難病の患者に対する医療等に関する法律

# 平成二十六年法律第五十号 #
略称 : 難病法  難病医療法 

第四章 調査及び研究

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百四号
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

国は、難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保を図るための基盤となる難病の発病の機構、診断 及び治療方法に関する調査 及び研究 並びに難病の患者の療養生活の質の維持向上を図るための調査 及び研究を推進するものとする。

2項

国は、前項に規定する調査 及び研究の推進に当たっては、小児慢性特定疾病(児童福祉法第六条の二に規定する小児慢性特定疾病をいう。)の治療方法 その他同法第二十一条の四第一項に規定する疾病児童等の健全な育成に資する調査 及び研究との適切な連携を図るよう留意するものとする。

3項

厚生労働大臣は、第一項に規定する調査 及び研究の成果を適切な方法により地方公共団体、難病の発病の機構、診断 及び治療方法に関する調査 及び研究を行う者、難病の患者の療養生活の質の維持向上を図るための調査 及び研究を行う者、医師、難病の患者 及びその家族 その他の関係者に対して積極的に提供するものとする。

4項

厚生労働大臣は、前項の規定により第一項に規定する調査 及び研究の成果を提供するに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。

5項

都道府県は、厚生労働大臣に対し、指定難病の患者に係る指定難病の病名、病状の程度 その他の厚生労働省令で定める指定難病の患者に関する情報(厚生労働省令で定めるところにより指定難病の患者 その他厚生労働省令で定める者の同意を得た情報に限る。以下「同意指定難病関連情報」という。)を、厚生労働省令で定める方法により提供しなければならない。

1項

厚生労働大臣は、難病に関する調査 及び研究の推進 並びに国民保健の向上に資するため、匿名指定難病関連情報(同意指定難病関連情報に係る特定の指定難病の患者(次条において「本人」という。)を識別すること 及びその作成に用いる同意指定難病関連情報を復元することができないようにするために厚生労働省令で定める基準に従い加工した同意指定難病関連情報をいう。以下同じ。)を利用し、又は厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる者であって、匿名指定難病関連情報の提供を受けて行うことについて相当の公益性を有すると認められる業務としてそれぞれ当該各号に定めるものを行うものに提供することができる。

一 号
国の他の行政機関 及び地方公共団体 難病対策に関する施策の企画 及び立案に関する調査
二 号
大学 その他の研究機関 難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保 又は難病の患者の療養生活の質の維持向上に資する研究
三 号

民間事業者 その他の厚生労働省令で定める者 難病の患者に対する医療 又は難病の患者の福祉の分野の研究開発に資する分析 その他の厚生労働省令で定める業務(特定の商品 又は役務の広告 又は宣伝に利用するために行うものを除く

2項

厚生労働大臣は、前項の規定による匿名指定難病関連情報の利用 又は提供を行う場合には、当該匿名指定難病関連情報を児童福祉法第二十一条の四の二第一項に規定する匿名小児慢性特定疾病関連情報 その他の厚生労働省令で定めるものと連結して利用し、又は連結して利用することができる状態で提供することができる。

3項

厚生労働大臣は、第一項の規定により匿名指定難病関連情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。

1項

前条第一項の規定により匿名指定難病関連情報の提供を受け、これを利用する者(以下「匿名指定難病関連情報利用者」という。)は、匿名指定難病関連情報を取り扱うに当たっては、当該匿名指定難病関連情報の作成に用いられた同意指定難病関連情報に係る本人を識別するために、当該同意指定難病関連情報から削除された記述等(文書、図画 若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。)で作られる記録をいう。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作 その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)若しくは匿名指定難病関連情報の作成に用いられた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名指定難病関連情報を他の情報と照合してはならない。

1項

匿名指定難病関連情報利用者は、提供を受けた匿名指定難病関連情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく、当該匿名指定難病関連情報を消去しなければならない。

1項
匿名指定難病関連情報利用者は、匿名指定難病関連情報の漏えい、滅失 又は毀損の防止 その他の当該匿名指定難病関連情報の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
1項
匿名指定難病関連情報利用者 又は匿名指定難病関連情報利用者であった者は、匿名指定難病関連情報の利用に関して知り得た匿名指定難病関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
1項

厚生労働大臣は、この章第二十七条除く)の規定の施行に必要な限度において、匿名指定難病関連情報利用者(国の他の行政機関を除く。以下この項 及び次条において同じ。)に対し報告 若しくは帳簿書類の提出 若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは匿名指定難病関連情報利用者の事務所 その他の事業所に立ち入り、匿名指定難病関連情報利用者の帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

2項

第二十一条第二項の規定は前項の規定による質問 又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

1項

厚生労働大臣は、匿名指定難病関連情報利用者が第二十七条の三から第二十七条の六までの規定に違反していると認めるときは、その者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

厚生労働大臣は、第二十七条第一項に規定する調査 及び研究 並びに第二十七条の二第一項の規定による利用 又は提供に係る事務の全部 又は一部を国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 その他厚生労働省令で定める者(次条第一項 及び第三項において「医薬基盤・健康・栄養研究所等」という。)に委託することができる。

1項

匿名指定難病関連情報利用者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(前条の規定により厚生労働大臣からの委託を受けて、医薬基盤・健康・栄養研究所等が第二十七条の二第一項の規定による匿名指定難病関連情報の提供に係る事務の全部を行う場合にあっては、医薬基盤・健康・栄養研究所等)に納めなければならない。

2項

厚生労働大臣は、前項の手数料を納めようとする者が都道府県 その他の難病に関する調査 及び研究の推進 並びに国民保健の向上に資するために特に重要な役割を果たす者として政令で定める者であるときは、政令で定めるところにより、当該手数料を減額し、又は免除することができる。

3項

第一項の規定により医薬基盤・健康・栄養研究所等に納められた手数料は、医薬基盤・健康・栄養研究所等の収入とする。