少子化社会対策基本法

# 平成十五年法律第百三十三号 #

第二章 基本的施策

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十七号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


1項

国 及び地方公共団体は、子どもを生み、育てる者が充実した職業生活を営みつつ豊かな家庭生活を享受することができるよう、育児休業制度等子どもを生み、育てる者の雇用の継続を図るための制度の充実、労働時間の短縮の促進、再就職の促進、情報通信ネットワークを利用した就労形態の多様化等による多様な就労の機会の確保 その他必要な雇用環境の整備のための施策を講ずるものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、前項の施策を講ずるに当たっては、子どもを養育する者がその有する能力を有効に発揮することの妨げとなっている雇用慣行の是正が図られるよう 配慮するものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、子どもを養育する者の多様な需要に対応した良質な保育サービス等が提供されるよう、病児保育、低年齢児保育、休日保育、夜間保育、延長保育 及び一時保育の充実、放課後児童健全育成事業等の拡充 その他の保育等に係る体制の整備 並びに保育サービスに係る情報の提供の促進に必要な施策を講ずるとともに、保育所、幼稚園 その他の保育サービスを提供する施設の活用による子育てに関する情報の提供 及び相談の実施 その他の子育て支援が図られるよう必要な施策を講ずるものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、保育において幼稚園の果たしている役割に配慮し、その充実を図るとともに、前項の保育等に係る体制の整備に必要な施策を講ずるに当たっては、幼稚園と保育所との連携の強化 及びこれらに係る施設の総合化に配慮するものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、地域において子どもを生み、育てる者を支援する拠点の整備を図るとともに、安心して子どもを生み、育てることができる地域社会の形成に係る活動を行う民間団体の支援、地域における子どもと他の世代との交流の促進等について必要な施策を講ずることにより、子どもを生み、育てる者を支援する地域社会の形成のための環境の整備を行うものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、妊産婦 及び乳幼児に対する健康診査、保健指導等の母子保健サービスの提供に係る体制の整備、妊産婦 及び乳幼児に対し良質かつ適切な医療(助産を含む。)が提供される体制の整備等 安心して子どもを生み、育てることができる母子保健医療体制の充実のために必要な施策を講ずるものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、不妊治療を望む者に対し良質かつ適切な保健医療サービスが提供されるよう、不妊治療に係る情報の提供、不妊相談、不妊治療に係る研究に対する助成等必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、子どもを生み、育てる者の教育に関する心理的な負担を軽減するため、教育の内容 及び方法の改善 及び充実、入学者の選抜方法の改善等によりゆとりのある学校教育の実現が図られるよう必要な施策を講ずるとともに、子どもの文化体験、スポーツ体験、社会体験 その他の体験を豊かにするための多様な機会の提供、家庭教育に関する学習機会 及び情報の提供、家庭教育に関する相談体制の整備等子どもが豊かな人間性をはぐくむことができる社会環境を整備するために必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、子どもの養育 及び成長に適した良質な住宅の供給 並びに安心して子どもを遊ばせることができる広場 その他の場所の整備を促進するとともに、子どもが犯罪、交通事故 その他の危害から守られ、子どもを生み、育てる者が豊かで安心して生活することができる地域環境を整備するためのまちづくり その他の必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、子どもを生み、育てる者の経済的負担の軽減を図るため、児童手当、奨学事業 及び子どもの医療に係る措置、税制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、生命の尊厳 並びに子育てにおいて家庭が果たす役割 及び家庭生活における男女の協力の重要性について国民の認識を深めるよう必要な教育 及び啓発を行うものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成について国民の関心と理解を深めるよう必要な教育 及び啓発を行うものとする。