税務署長は、滞納者が次の各号のいずれかに該当すると認められる場合において、その者が納税について誠実な意思を有すると認められるときは、その納付すべき国税(国税通則法第四十六条第一項から第三項まで(納税の猶予の要件等)又は次条第一項の規定の適用を受けているものを除く。)につき滞納処分による財産の換価を猶予することができる。
ただし、その猶予の期間は、一年を超えることができない。
税務署長は、滞納者が次の各号のいずれかに該当すると認められる場合において、その者が納税について誠実な意思を有すると認められるときは、その納付すべき国税(国税通則法第四十六条第一項から第三項まで(納税の猶予の要件等)又は次条第一項の規定の適用を受けているものを除く。)につき滞納処分による財産の換価を猶予することができる。
ただし、その猶予の期間は、一年を超えることができない。
税務署長は、前項の規定による換価の猶予 又は第百五十二条第三項(換価の猶予に係る分割納付、通知等)において読み替えて準用する国税通則法第四十六条第七項の規定による換価の猶予の期間の延長をする場合において、必要があると認めるときは、滞納者に対し、財産目録、担保の提供に関する書類 その他の政令で定める書類 又は第百五十二条第一項の規定により分割して納付させるために必要となる書類の提出を求めることができる。
税務署長は、前条の規定によるほか、滞納者がその国税を一時に納付することによりその事業の継続 又はその生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合において、その者が納税について誠実な意思を有すると認められるときは、その国税の納期限(延納 又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日)から六月以内にされたその者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その納付すべき国税(国税通則法第四十六条第一項から第三項まで(納税の猶予の要件等)の規定の適用を受けているものを除く。)につき滞納処分による財産の換価を猶予することができる。
前項の規定は、当該申請に係る国税以外の国税(次の各号に掲げる国税を除く。)の滞納がある場合には、適用しない。
国税通則法第四十六条第一項から第三項までの規定による納税の猶予(次号において「納税の猶予」という。)又は前項の規定による換価の猶予の申請中の国税
国税通則法第四十六条第一項から第三項まで 又は前条第一項 若しくは前項の規定の適用を受けている国税(同法第四十九条第一項第四号(納税の猶予の取消し)(次条第三項 又は第四項において準用する場合を含む。)に該当し、納税の猶予 又は前条第一項 若しくは前項の規定による換価の猶予が取り消されることとなる場合の当該国税を除く。)
第一項の規定による換価の猶予の申請をしようとする者は、同項の国税を一時に納付することによりその事業の継続 又はその生活の維持が困難となる事情の詳細、その納付を困難とする金額、当該猶予を受けようとする期間、その猶予に係る金額を分割して納付する場合の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額 その他の政令で定める事項を記載した申請書に、財産目録、担保の提供に関する書類 その他の政令で定める書類を添付し、これを税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、第百五十一条第一項(換価の猶予の要件等)若しくは前条第一項の規定による換価の猶予 又は第三項において読み替えて準用する国税通則法第四十六条第七項(納税の猶予の要件等)若しくは第四項において準用する同条第七項の規定による換価の猶予の期間の延長をする場合には、その猶予に係る金額(その納付を困難とする金額として政令で定める額を限度とする。)をその猶予をする期間内の各月(税務署長がやむを得ない事情があると認めるときは、その期間内の税務署長が指定する月。以下この項において同じ。)に分割して納付させるものとする。
この場合においては、滞納者の財産の状況 その他の事情からみて、その猶予をする期間内の各月に納付させる金額が、それぞれの月において合理的かつ妥当なものとなるようにしなければならない。
税務署長は、第百五十一条第一項 又は前条第一項の規定による換価の猶予をする場合において、必要があると認めるときは、差押えにより滞納者の事業の継続 又は生活の維持を困難にするおそれがある財産の差押えを猶予し、又は解除することができる。
国税通則法第四十六条第五項から第七項まで 及び第九項、第四十七条第一項(納税の猶予の通知等)、第四十八条第三項 及び第四項(果実等による徴収)並びに第四十九条第一項(第五号に係る部分を除く。)及び第三項(納税の猶予の取消し)の規定は、第百五十一条第一項の規定による換価の猶予について準用する。
この場合において、
同法第四十六条第七項中
「納税者の申請に基づき、その期間」とあるのは
「その期間」と、
同条第九項中
「第四項(前項において準用する場合を含む。)」とあるのは
「国税徴収法第百五十二条第一項(換価の猶予に係る分割納付、通知等)」と、
それぞれ読み替えるものとする。
国税通則法第四十六条第五項から第七項まで 及び第九項、第四十六条の二第四項 及び第六項から第十項まで(納税の猶予の申請手続等)、第四十七条、第四十八条第三項 及び第四項 並びに第四十九条第一項 及び第三項の規定は、前条第一項の規定による換価の猶予について準用する。
この場合において、
同法第四十六条第九項中
「第四項(前項において準用する場合を含む。)」とあるのは
「国税徴収法第百五十二条第一項(換価の猶予に係る分割納付、通知等)」と、
同法第四十六条の二第四項中
「分割納付の方法により納付を行うかどうか(分割納付の方法により納付を行う場合にあつては、分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を含む。)」とあるのは
「その猶予に係る金額を分割して納付する場合の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額」と、
同条第六項中
「第一項から第四項まで」とあるのは
「国税徴収法第百五十一条の二第三項(換価の猶予の要件等)又は同法第百五十二条第四項(換価の猶予に係る分割納付、通知等)において読み替えて準用する第四項」と、
同条第七項中
「第一項から第四項まで」とあるのは
「国税徴収法第百五十一条の二第三項 又は同法第百五十二条第四項において読み替えて準用する第四項」と、
同条第十項中
「第一項から第四項まで」とあるのは
「国税徴収法第百五十一条の二第三項 又は同法第百五十二条第四項において読み替えて準用する第四項」と、
「前条第一項から第三項まで又は第七項」とあるのは
「同法第百五十一条の二第一項 又は同法第百五十二条第四項において準用する前条第七項」と、
同項第二号中
「次項」とあるのは
「国税徴収法第百四十一条(徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権)」と、
「同項」とあるのは
「同条」と、
同法第四十七条第二項中
「前条第一項から第四項まで」とあるのは
「国税徴収法第百五十一条の二第三項(換価の猶予の要件等)又は同法第百五十二条第四項(換価の猶予に係る分割納付、通知等)において読み替えて準用する前条第四項」と、
それぞれ読み替えるものとする。
税務署長は、滞納者につき次の各号のいずれかに該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。
滞納処分の執行 及び租税条約等の相手国等に対する共助対象国税の徴収の共助の要請による徴収(以下この項において「滞納処分の執行等」という。)をすることができる財産がないとき。
税務署長は、前項の規定により滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。
税務署長は、第一項第二号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る国税について差し押さえた財産があるときは、その差押えを解除しなければならない。
第一項の規定により滞納処分の執行を停止した国税を納付する義務は、その執行の停止が三年間継続したときは、消滅する。
第一項第一号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その国税が限定承認に係るものであるとき、その他その国税を徴収することができないことが明らかであるときは、税務署長は、前項の規定にかかわらず、その国税を納付する義務を直ちに消滅させることができる。
税務署長は、前条第一項各号の規定により滞納処分の執行を停止した後三年以内に、その停止に係る滞納者につき同項各号に該当する事実がないと認めるときは、その執行の停止を取り消さなければならない。
税務署長は、前項の規定により滞納処分の執行の停止を取り消したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。
納税者が消費税等(消費税を除く。)を滞納した場合において、その後 その者に課すべきその国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、その国税の担保として、金額 及び期限を指定して、その者に国税通則法第五十条各号(担保の種類)に掲げるものの提供を命ずることができる。
前項の規定により指定する金額は、その提供を命ずる月の前月分の当該国税の額の三倍に相当する金額(その金額が前年におけるその提供を命ずる月に対応する月分 及びその後二月分の当該国税の金額に満たないときは、その額)を限度とする。
税務署長は、第一項の規定により当該国税(酒税を除く。)の担保の提供を命じた場合において、納税者がその指定された期限までにその命ぜられた担保を提供しないときは、当該国税に関し、その者の財産で抵当権の目的となるものにつき、同項の規定により指定した金額を限度として抵当権を設定することを書面で納税者に通知することができる。
前項の通知があつたときは、その通知を受けた納税者は、同項の抵当権を設定したものとみなす。
この場合において、税務署長は、抵当権の設定の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
前項後段の場合(次項に規定する場合を除く。)においては、その嘱託に係る書面には、第三項の書面が同項の納税者に到達したことを証する書面を添付しなければならない。
第四項後段の場合において、不動産登記法第十六条第二項(嘱託による登記)(他の法令において準用する場合を含む。)において準用する同法第十八条(登記の申請方法)の規定による嘱託をするときは、その嘱託情報と併せて第三項の書面が同項の納税者に到達したことを証する情報を提供しなければならない。
この場合においては、同法第百十六条第一項(官庁の嘱託による登記)の規定にかかわらず、登記義務者の承諾を得ることを要しない。
税務署長は、第一項の規定による担保の提供 又は第四項の規定による抵当権の設定(以下「担保の提供等」という。)があつた場合において、第一項の命令に係る国税の滞納がない期間が継続して三月に達したときは、その担保を解除しなければならない。
税務署長は、担保の提供等があつた納税者の資力 その他の事情の変化により担保の提供等の必要がなくなつたと認めるときは、前項の規定にかかわらず、直ちにその解除をすることができる。
納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第十一章(犯則事件の調査 及び処分)の規定による差押え、記録命令付差押え 若しくは領置 又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による押収、領置 若しくは逮捕を受けた場合において、その処分に係る国税の納付すべき額の確定(申告、更正 又は決定による確定をいい、国税通則法第二条第二号(定義)に規定する源泉徴収等による国税についての納税の告知を含む。以下この条において同じ。)後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、当該国税の納付すべき額の確定前に、その確定をすると見込まれる国税の金額のうちその徴収を確保するためあらかじめ滞納処分を執行することを要すると認める金額(以下この条において「保全差押金額」という。)を決定することができる。
この場合においては、徴収職員は、その金額を限度として、その者の財産を直ちに差し押さえることができる。
税務署長は、前項の規定による決定をしようとするときは、あらかじめ、その所属する国税局長の承認を受けなければならない。
税務署長は、第一項の規定により保全差押金額を決定するときは、当該保全差押金額を同項に規定する納税義務があると認められる者に書面で通知しなければならない。
前項の通知をした場合において、その納税義務があると認められる者がその通知に係る保全差押金額に相当する担保として国税通則法第五十条各号(担保の種類)に掲げるものを提供してその差押えをしないことを求めたときは、徴収職員は、その差押えをすることができない。
徴収職員は、第一号 又は第二号に該当するときは第一項の規定による差押えを、第三号に該当するときは同号に規定する担保をそれぞれ解除しなければならない。
第一項の規定による差押えを受けた者が前項に規定する担保を提供して、その差押えの解除を請求したとき。
第三項の通知をした日から六月を経過した日までに、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定がないとき。
第三項の通知をした日から六月を経過した日までに、保全差押金額について提供されている担保に係る国税につき納付すべき額の確定がないとき。
徴収職員は、第一項の規定による差押えを受けた者 又は第四項 若しくは前項第一号の担保を提供した者につき、その資力 その他の事情の変化により、その差押え 又は担保の徴取の必要がなくなつたと認められることとなつたときは、その差押え 又は担保を解除することができる。
第一項の規定による差押え 又は第四項 若しくは第五項第一号の担保の提供があつた場合において、その差押え 又は担保の提供に係る国税につき納付すべき額の確定があつたときは、その差押え 又は担保の提供は、その国税を徴収するためにされたものとみなす。
第一項の規定により差し押さえた財産は、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定があつた後でなければ、換価することができない。
第一項の場合において、差し押さえるべき財産に不足があると認められるときは、税務署長は、差押えに代えて交付要求をすることができる。
この場合においては、その交付要求であることを明らかにしなければならない。
税務署長は、第一項の規定により差し押さえた金銭(有価証券、債権 又は無体財産権等の差押えにより第三債務者等から給付を受けた金銭を含む。)がある場合において、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定がされていないときは、これを供託しなければならない。
第一項に規定する国税の納付すべき額として確定をした金額が保全差押金額に満たない場合において、その差押えを受けた者がその差押えにより損害を受けたときは、国は、その損害を賠償する責めに任ずる。
この場合において、その額は、その差押えにより通常生ずべき損失の額とする。