本節ニ於ケル退職当時ノ俸給年額ノ計算ニ付テハ左ノ特例ニ従フ
恩給法
第二節 恩給金額
公務ノ為傷痍ヲ受ケ 又ハ疾病ニ罹リ之カ為退職シ 又ハ死亡シタル者ニ付退職又ハ死亡前一年内ニ昇給アリタル場合ニ於テハ退職 又ハ死亡ノ一年前ノ号俸ヨリ二号俸ヲ超ユル上位ノ号俸ニ昇給シタルトキハ二号俸上位ノ号俸ニ昇給シタルモノトス
前号ニ規定スル者以外ノ者ニ付退職 又ハ死亡前一年内ニ昇給アリタル場合ニ於テハ退職 又ハ死亡ノ一年前ノ号俸ヨリ一号俸ヲ超ユル上位ノ号俸ニ昇給シタルトキハ一号俸上位ノ号俸ニ昇給シタルモノトス
実在職期間一年未満ナルトキハ俸給ノ関係ニ於テハ就職前モ就職当時ノ俸給ヲ以テ在職シタルモノト看做ス
本節ニ於テ退職当時ノ俸給月額トハ退職当時ノ俸給年額ノ十二分ノ一ニ相当スル金額ヲ謂フ
前条第一項ニ規定スル一号俸 又ハ二号俸上位ノ号俸ヘノ昇給ニ付テハ転官職ニ依リ昇給ヲ来ス場合ニ於テハ新官職ニ付定メラレタル俸給中前ノ官職ニ付給セラレタル俸給ニ直近ニ多額ナルモノヲ以テ一号俸上位ノ号俸トシテ之ニ直近スル上位ノ号俸ヲ以テ二号俸上位ノ号俸トス
文官在職年十七年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十七年以上十八年未満ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相当スル金額トシ十七年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
在職年四十年ヲ超ユル者ニ給スヘキ恩給年額ハ之ヲ在職年四十年トシテ計算ス
第一項ノ在職年ハ国務大臣トシテ退官スル者ニ付テハ国務大臣トシテノ在職年七年以上ナルヲ以テ足ル
第四十六条、第五十四条第一項第二号若ハ第三号又ハ前項ノ規定ニ依リ在職年十七年未満ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ年額ハ在職年十七年ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ額トス
警察監獄職員在職年十二年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十二年以上十三年未満ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相当スル金額トシ十二年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第四十六条又ハ第五十四条第一項第二号若ハ第三号ノ規定ニ依リ在職年十二年未満ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ年額ハ在職年十二年ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ額トス
第六十条第三項ノ規定ハ警察監獄職員ニ付之ヲ準用ス
一時恩給ヲ受ケタル後其ノ一時恩給ノ基礎ト為リタル在職年数一年ヲ二月ニ換算シタル月数内ニ再就職シタル者ニ普通恩給ヲ給スル場合ニ於テハ当該換算月数ト退職ノ翌月ヨリ再就職ノ月迄ノ月数トノ差月数ヲ一時恩給額算出ノ基礎ト為リタル俸給月額ノ二分ノ一ニ乗シタル金額ノ十五分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ普通恩給ノ年額トス
但シ差月数一月ニ付一時恩給額算出ノ基礎ト為リタル俸給月額ノ二分ノ一ノ割合ヲ以テ計算シタル金額ヲ返還シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前条但書ノ規定ニ依ル一時恩給ノ返還ハ之ヲ負担シタル国庫 又ハ都道府県 若ハ市町村ニ対シ再就職ノ月(再就職後一時恩給給与ノ裁定アリタル場合ハ其ノ裁定アリタル月)ノ翌月ヨリ一年内ニ一時ニ 又ハ分割シテ之ヲ完了スヘシ
前項ノ規定ニ依リ一時恩給ノ全部 又ハ一部ヲ返還シ失格原因ナクシテ再在職ヲ退職シタルニ拘ラス普通恩給ヲ受クルノ権利ヲ生セサル場合ニ於テハ一時恩給ノ返還ヲ受ケタル国庫 又ハ都道府県若ハ市町村ハ之ヲ返還者ニ還付スヘシ
増加恩給ノ年額ハ重度障害ノ程度ニ依リ定メタル別表第二号表ノ金額トス
前項ノ場合ニ於テ増加恩給ヲ受クル者ニ妻 又ハ扶養家族アルトキハ妻ニ付テハ十九万三千二百円ニ調整改定率(恩給改定率(第六十六条第一項ノ規定ニ依リ設定シ同条第二項乃至第五項ノ規定ニ依リ改定シタル率ヲ謂フ以下同ジ)ヲ謂フ但シ恩給改定率ガ一ヲ下ル場合ハ之ヲ一トス以下同ジ)ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)扶養家族ノ中二人迄ニ付テハ一人ニ付七万二千円(増加恩給ヲ受クル者ニ妻ナキトキハ其ノ中一人ニ付テハ十三万二千円)ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)其ノ他ノ扶養家族ニ付テハ一人ニ付三万六千円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)ヲ増加恩給ノ年額ニ加給ス
前項ノ扶養家族トハ増加恩給ヲ受クル者ノ退職当時ヨリ引続キ之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスル祖父母、父母、未成年ノ子及重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ヲ謂フ
前項ノ規定ニ拘ラズ増加恩給ヲ受クル者ノ退職後出生シタル未成年ノ子 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ出生当時ヨリ引続キ増加恩給ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスルモノアルトキハ之ヲ扶養家族トス
第三項ノ規定ニ拘ラズ増加恩給ヲ受クル者(公務ノ為傷痍ヲ受ケ 又ハ疾病ニ罹リ之ガ為生殖機能ヲ廃シタル者ニ限ル)ノ退職後養子ト為リタル未成年ノ子 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ縁組当時ヨリ引続キ増加恩給ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスルモノアルトキハ当該養子以外ノ子ナキトキニ限リ其ノ一人ヲ扶養家族トス
第一項ノ場合ニ於テ増加恩給ヲ受クル者ノ重度障害ノ程度特別項症ニ該当スルトキハ二十七万円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)第一項症 又ハ第二項症ニ該当スルトキハ二十一万円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)ヲ増加恩給ノ年額ニ加給ス
傷病賜金ノ金額ハ障害ノ程度ニ依リ定メタル別表第三号表ノ金額トス
第四十六条ノ二第五項但書ノ規定ニ依リ給スベキ傷病賜金ノ金額ハ第一項ノ規定ニ依ル金額ト其ノ者ノ受ケタル国家公務員災害補償法第十三条 若ハ労働基準法第七十七条ノ規定ニ依ル障害補償 又ハ之ニ相当スル給付ニシテ同法第八十四条第一項ノ規定ニ該当スルモノノ金額トノ差額トス
傷病賜金ヲ受ケタル後四年内ニ第四十六条第二項又ハ第三項ノ規定ニ依リ増加恩給ヲ受クルニ至リタルトキハ傷病賜金ノ金額ノ六十四分ノ一ニ相当スル金額ニ傷病賜金ヲ受ケタル月ヨリ起算シ増加恩給ヲ受クルニ至リタル月迄ノ月数ト四十八月トノ差月数ヲ乗ジタル金額ノ傷病賜金ヲ之ヲ負担シタル国庫又ハ都道府県ニ返還セシム
前項ニ規定スル場合ニ於テハ増加恩給ノ支給ニ際シ其ノ返還額ニ達スル迄支給額ノ三分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シテ返還セシム
第一項ノ場合ニ於テ都道府県傷病賜金ヲ負担シ国庫増加恩給ヲ負担シタルトキ 若ハ国庫傷病賜金ヲ負担シ都道府県増加恩給ヲ負担シタルトキ 又ハ一ノ都道府県傷病賜金ヲ負担シ他ノ都道府県増加恩給ヲ負担シタルトキハ前項ノ規定ニ依リ傷病賜金ノ返還ヲ受ケタル国庫 又ハ都道府県ハ其ノ返還額ヲ傷病賜金ヲ負担シタル都道府県 又ハ国庫ニ還付スベシ
平成十九年度ニ於ケル恩給改定率ハ〇・九六七トス
恩給改定率ニ付テハ毎年度当該年度ノ国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第二十七条ニ規定スル改定率(同法第二十七条の三 又ハ第二十七条の五ノ規定ニ依リ改定シタルモノニ限ル以下国民年金改定率ト称ス)ヲ平成十九年度(此ノ条ノ規定ニ依ル恩給改定率ヲ引上グル改定ガ行ハレタルトキハ直近ノ当該改定ガ行ハレタル年度)ノ国民年金改定率ヲ以テ除シテ得タル率(当該率ガ一ヲ下ル場合ハ之ヲ一トス)ヲ基準トシテ改定シ当該年度ノ四月以降ノ恩給ニ付之ヲ適用ス
前年度ノ恩給改定率ガ一ヲ下ル場合デ且当該年度ノ国民年金改定率ガ国民年金法第二十七条の五ノ規定ニ依リ改定シタルモノナルトキニ於ケル前項ノ規定ノ適用ニ付テハ前年度ノ国民年金改定率ヲ同法第二十七条の三ノ規定ニ依リ改定シタル率ヲ当該年度ノ国民年金改定率ト看做ス
但シ此ノ項及前項ノ規定ニ依リ改定シタル恩給改定率ガ一ヲ超ユルコトトナル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前二項ノ規定ニ依ル恩給改定率ノ改定ノ措置ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第三項但書ノ規定ノ適用アル場合ニ於テ第二項ノ規定ニ依リ改定シタル恩給改定率ガ一ヲ下ルコトトナルトキハ同項 及第三項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ一トス
文官在職年三年以上十七年未満ニシテ退職シタルトキハ之ニ一時恩給ヲ給ス
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職当時ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
警察監獄職員在職年三年以上十二年未満ニシテ退職シタルトキハ之ニ一時恩給ヲ給ス
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職当時ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス