人。次項において同じ。)が前項の計算」とあるのは、
「権利者集会が資産の流動化に関する法律第二百七十五条第一項の財産目録 及び貸借対照表」と

する。

2項
前受託信託会社等による信託事務の引継ぎは、代表権利者が定められているときは代表権利者、代表権利者が定められていないときは権利者集会の決議により定められた者の立会いの下に行わなければならない。
3項

前受託信託会社等は、第一項の承認を行う権利者集会の会日の一週間前から同項の書類を本店に備え置かなければならない。

4項

第二百四十四条第三項の規定は、第一項の承認を行う権利者集会については、適用しない

5項

会社法第四百四十二条第三項計算書類等の備置き及び閲覧等)の規定は、第一項の財産目録 及び貸借対照表について準用する。


この場合において、

同条第三項
株主 及び債権者」とあるのは
「各受益証券の権利者 及び受託信託会社等であった信託会社等が当該特定目的信託の事務を処理するために行った資金の借入れに係る債権者」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項
特定目的信託契約は、権利者集会の決議により、これを終了させることができる。
2項

第二百六十九条第四項の規定は、前項の決議について準用する。

3項

信託法第百六十四条(委託者 及び受益者の合意等による信託の終了)の規定は、特定目的信託については、適用しない

1項

次に掲げる場合においてやむを得ない事由があるときは、十分の一以上の元本持分を有する受益証券の権利者は、前条第一項の規定にかかわらず、特定目的信託の終了を裁判所に請求することができる。

一 号
受託信託会社等が信託事務の遂行上著しく困難な状況に至り、信託財産に回復することのできない損害を生じ、又は生ずるおそれがある場合
二 号
受託信託会社等の信託財産の管理 又は処分が著しく不適当で、信託財産に回復することのできない損害を生じ、又は生ずるおそれがある場合
2項

会社法第八百三十五条第一項訴えの管轄 及び移送)及び第八百四十六条原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定は、前項の請求について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項
特定目的信託契約は、次に掲げる事由によって終了する。
一 号

信託法第百六十三条各号(信託の終了事由)に掲げる事由の発生

二 号

第二百七十六条の権利者集会の決議

三 号

前条第一項の特定目的信託の終了を命ずる裁判

四 号
その他政令で定める事由の発生
1項

特定目的信託契約が終了する場合は、受託信託会社等は、遅滞なく、信託財産を処分し、当該処分により得られた金銭を資産信託流動化計画の定めに従い分配しなければならない。

2項

前項の場合において、信託法第三十一条(利益相反行為の制限)の規定は、適用しない

3項

第二百七十五条第一項第三項 及び第四項 並びに会社法第四百四十二条第三項計算書類等の備置き及び閲覧等)の規定は、第一項の場合について準用する。


この場合において、

第二百七十五条第一項
当該受託信託会社等であった信託会社等(以下この条において「前受託信託会社等」という。)」とあるのは
「当該受託信託会社等」と、

同法第四百四十二条第三項
株主 及び債権者」とあるのは
「各受益証券の権利者」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。