この法律は、知的財産基本法(平成十四年法律第百二十二号)の基本理念にのっとり、コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体 及びコンテンツ制作等を行う者の責務等を明らかにするとともに、コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策の基本となる事項 並びにコンテンツ事業の振興に必要な事項を定めること等により、コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民生活の向上 及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律
第一章 総則
この法律において「コンテンツ」とは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム その他の文字、図形、色彩、音声、動作 若しくは映像 若しくはこれらを組み合わせたもの 又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。)であって、人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養 又は娯楽の範囲に属するものをいう。
この法律において「コンテンツ制作等」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
コンテンツの複製、上映、公演、公衆送信 その他の利用(コンテンツの複製物の譲渡、貸与 及び展示を含む。)
コンテンツに係る知的財産権(知的財産基本法第二条第二項に規定する知的財産権をいう。以下同じ。)の管理
この法律において「コンテンツ事業」とは、コンテンツ制作等を業として行うことをいい、「コンテンツ事業者」とは、コンテンツ事業を主たる事業として行う者をいう。
コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策の推進は、情報記録物、高度情報通信ネットワーク その他の手段を介して提供されるコンテンツが国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであり、かつ、海外における我が国の文化等に対する理解の増進に資するものであることにかんがみ、コンテンツの制作者の創造性が十分に発揮されること、コンテンツに係る知的財産権が国内外において適正に保護されること、コンテンツの円滑な流通が促進されること等を通じて、コンテンツの恵沢を享受し、文化的活動を行う機会の拡大等が図られ、もって国民生活の向上に寄与し、あわせて多様な文化の創造に資することを基本として行われなければならない。
コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策の推進は、コンテンツ事業が将来において成長発展が期待される分野の事業であることにかんがみ、コンテンツ事業者の自律的発展が促されること等を通じて、多様なコンテンツ事業の創出 及び健全な発展、コンテンツ事業の効率化 及び高度化 並びに国際競争力の強化等が図られ、もって経済社会の活力の向上 及び持続的な発展に寄与することを基本として行われなければならない。
コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策の推進は、デジタル社会形成基本法(令和三年法律第三十五号)、文化芸術基本法(平成十三年法律第百四十八号)及び消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)の基本理念に配慮して行われなければならない。
国は、前条のコンテンツの創造、保護 及び活用の促進についての基本理念(以下「基本理」という。)にのっとり、コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
地方公共団体は、基本理念にのっとり、コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
コンテンツ制作等を行う者は、コンテンツに係る知的財産権に関し知識と理解を深めること等を通じて、そのコンテンツ制作等に当たっては、これを尊重するよう努めるものとする。
コンテンツ制作等を行う者は、そのコンテンツ制作等に当たっては、コンテンツが青少年等に及ぼす影響について十分配慮するよう努めるものとする。
国は、国、地方公共団体 及びコンテンツ制作等に関係する者が相互に連携を図りながら協力することにより、コンテンツの効果的な創造、保護 及び活用の促進が図られることにかんがみ、これらの者の間の連携の強化に必要な施策を講ずるものとする。
政府は、コンテンツの創造、保護 及び活用の促進に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上 又は金融上の措置 その他の措置を講じなければならない。