内閣総理大臣は、被管理金融機関の業務承継(承継銀行が事業の譲受け等により業務を引き継ぎ、かつ、その業務を暫定的に維持継続することをいう。以下この章において同じ。)のため承継銀行を活用する必要があると認めるときは、次に掲げる決定を行うことができる。
預金保険法
第六章 破綻した金融機関の業務承継
内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、前項の決定を取り消し、又は変更する決定を行うことができる。
金融整理管財人は、必要があると認めるときは、内閣総理大臣に第一項 又は前項の規定による決定を行うことを求めることができる。
機構は、前条第一項 又は第二項の規定による同条第一項第一号に掲げる決定があつたときは、当該決定に係る出資の内容について委員会の議決を経て、承継銀行となる株式会社の設立の発起人となり、及び当該設立の発起人となつた株式会社を子会社として設立するための出資をしなければならない。
機構は、前項に規定する場合のほか、承継銀行に対する出資を行おうとするときは、委員会の議決を経なければならない。
機構は、前二項に規定する出資をしたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣 及び財務大臣に報告しなければならない。
第九十一条第一項 又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定があつたときは、当該被管理金融機関の金融整理管財人は、同項の業務承継により承継銀行が引き継ぐべき当該被管理金融機関の貸付債権 その他の資産を選定し、内閣総理大臣に対し、これらが承継銀行の保有する資産として適当であることの確認を求めるものとする。
内閣総理大臣は、前項の規定による求めがあつたときは、円滑な業務承継を図る観点 及び承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から、同項の確認を行うものとする。
内閣総理大臣 及び財務大臣は、前項の確認を行うための基準をあらかじめ定め、これを公表しなければならない。
前項の基準は、第二項の確認の対象となる債権に係る債務者の債務の履行状況に関する基準を含むものでなければならない。
機構は、承継銀行が次に掲げる事項を適確に実施できるようその経営管理を行わなければならない。
第九十一条第一項 又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定があつたときは、当該決定の対象とされた被管理金融機関から業務を引き継ぐため事業の譲受け等を行うこと。
前条第二項の規定により承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされた資産を引き継ぐこと。
預金等の受払事務、資金の貸付け その他の業務の実施に際しては、次項に規定する指針に従うこと。
機構は、承継銀行の預金等の受払事務、資金の貸付け その他の業務についての指針を次に定めるところにより作成し、内閣総理大臣の承認を受けた後、公表しなければならない。
当該指針は、預金等の受払事務、資金の貸付け その他の業務の暫定的な維持継続を図るという承継銀行の目的を踏まえ、前条第三項に規定する基準との整合性に配慮しつつ、承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する観点に立つて作成されるものであること。
機構は、承継銀行に対し、その経営に必要な指導 及び助言を行うことができる。
会社法第四百六十七条第一項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、機構が承継銀行の発行済株式の全部を所有する場合における第九十三条第二項の規定による確認がされた資産については、適用しない。
機構は、承継銀行が最初に業務を引き継いだ被管理金融機関に対する管理を命ずる処分の日から二年以内に、次に掲げる措置を講ずることにより当該承継銀行の経営管理を終えるものとする。
ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該経営管理を終えることができない場合には、一年を限り、この期限を延長することができる。
当該承継銀行の合併(当該合併後存続する法人 又は当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)
当該承継銀行の株式の譲渡(当該譲渡により当該承継銀行が機構の子会社でなくなるものに限る。)
当該承継銀行の会社分割(当該会社分割により当該承継銀行がその事業に関して有する権利義務の全部を他の会社 又は当該会社分割により設立された会社に承継させるものであつて、当該他の会社 又は当該会社分割により設立された会社が機構の子会社 及び承継銀行子会社のいずれでもないものに限る。)
機構は、前項本文の規定による経営管理の終了 又は同項ただし書の規定による期限の延長をしようとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
機構は、第一項の規定により承継銀行の経営管理を終了したとき 又は承継銀行(承継銀行であつた銀行を含む。)の株式の譲渡 その他の処分(同項第三号に掲げるものを除く。)を行つたときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣 及び財務大臣に報告しなければならない。
第一項第四号の「承継銀行子会社」とは、承継銀行がその総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主の有する株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項 及び第百二十条第五項において同じ。)の百分の五十を超える議決権を有する会社をいう。
機構は、承継銀行と次に掲げる事項を含む協定(以下この章において「承継協定」という。)を締結するものとする。
承継協定を締結した承継銀行(以下「協定承継銀行」という。)は、第九十四条第一項各号に掲げる事項を実施すること。
協定承継銀行は、次条第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の締結をしようとするときは、当該締結をしようとする契約の内容について機構の承認を受けること。
機構は、承継協定を締結したときは、直ちに、その承継協定の内容を内閣総理大臣 及び財務大臣に報告しなければならない。
機構は、協定承継銀行から、協定承継銀行の業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け 又は協定承継銀行によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該貸付け 又は債務の保証を行うことができる。
機構は、前項の規定により協定承継銀行との間で同項の貸付け 又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約内容を内閣総理大臣 及び財務大臣に報告しなければならない。
機構は、承継協定の定めによる業務の実施により協定承継銀行に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議決を経て、当該金額の範囲内において、当該損失の補塡を行うことができる。
機構は、この章の規定による業務を行うため必要があるときは、承継銀行に対し、承継協定の実施 又は財務の状況に関し報告を求めることができる。
再承継を行う金融機関で承継銀行でない者(以下この条において「再承継金融機関」という。)又は再承継を行う銀行持株会社等(以下この条において「再承継銀行持株会社等」という。)は、機構が、再承継を援助するため、資金援助(第五十九条第一項第三号、第六号 又は第七号に掲げるものに限る。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
前項の「再承継」とは、次に掲げるものをいう。
承継銀行と他の金融機関が合併して金融機関を設立する合併
承継銀行がその事業の全部(当該承継銀行の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)を他の金融機関に譲渡するもの
承継銀行の株式の他の金融機関 又は銀行持株会社等による取得で当該承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な事項として内閣総理大臣 及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
承継銀行を当事者とする吸収分割で当該吸収分割により当該承継銀行がその事業に関して有する権利義務の全部(当該承継銀行の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)を他の金融機関に承継させるもの
承継銀行を当事者とする新設分割で当該新設分割により当該承継銀行がその事業に関して有する権利義務の全部(当該承継銀行の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)を当該新設分割により新たに設立される金融機関に承継させるもの
第一項の規定による資産の買取りは、次の各号に掲げる再承継の区分に応じ、当該各号に定める資産について行うものとする。
前項第一号に掲げる合併
当該合併により存続する金融機関の資産(当該合併前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
前項第二号に掲げる合併
当該合併により設立される金融機関の資産(当該合併前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
前項第三号に掲げる事業の譲渡
同号の他の金融機関の資産で当該事業の譲渡により譲り受けたもの
前項第四号に掲げる株式の取得
当該株式の取得をされた銀行の資産
前項第五号に掲げる吸収分割
同号の他の金融機関の資産で当該吸収分割により承継したもの
前項第六号に掲げる新設分割
当該新設分割により設立される金融機関の資産(当該新設分割前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
第一項の規定による損害担保は、前項各号に掲げる再承継の区分に応じ、当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
第五十九条第三項、第六項 及び第七項 並びに第六十一条第一項の規定は第一項の規定による申込みについて、同条第二項から第四項まで 及び第六項から第八項までの規定はこの項において準用する同条第一項の認定について、それぞれ準用する。
この場合において、
第五十九条第三項中
「救済金融機関」とあるのは
「再承継金融機関」と、
第六十一条中
「合併等」とあるのは
「再承継」と、
「破綻金融機関」とあるのは
「承継銀行」と、
「救済金融機関」とあるのは
「再承継金融機関」と、
「救済銀行持株会社等」とあるのは
「再承継銀行持株会社等」と
読み替えるものとする。
内閣総理大臣は、前項において準用する第六十一条第二項の申請が行われない場合においても、承継銀行が前項において準用する同条第三項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該承継銀行 及び他の金融機関 又は当該承継銀行 及び銀行持株会社等に対し、書面により、再承継(第二項第二号に掲げる合併を除くものとし、当該再承継が行われることが預金者等 その他の債権者の保護に資するものであり、かつ、機構による資金援助が行われることが当該再承継を行うために不可欠であるものに限る。)のあつせんを行うことができる。
第六十二条第二項 及び第四項から第六項までの規定は前項のあつせんについて、第六十四条(第二項を除く。)及び第六十四条の二の規定は第一項の規定による申込みについて、第六十四条の三第一項の規定は再承継金融機関 又は再承継銀行持株会社等により第二項第四号に掲げる株式の取得をされる承継銀行について、同条第二項の規定は機構が資金援助(劣後特約付社債(新株予約権が付されているものに限る。)の引受けに係るものに限る。)を行う再承継金融機関、再承継銀行持株会社等 又は第二項第二号に掲げる合併 若しくは同項第六号に掲げる新設分割により設立された金融機関について、第六十五条 及び第六十六条の規定は第五項において準用する第六十一条第一項の認定 又は前項のあつせんを受けた金融機関 又は銀行持株会社等について、第六十七条の規定は再承継金融機関について、第六十八条の規定は再承継のための機構による資金援助について、第六十八条の二 及び第六十八条の三の規定は当該資金援助(優先株式等の引受け等に係るものに限る。以下この項において同じ。)を受けた再承継金融機関等(再承継金融機関(当該優先株式等の引受け等に係る合併 又は新設分割により設立された金融機関を含む。)又は再承継銀行持株会社等(この項において準用する第六十八条の二第一項の承認を受けた場合におけるこの項において準用する同条第二項に規定する会社 及びこの項において準用する第六十八条の三第一項の承認を受けた場合におけるこの項において準用する同条第四項に規定する承継金融機関等を含む。)をいう。以下この項において同じ。)について、第六十八条の四の規定は機構が当該資金援助を行つた再承継金融機関等であつて機構が現に保有する取得優先株式等である株式 又は劣後特約付社債(新株予約権が付されているものに限る。)の発行者であるものの特別支配株主について、それぞれ準用する。
この場合において、
第六十二条第二項中
「第五十九条第一項 又は第五十九条の二第一項」とあるのは
「第百一条第一項」と、
同条第四項中
「前条第四項から第七項まで」とあるのは
「前条第四項、第六項 及び第七項」と、
同条第五項中
「破綻金融機関 又は破綻金融機関となる蓋然性が高いと認められる金融機関」とあるのは
「承継銀行」と、
第六十四条第三項 及び第五項中
「合併等」とあるのは
「再承継」と、
第六十四条の二第一項 及び第二項中
「救済金融機関」とあるのは
「再承継金融機関」と、
「救済銀行持株会社等」とあるのは
「再承継銀行持株会社等」と、
同項中
「合併等」とあるのは
「再承継」と、
同条第四項中
「合併等(同条第二項第二号」とあるのは
「再承継(第百一条第二項第二号」と、
「当該合併等」とあるのは
「当該再承継」と、
同条第五項中
「救済金融機関」とあるのは
「再承継金融機関」と、
「救済銀行持株会社等」とあるのは
「再承継銀行持株会社等」と、
第六十五条中
「合併等」とあるのは
「再承継」と、
第六十七条中
「譲受け、付保預金移転」とあるのは
「譲受け」と、
第六十八条中
「合併等」とあるのは
「再承継」と
読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。