普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
地方自治法
第二節 権限
条例を設け 又は改廃すること。
予算を定めること。
決算を認定すること。
法律 又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収 又は分担金、使用料、加入金 若しくは手数料の徴収に関すること。
その種類 及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
不動産を信託すること。
前二号に定めるものを除くほか、その種類 及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得 又は処分をすること。
負担付きの寄附 又は贈与を受けること。
法律 若しくはこれに基づく政令 又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。
条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。
普通地方公共団体がその当事者である審査請求 その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分 又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項に規定する処分 又は同条第三項に規定する裁決をいう。以下 この号、第百五条の二、第百九十二条 及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下 この号、第百五条の二、第百九十二条 及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分 又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停 及び仲裁に関すること。
法律上 その義務に属する損害賠償の額を定めること。
普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。
その他法律 又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項
前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関すること その他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。
普通地方公共団体の議会は、法律 又はこれに基く政令によりその権限に属する選挙を行わなければならない。
議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。
但し、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会 及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあること その他の事由により議会の検査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)に関する書類 及び計算書を検閲し、当該普通地方公共団体の長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会 若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会 又は監査委員 その他法律に基づく委員会 又は委員の報告を請求して、当該事務の管理、議決の執行 及び出納を検査することができる。
議会は、監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会 及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあること その他の事由により本項の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)に関する監査を求め、監査の結果に関する報告を請求することができる。
この場合における監査の実施については、第百九十九条第二項後段の規定を準用する。
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会 又は関係行政庁に提出することができる。
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会 及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあること その他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。
この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人 その他の関係人の出頭 及び証言 並びに記録の提出を請求することができる。
民事訴訟に関する法令の規定中証人の訊問に関する規定は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、前項後段の規定により議会が当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため選挙人 その他の関係人の証言を請求する場合に、これを準用する。
ただし、過料、罰金、拘留 又は勾引に関する規定は、この限りでない。
第一項後段の規定により出頭 又は記録の提出の請求を受けた選挙人 その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず 若しくは記録を提出しないとき 又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮 又は十万円以下の罰金に処する。
議会は、選挙人 その他の関係人が公務員たる地位において知り得た事実については、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立を受けたときは、当該官公署の承認がなければ、当該事実に関する証言 又は記録の提出を請求することができない。
この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疏明しなければならない。
議会が前項の規定による疏明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言 又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができる。
当該官公署が前項の規定による要求を受けた日から二十日以内に声明をしないときは、選挙人 その他の関係人は、証言 又は記録の提出をしなければならない。
第二項において準用する民事訴訟に関する法令の規定により宣誓した選挙人 その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する。
前項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し 又は免除することができる。
議会は、選挙人 その他の関係人が、第三項 又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。
但し、虚偽の陳述をした選挙人 その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。
議会が第一項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし 又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。
議会は、第一項の規定による調査を行う場合においては、予め、予算の定額の範囲内において、当該調査のため要する経費の額を定めて置かなければならない。
その額を超えて経費の支出を必要とするときは、更に議決を経なければならない。
議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査 又は議会の運営に関し協議 又は調整を行うための場を設けることができる。
議会は、議案の審査 又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。
普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究 その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派 又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。
この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額 及び交付の方法 並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。
前項の政務活動費の交付を受けた会派 又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入 及び支出の状況を書面 又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をもつて議長に報告するものとする。
議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。
政府は、都道府県の議会に官報 及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報 及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。
都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会 及び他の都道府県の議会に、公報 及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。
議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報 及び刊行物を保管して置かなければならない。
前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。
普通地方公共団体の議会は、議案の審査 又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のために必要な専門的事項に係る調査を学識経験を有する者等にさせることができる。