公務員 及其ノ遺族ハ 本法ノ定ムル所ニ依リ恩給ヲ受クルノ権利ヲ有ス
恩給法
第一章 総則
本法ニ於テ恩給トハ普通恩給、増加恩給、傷病賜金、一時恩給、扶助料及一時扶助料ヲ謂フ
普通恩給、増加恩給 及扶助料ハ年金トシ傷病賜金、一時恩給 及一時扶助料ハ一時金トス
年金タル恩給ノ額ニ付テハ国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価 其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合ニ於テハ変動後ノ諸事情ヲ総合勘案シ速ニ改定ノ措置ヲ講ズルモノトス
恩給ヲ受クルノ権利ハ之ヲ給スヘキ事由ノ生シタル日ヨリ七年間請求セサルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
普通恩給 又ハ増加恩給ヲ受クルノ権利ヲ有スル者退職後一年内ニ再就職スルトキハ前条ノ期間ハ再就職ニ係ル官職ノ退職ノ日ヨリ進行ス
第七十四条ノ二第一項ノ扶助料及同条第二項ノ一時扶助料ニ付テハ第五条ニ規定スル期間ハ戸籍届出ノ受理ノ日ヨリ進行ス
時効期間満了前二十日内ニ於テ天災其ノ他避クヘカラサル事変ノ為請求ヲ為スコト能ハサルトキハ其ノ妨碍ノ止ミタル日ヨリ二十日内ハ時効完成セス
時効期間満了前六月内ニ於テ前権利者生死 若ハ所在不明ノ為 又ハ未成年者 若ハ成年被後見人法定代理人ヲ有セサル為請求ヲ為スコト能ハサルトキハ 請求ヲ為スコトヲ得ルニ至リタル日ヨリ六月内ハ時効完成セス
請求ガ郵便 又ハ 民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項ニ規定スル 一般信書便事業者 若ハ同条第九項ニ規定スル 特定信書便事業者ニ依ル同条第二項ニ規定スル 信書便ニ依リ為サレタル場合ニ於テハ 送付ニ要シタル日数ハ之ヲ時効期間ニ算入セズ
公務員 又ハ其ノ遺族互ニ通算セラレ得ヘキ在職年 又ハ同一ノ傷病ヲ理由トシテ二以上ノ恩給ヲ併給セラルヘキ場合ニ於テハ其ノ者ノ選択ニ依リ其ノ一ヲ給ス
但シ特ニ併給スヘキコトヲ定メタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
公務員ノ扶養家族 又ハ扶養遺族第六十五条第二項 又ハ第七十五条第二項ノ規定ニ依リ二以上ノ恩給ニ付共通ニ加給ノ原因タルベキトキハ最初ニ給与事由ノ生ジタル恩給ニ付テノミ加給ノ原因タルベキモノトス
年金タル恩給ヲ受クルノ権利ヲ有スル者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ権利消滅ス
死刑 又ハ無期 若ハ三年ヲ超ユル懲役 若ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキ
在職中ノ職務ニ関スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ因リ禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ権利消滅ス
但シ其ノ在職カ普通恩給ヲ受ケタル後ニ為サレタルモノナルトキハ其ノ再在職ニ因リテ生シタル権利ノミ消滅ス
前項ノ規定ニ依リ恩給ノ支給ヲ受クヘキ遺族及其ノ順位ハ扶助料ヲ受クヘキ遺族及其ノ順位ニ依ル
前条ノ場合ニ於テ死亡シタル恩給権者未タ恩給ノ請求ヲ為ササリシトキハ恩給ノ支給ヲ受クヘキ遺族又ハ相続人ハ自己ノ名ヲ以テ死亡者ノ恩給ノ請求ヲ為スコトヲ得
前条ノ場合ニ於テ死亡シタル恩給権者ノ生存中裁定ヲ経タル恩給ニ付テハ死亡者ノ遺族又ハ相続人ハ自己ノ名ヲ以テ其ノ恩給ノ支給ヲ受クルコトヲ得
前条ノ場合ニ於テ恩給ノ請求及支給ノ請求ヲ為スベキ同順位者二人以上アルトキハ其ノ一人ガ為シタル請求ハ全員ノ為其ノ全額ニ付之ヲ為シタルモノト看做シ其ノ一人ニ対シテ為シタル支給ハ全員ニ対シテ之ヲ為シタルモノト看做ス
恩給ヲ受クルノ権利ハ之ヲ譲渡シ 又ハ担保ニ供スルコトヲ得ス
但シ株式会社日本政策金融公庫及別ニ法律ヲ以テ定ムル金融機関ニ担保ニ供スルハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ違反シタルトキハ裁定庁ハ支給庁ニ通知シ恩給ノ支給ヲ差止ムヘシ
恩給ヲ受クルノ権利ハ之ヲ差押フルコトヲ得ス
但シ普通恩給(増加恩給ト併給スルモノヲ除ク)及一時恩給ヲ受クルノ権利ニ付テハ滞納処分ニ依ル場合ハ此ノ限ニ在ラス
行政上ノ処分ニ因リ恩給ニ関スル権利ヲ侵害セラレタリトスル者ノ為ス審査請求ニ関スル行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項本文ノ期間ハ処分ノアリタルコトヲ知リタル日ノ翌日ヨリ起算シテ一年トス
行政不服審査法第十八条第二項ノ規定ハ前項ノ審査請求ニ関シテハ之ヲ適用セズ
総務大臣恩給ニ関スル行政上ノ処分又ハ其ノ不作為ニ関スル審査請求ノ裁決ヲ為ス場合ニ於テハ審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条ニ規定スル機関ヲ謂フ)ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノ(以下審議会等ト称ス)ニ諮問スヘシ
恩給ヲ受クルノ権利ヲ有スル者死亡ニ因リ其ノ恩給ヲ受クルノ権利ガ消滅シタルニ拘ラズ其ノ死亡ノ日ノ属スル月ノ翌月以後ノ分トシテ当該恩給ノ過誤払ガ行ハレタル場合ニ於テ当該過誤払ニ依ル返還金ニ係ル債権(以下返還金債権ト称ス)ニ係ル債務ノ弁済ヲ為スベキ者ニ支払フベキ恩給アルトキハ総務省令ノ定ムル所ニ依リ当該恩給ノ支払金ノ金額ヲ当該過誤払ニ依ル返還金債権ノ金額ニ充当スルコトヲ得
第二章 公務員
第一節 通則
本法ニ於テ公務員トハ文官 及警察監獄職員ヲ謂フ
文官トハ官ニ在ル者 又ハ国会職員(国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)第一条第一号乃至第四号ニ掲グル者ヲ謂フ)ニシテ警察監獄職員ニ非ザルモノヲ謂フ
前項ノ官ニ在ル者トハ左ニ掲グル官職ニ在ル者ヲ謂フ
天皇ガ任命シ 又ハ任免ヲ認証スル官職
内閣官房長官、内閣官房副長官、法制局長官、法制局次長、事務次官 又ハ秘書官
法制局参事官 若ハ法制局事務官 又ハ府、省、裁判所、会計検査院 若ハ人事院ニ置カレタル事務官、技官 若ハ教官
検察官(第一号ニ掲グル官職ヲ除ク)
裁判官(第一号ニ掲グル官職ヲ除ク)
第二号又ハ第三号ニ掲グル官職ニ相当スル官職(委員会ノ委員長 及委員並法令ニ依ル公団ノ役員 及職員中別ニ法律ヲ以テ定ムルモノ以外ノモノヲ含マザルモノトス)
前項第十号ニ規定スル官職ニ該当スルヤ否ヤ疑ハシキモノニ付テハ総務大臣之ヲ定ム
警察監獄職員トハ左ニ掲クル者ヲ謂フ
警部補、巡査部長 又ハ巡査タル警察官
副看守長、看守部長 又ハ看守タル法務事務官
皇宮警部補、皇宮巡査部長 又ハ皇宮巡査タル皇宮護衛官
一等陸曹、一等海曹 若ハ一等空曹、二等陸曹、二等海曹 若ハ二等空曹、三等陸曹、三等海曹 若ハ三等空曹、陸士長、海士長 若ハ空士長、一等陸士、一等海士若ハ一等空士 又ハ二等陸士、二等海士 若ハ二等空士タル自衛官
本法ニ於テ就職トハ公務員タル官職ニ在ラザル者ガ公務員タル官職ニ任命セラルルコトヲ謂フ
廃庁、廃校、官職廃止 若ハ官職名改定ノ際其ノ廃改ニ係ル官職ニ在リタル者 又ハ定員ノ減少ニ因リ退職シタル者即日 又ハ翌日他ノ官職ニ就職シタルトキハ之ヲ転任ト看做ス
但シ之ニ依リ第二十六条第二項ノ規定ニ該当スルニ至ル場合ハ此ノ限ニ在ラス
本法ニ於テ退職トハ免職、退職 又ハ失職ヲ謂フ
公務員ノ在職年ハ就職ノ月ヨリ之ヲ起算シ退職 又ハ死亡ノ月ヲ以テ終ル
退職シタル後再就職シタルトキハ前後ノ在職年月数ハ之ヲ合算ス
但シ一時恩給 又ハ第八十二条ニ規定スル一時扶助料ノ基礎ト為ルヘキ在職年ニ付テハ前ニ一時恩給ノ基礎ト為リタル在職年其ノ他ノ前在職年ノ年月数ハ之ヲ合算セス
警察監獄職員ノ恩給権ニ付其ノ在職年ヲ計算スル場合ニ於テハ十二年ニ達スル迄ハ警察監獄職員以外ノ公務員トシテノ在職年ハ其ノ十分ノ七ニ当ル年月数ヲ以テ之ヲ計算ス
休職、待命、停職其ノ他現実ニ職務ヲ執ルヲ要セサル在職期間ニシテ一月以上ニ亘ルモノハ在職年ノ計算ニ於テ之ヲ半減ス
前項ニ規定スル期間一月以上ニ亘ルトキトハ其ノ期間カ在職年ノ計算ニ於テ一月以上ニ計算セラルル総テノ場合ヲ謂フ
但シ現実ニ職務ヲ執ルヲ要スル日ノアリタル月ハ在職年ノ計算ニ於テ之ヲ半減セス
第五十一条ノ規定ニ依リ公務員カ恩給ヲ受クルノ資格ヲ失ヒタル在職年
公務員退職後在職中ノ職務ニ関スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ付禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ犯罪ノ時ヲ含ム引続キタル在職年月数
本法ニ於テ俸給トハ本俸ヲ謂フ
公務員二以上ノ官職ヲ併有シ各官職ニ付俸給ヲ給セラルル場合ニ於テハ俸給額ヲ合算シタルモノヲ以テ其ノ者ノ俸給額トス
前項ノ期間ヲ経過シタルトキト雖裁定庁ニ於テ審議会等ノ議ニ付スルヲ相当ト認メ且審議会等ニ於テ重度障害カ公務ニ起因シタルコト顕著ナリト議決シタルトキハ議決シタル月ノ翌月ヨリ之ニ相当ノ恩給ヲ給シ又ハ之ヲ改定ス
公務員公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ重度障害ノ状態ト為ルモ公務員ニ重大ナル過失アリタルトキハ前三項ニ規定スル恩給ヲ給セス
公務員公務ノ為傷痍ヲ受ケ 又ハ疾病ニ罹リ重度障害ノ程度ニ至ラザルモ第四十九条ノ三ニ規定スル程度ニ達シ失格原因ナクシテ退職シタルトキハ之ニ傷病賜金ヲ給ス
公務員公務ノ為傷痍ヲ受ケ 又ハ疾病ニ罹リ失格原因ナクシテ退職シタル後五年内ニ之ガ為重度障害ノ程度ニ至ラザルモ第四十九条ノ三ニ規定スル程度ニ達シタル場合ニ於テ其ノ期間内ニ請求シタルトキハ之ニ傷病賜金ヲ給ス
前項ノ期間ヲ経過シタルトキト雖裁定庁ニ於テ審議会等ノ議ニ付スルヲ相当ト認メ且審議会等ニ於テ其ノ障害ノ程度ガ公務ニ起因シタルコト顕著ナリト議決シタルトキハ之ニ傷病賜金ヲ給ス
前条第四項ノ規定ハ前三項ノ規定ニ依リ給スベキ傷病賜金ニ付之ヲ準用ス
傷病賜金ハ国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第十三条 若ハ労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第七十七条ノ規定ニ依ル障害補償 又ハ之ニ相当スル給付ニシテ同法第八十四条第一項ノ規定ニ該当スルモノヲ受ケタル者ニハ之ヲ給セズ
但シ当該補償 又ハ給付ノ金額ガ傷病賜金ノ金額ヨリ少キトキハ此ノ限ニ在ラズ
傷病賜金ハ之ヲ普通恩給 又ハ一時恩給ト併給スルヲ妨ゲズ
公務旅行中別表第一号表ニ掲クル流行病ニ罹リタルトキ
公務傷病ニ因ル重度障害ノ程度ハ別表第一号表ノ二ニ掲グル七項トス
傷病賜金ヲ給スベキ障害ノ程度ハ別表第一号表ノ三ニ掲グル五款トス
裁定庁ハ増加恩給ノ裁定ヲ為スニ当リ将来重度障害ノ回復シ又ハ其ノ程度低下スルコトアルヘキコトヲ認メタルトキハ五年間之ニ普通恩給及増加恩給ヲ給ス
前項ノ期間満了ノ六月前迄傷痍疾病回復セサル者ハ再審査ヲ請求スルコトヲ得再審査ノ結果恩給ヲ給スヘキモノナルトキハ之ニ相当ノ恩給ヲ給ス
在職中禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
会計検査院検査官職務上ノ義務ニ違反スル事実ニ付会計検査院法 第六条ノ規定ニ依リ退職シタルトキ
第二十六条第二項ノ規定ハ前項ノ規定ノ適用ニ関シテハ之ヲ適用セス
再就職後在職一年以上ニシテ退職シタルトキ
再就職後公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ退職シタル後五年内ニ之カ為重度障害ノ状態ト為リ又ハ其ノ程度増進シタル場合ニ於テ其ノ期間内ニ請求シタルトキ
前項第三号ノ場合ニ於テハ第四十六条第三項ノ規定ヲ準用ス
前条ノ規定ニ依リ普通恩給ヲ改定スルニハ前後ノ在職年ヲ合算シ其ノ年額ヲ定メ増加恩給ヲ改定スルニハ前後ノ傷痍又ハ疾病ヲ合シタルモノヲ以テ重度障害ノ程度トシ其ノ恩給年額ヲ定ム
前二条ノ規定ニ依リ恩給ヲ改定スル場合ニ於テ其ノ年額従前ノ恩給年額ヨリ少キトキハ従前ノ恩給年額ヲ以テ改定恩給ノ年額トス
普通恩給ハ之ヲ受クル者公務員トシテ就職スルトキハ就職ノ月ノ翌月ヨリ退職ノ月迄之ヲ停止ス
但シ実在職期間一月未満ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
普通恩給及増加恩給ハ之ヲ受クル者三年以下ノ懲役 又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ月ノ翌月ヨリ其ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月迄之ヲ停止ス
但シ刑ノ全部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ之ヲ停止セズ刑ノ一部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ其ノ刑ノ内執行ガ猶予サレザリシ部分ノ期間ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月ノ翌月以降ハ之ヲ停止セズ之等ノ言渡ヲ猶予ノ期間中ニ取消サレタルトキハ取消ノ月ノ翌月ヨリ刑ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月迄之ヲ停止ス
普通恩給ハ之ヲ受クル者四十五歳ニ満ツル月迄ハ其ノ全額、四十五歳ニ満ツル月ノ翌月ヨリ五十歳ニ満ツル月迄ハ其ノ十分ノ五、五十歳ニ満ツル月ノ翌月ヨリ五十五歳ニ満ツル月迄ハ其ノ十分ノ三ヲ停止ス
普通恩給ニ増加恩給 又ハ第四十六条ノ二ニ規定スル傷病賜金ヲ併給スル場合ニハ前項ノ規定ニ依ル停止ハ之ヲ為サズ
公務ニ起因セザル傷痍疾病第四十九条ノ二又ハ第四十九条ノ三ニ規定スル程度ニ達シ之ガ為退職シタル場合ニハ退職後五年間第一項ノ規定ニ依ル停止ハ之ヲ為サズ
前項ノ期間満了ノ六月前迄傷痍疾病回復セザル者ハ同項ノ期間ノ延長ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ傷痍疾病仍前項ニ規定スル程度ニ達スルモノナルトキハ第一項ノ規定ニ依ル停止ハ引続キ之ヲ為サズ
普通恩給ハ恩給年額百七十万円以上ニシテ之ヲ受クル者ノ前年ニ於ケル恩給外ノ所得ノ年額七百万円ヲ超ユルトキハ左ノ区分ニ依リ恩給年額ノ一部ヲ停止ス
但シ恩給ノ支給年額百七十万円ヲ下ラシムルコトナク其ノ停止年額ハ恩給年額ノ五割ヲ超ユルコトナシ
恩給年額ト恩給外ノ所得ノ年額トノ合計額ガ千四十万円以下ナルトキハ八百七十万円ヲ超ユル金額ノ三割五分ノ金額ニ相当スル金額
恩給年額ト恩給外ノ所得ノ年額トノ合計額ガ千四十万円ヲ超エ千二百十万円以下ナルトキハ八百七十万円ヲ超エ千四十万円以下ノ金額ノ三割五分ノ金額及千四十万円ヲ超ユル金額ノ四割ノ金額ノ合計額ニ相当スル金額
恩給年額ト恩給外ノ所得ノ年額トノ合計額ガ千二百十万円ヲ超エ千三百八十万円以下ナルトキハ八百七十万円ヲ超エ千四十万円以下ノ金額ノ三割五分ノ金額、千四十万円ヲ超エ千二百十万円以下ノ金額ノ四割ノ金額及千二百十万円ヲ超ユル金額ノ四割五分ノ金額ノ合計額ニ相当スル金額
恩給年額ト恩給外ノ所得ノ年額トノ合計額ガ千三百八十万円ヲ超ユルトキハ八百七十万円ヲ超エ千四十万円以下ノ金額ノ三割五分ノ金額、千四十万円ヲ超エ千二百十万円以下ノ金額ノ四割ノ金額、千二百十万円ヲ超エ千三百八十万円以下ノ金額ノ四割五分ノ金額及千三百八十万円ヲ超ユル金額ノ五割ノ金額ノ合計額ニ相当スル金額
前項ノ恩給外ノ所得ノ計算ニ付テハ所得税法(昭和四十年法律第三十三号)ノ 課税総所得金額ノ計算ニ関スル規定ヲ準用ス
第一項ノ恩給外ノ所得ハ毎年税務署長ノ調査ニ依リ裁定庁之ヲ決定ス
第一項ニ規定スル恩給ノ停止ハ前項ノ決定ニ基キ其ノ年ノ七月ヨリ翌年六月ニ至ル期間分ノ恩給ニ付之ヲ為ス
但シ恩給ヲ受クベキ事由ノ生ジタル月ノ翌月ヨリ翌年六月ニ至ル期間分ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
恩給ノ請求 又ハ裁定ノ遅延ニ依リ前年以前ノ分ノ恩給ニ付第一項ノ規定ニ依ル停止ヲ為スベキ場合ニ於テハ其ノ停止額ハ前項ノ規定ニ拘ラズ同項ノ期間後ノ期間分ノ恩給支給額中ヨリ之ヲ控除スルコトヲ得
増加恩給(第六十五条第二項乃至第六項ノ規定ニ依ル加給ヲ含ム)ハ之ヲ受クル者国家公務員災害補償法第十三条 若ハ労働基準法第七十七条ノ規定ニ依ル障害補償 又ハ之ニ相当スル給付ニシテ同法第八十四条第一項ノ規定ニ該当スルモノヲ受ケタル者ナルトキハ当該補償 又ハ給付ヲ受クル事由ノ生ジタル月ノ翌月ヨリ六年間之ヲ停止ス
但シ其ノ年額中当該補償 又ハ給付ノ金額ノ六分ノ一ニ相当スル金額ヲ超ユル部分ハ之ヲ停止セズ
公務員ハ 毎月其ノ俸給ノ百分ノ二ニ相当スル金額ヲ国庫ニ納付スベシ
第二節 恩給金額
本節ニ於ケル退職当時ノ俸給年額ノ計算ニ付テハ左ノ特例ニ従フ
公務ノ為傷痍ヲ受ケ 又ハ疾病ニ罹リ之カ為退職シ 又ハ死亡シタル者ニ付退職又ハ死亡前一年内ニ昇給アリタル場合ニ於テハ退職 又ハ死亡ノ一年前ノ号俸ヨリ二号俸ヲ超ユル上位ノ号俸ニ昇給シタルトキハ二号俸上位ノ号俸ニ昇給シタルモノトス
前号ニ規定スル者以外ノ者ニ付退職 又ハ死亡前一年内ニ昇給アリタル場合ニ於テハ退職 又ハ死亡ノ一年前ノ号俸ヨリ一号俸ヲ超ユル上位ノ号俸ニ昇給シタルトキハ一号俸上位ノ号俸ニ昇給シタルモノトス
実在職期間一年未満ナルトキハ俸給ノ関係ニ於テハ就職前モ就職当時ノ俸給ヲ以テ在職シタルモノト看做ス
本節ニ於テ退職当時ノ俸給月額トハ退職当時ノ俸給年額ノ十二分ノ一ニ相当スル金額ヲ謂フ
前条第一項ニ規定スル一号俸 又ハ二号俸上位ノ号俸ヘノ昇給ニ付テハ転官職ニ依リ昇給ヲ来ス場合ニ於テハ新官職ニ付定メラレタル俸給中前ノ官職ニ付給セラレタル俸給ニ直近ニ多額ナルモノヲ以テ一号俸上位ノ号俸トシテ之ニ直近スル上位ノ号俸ヲ以テ二号俸上位ノ号俸トス
文官在職年十七年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十七年以上十八年未満ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相当スル金額トシ十七年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
在職年四十年ヲ超ユル者ニ給スヘキ恩給年額ハ之ヲ在職年四十年トシテ計算ス
第一項ノ在職年ハ国務大臣トシテ退官スル者ニ付テハ国務大臣トシテノ在職年七年以上ナルヲ以テ足ル
第四十六条、第五十四条第一項第二号若ハ第三号又ハ前項ノ規定ニ依リ在職年十七年未満ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ年額ハ在職年十七年ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ額トス
警察監獄職員在職年十二年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十二年以上十三年未満ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相当スル金額トシ十二年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ退職当時ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第四十六条又ハ第五十四条第一項第二号若ハ第三号ノ規定ニ依リ在職年十二年未満ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ年額ハ在職年十二年ノ者ニ給スヘキ普通恩給ノ額トス
第六十条第三項ノ規定ハ警察監獄職員ニ付之ヲ準用ス
一時恩給ヲ受ケタル後其ノ一時恩給ノ基礎ト為リタル在職年数一年ヲ二月ニ換算シタル月数内ニ再就職シタル者ニ普通恩給ヲ給スル場合ニ於テハ当該換算月数ト退職ノ翌月ヨリ再就職ノ月迄ノ月数トノ差月数ヲ一時恩給額算出ノ基礎ト為リタル俸給月額ノ二分ノ一ニ乗シタル金額ノ十五分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ普通恩給ノ年額トス
但シ差月数一月ニ付一時恩給額算出ノ基礎ト為リタル俸給月額ノ二分ノ一ノ割合ヲ以テ計算シタル金額ヲ返還シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前条但書ノ規定ニ依ル一時恩給ノ返還ハ之ヲ負担シタル国庫 又ハ都道府県 若ハ市町村ニ対シ再就職ノ月(再就職後一時恩給給与ノ裁定アリタル場合ハ其ノ裁定アリタル月)ノ翌月ヨリ一年内ニ一時ニ 又ハ分割シテ之ヲ完了スヘシ
前項ノ規定ニ依リ一時恩給ノ全部 又ハ一部ヲ返還シ失格原因ナクシテ再在職ヲ退職シタルニ拘ラス普通恩給ヲ受クルノ権利ヲ生セサル場合ニ於テハ一時恩給ノ返還ヲ受ケタル国庫 又ハ都道府県若ハ市町村ハ之ヲ返還者ニ還付スヘシ
増加恩給ノ年額ハ重度障害ノ程度ニ依リ定メタル別表第二号表ノ金額トス
前項ノ場合ニ於テ増加恩給ヲ受クル者ニ妻 又ハ扶養家族アルトキハ妻ニ付テハ十九万三千二百円ニ調整改定率(恩給改定率(第六十六条第一項ノ規定ニ依リ設定シ同条第二項乃至第五項ノ規定ニ依リ改定シタル率ヲ謂フ以下同ジ)ヲ謂フ但シ恩給改定率ガ一ヲ下ル場合ハ之ヲ一トス以下同ジ)ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)扶養家族ノ中二人迄ニ付テハ一人ニ付七万二千円(増加恩給ヲ受クル者ニ妻ナキトキハ其ノ中一人ニ付テハ十三万二千円)ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)其ノ他ノ扶養家族ニ付テハ一人ニ付三万六千円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)ヲ増加恩給ノ年額ニ加給ス
前項ノ扶養家族トハ増加恩給ヲ受クル者ノ退職当時ヨリ引続キ之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスル祖父母、父母、未成年ノ子及重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ヲ謂フ
前項ノ規定ニ拘ラズ増加恩給ヲ受クル者ノ退職後出生シタル未成年ノ子 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ出生当時ヨリ引続キ増加恩給ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスルモノアルトキハ之ヲ扶養家族トス
第三項ノ規定ニ拘ラズ増加恩給ヲ受クル者(公務ノ為傷痍ヲ受ケ 又ハ疾病ニ罹リ之ガ為生殖機能ヲ廃シタル者ニ限ル)ノ退職後養子ト為リタル未成年ノ子 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ縁組当時ヨリ引続キ増加恩給ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスルモノアルトキハ当該養子以外ノ子ナキトキニ限リ其ノ一人ヲ扶養家族トス
第一項ノ場合ニ於テ増加恩給ヲ受クル者ノ重度障害ノ程度特別項症ニ該当スルトキハ二十七万円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)第一項症 又ハ第二項症ニ該当スルトキハ二十一万円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)ヲ増加恩給ノ年額ニ加給ス
傷病賜金ノ金額ハ障害ノ程度ニ依リ定メタル別表第三号表ノ金額トス
第四十六条ノ二第五項但書ノ規定ニ依リ給スベキ傷病賜金ノ金額ハ第一項ノ規定ニ依ル金額ト其ノ者ノ受ケタル国家公務員災害補償法第十三条 若ハ労働基準法第七十七条ノ規定ニ依ル障害補償 又ハ之ニ相当スル給付ニシテ同法第八十四条第一項ノ規定ニ該当スルモノノ金額トノ差額トス
傷病賜金ヲ受ケタル後四年内ニ第四十六条第二項又ハ第三項ノ規定ニ依リ増加恩給ヲ受クルニ至リタルトキハ傷病賜金ノ金額ノ六十四分ノ一ニ相当スル金額ニ傷病賜金ヲ受ケタル月ヨリ起算シ増加恩給ヲ受クルニ至リタル月迄ノ月数ト四十八月トノ差月数ヲ乗ジタル金額ノ傷病賜金ヲ之ヲ負担シタル国庫又ハ都道府県ニ返還セシム
前項ニ規定スル場合ニ於テハ増加恩給ノ支給ニ際シ其ノ返還額ニ達スル迄支給額ノ三分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シテ返還セシム
第一項ノ場合ニ於テ都道府県傷病賜金ヲ負担シ国庫増加恩給ヲ負担シタルトキ 若ハ国庫傷病賜金ヲ負担シ都道府県増加恩給ヲ負担シタルトキ 又ハ一ノ都道府県傷病賜金ヲ負担シ他ノ都道府県増加恩給ヲ負担シタルトキハ前項ノ規定ニ依リ傷病賜金ノ返還ヲ受ケタル国庫 又ハ都道府県ハ其ノ返還額ヲ傷病賜金ヲ負担シタル都道府県 又ハ国庫ニ還付スベシ
平成十九年度ニ於ケル恩給改定率ハ〇・九六七トス
恩給改定率ニ付テハ毎年度当該年度ノ国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第二十七条ニ規定スル改定率(同法第二十七条の三 又ハ第二十七条の五ノ規定ニ依リ改定シタルモノニ限ル以下国民年金改定率ト称ス)ヲ平成十九年度(此ノ条ノ規定ニ依ル恩給改定率ヲ引上グル改定ガ行ハレタルトキハ直近ノ当該改定ガ行ハレタル年度)ノ国民年金改定率ヲ以テ除シテ得タル率(当該率ガ一ヲ下ル場合ハ之ヲ一トス)ヲ基準トシテ改定シ当該年度ノ四月以降ノ恩給ニ付之ヲ適用ス
前年度ノ恩給改定率ガ一ヲ下ル場合デ且当該年度ノ国民年金改定率ガ国民年金法第二十七条の五ノ規定ニ依リ改定シタルモノナルトキニ於ケル前項ノ規定ノ適用ニ付テハ前年度ノ国民年金改定率ヲ同法第二十七条の三ノ規定ニ依リ改定シタル率ヲ当該年度ノ国民年金改定率ト看做ス
但シ此ノ項及前項ノ規定ニ依リ改定シタル恩給改定率ガ一ヲ超ユルコトトナル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前二項ノ規定ニ依ル恩給改定率ノ改定ノ措置ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第三項但書ノ規定ノ適用アル場合ニ於テ第二項ノ規定ニ依リ改定シタル恩給改定率ガ一ヲ下ルコトトナルトキハ同項 及第三項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ一トス
文官在職年三年以上十七年未満ニシテ退職シタルトキハ之ニ一時恩給ヲ給ス
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職当時ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
警察監獄職員在職年三年以上十二年未満ニシテ退職シタルトキハ之ニ一時恩給ヲ給ス
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職当時ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
第三章 遺族
本法ニ於テ遺族トハ公務員ノ祖父母、父母、配偶者、子及兄弟姉妹ニシテ公務員ノ死亡ノ当時之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニシタルモノヲ謂フ
公務員ノ死亡ノ当時胎児タル子出生シタルトキハ前項ノ規定ノ適用ニ付テハ公務員ノ死亡ノ当時之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニシタルモノト看做ス
公務員左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ遺族ニハ配偶者、未成年ノ子、父母、成年ノ子、祖父母ノ順位ニ依リ之ニ扶助料ヲ給ス
先順位者タルヘキ者後順位者タル者ヨリ後ニ生スルニ至リタルトキハ前二項ノ規定ハ当該後順位者失権シタル後ニ限リ之ヲ適用ス
但シ第七十四条ノ二第一項ニ規定スル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前条第一項 及第二項ノ規定ニ依ル同順位ノ遺族二人以上アルトキハ其ノ中一人ヲ総代者トシテ扶助料ノ請求 又ハ扶助料支給ノ請求ヲ為スヘシ
公務員ノ死亡当時之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニシタル者ニシテ公務員ノ死亡後戸籍ノ届出カ受理セラレ其ノ届出ニ因リ公務員ノ祖父母、父母、配偶者又ハ子ナルコトト為リタルモノニ給スル扶助料ハ当該戸籍届出受理ノ日ヨリ之ヲ給ス
前項ニ規定スル者ニ給スル一時扶助料ハ公務員ノ死亡ノ時ニ於テ他ニ其ノ一時扶助料ヲ受クヘキ権利ヲ有スル者ナキトキニ限リ之ヲ給ス
公務員ノ死亡ノ時ニ於テ扶助料ヲ受クヘキ権利ヲ有シタル者カ第一項ニ規定スル者ノ生シタルカ為扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有セサリシコトトナル場合ニ於テモ其ノ者ハ同項ニ規定スル戸籍届出ノ受理ノ時迄ノ分ニ付当該扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有スルモノト看做ス
公務員ノ死亡ノ時ニ於テ一時扶助料ヲ受クヘキ権利ヲ有シタル者カ第一項ニ規定スル者ノ生シタルカ為一時扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有セサリシコトトナル場合ニ於テモ其ノ者ハ当該一時扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有スルモノト看做ス
第二号及第三号ニ特ニ規定スル場合ノ外ハ公務員ニ給セラルル普通恩給年額ノ十分ノ五ニ相当スル金額
公務員公務ニ因ル傷痍疾病ノ為死亡シタルトキハ前号ノ規定ニ依ル金額ニ退職当時ノ俸給年額ニ依リ定メタル別表第四号表ノ率ヲ乗ジタル金額
増加恩給ヲ併給セラルル者公務ニ起因スル傷痍疾病ニ因ラズシテ死亡シタルトキハ第一号ノ規定ニ依ル金額ニ退職当時ノ俸給年額ニ依リ定メタル別表第五号表ノ率ヲ乗ジタル金額
前項第二号及第三号ニ規定スル場合ニ於テ扶助料ヲ受クル者ニ扶養遺族アルトキハ其ノ中二人迄ニ付テハ一人ニ付七万二千円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)其ノ他ノ扶養遺族ニ付テハ一人ニ付三万六千円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)ヲ扶助料ノ年額ニ加給ス
前項ノ扶養遺族トハ扶助料ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスル公務員ノ祖父母、父母、未成年ノ子 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ扶助料ヲ受クベキ要件ヲ具フルモノヲ謂フ
公務員ノ死亡後遺族左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ扶助料ヲ受クル資格ヲ失フ
子婚姻シタルトキ 若ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ 又ハ子カ公務員ノ養子ナル場合ニ於テ離縁シタルトキ
父母 又ハ祖父母婚姻ニ因リ其ノ氏ヲ改メタルトキ
扶助料ヲ受クル者三年以下ノ懲役 又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ月ノ翌月ヨリ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月迄扶助料ヲ停止ス
但シ刑ノ全部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ扶助料ハ之ヲ停止セス刑ノ一部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ其ノ刑ノ内執行ガ猶予サレザリシ部分ノ期間ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月ノ翌月以降ハ之ヲ停止セズ之等ノ言渡ヲ猶予ノ期間中ニ取消サレタルトキハ取消ノ月ノ翌月ヨリ刑ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月迄之ヲ停止ス
前項ノ規定ハ禁錮以上ノ刑ニ処セラレ刑ノ執行中 又ハ其ノ執行前ニ在ル者ニ扶助料ヲ給スヘキ事由発生シタル場合ニ付之ヲ準用ス
扶助料ヲ給セラルヘキ者一年以上所在不明ナルトキハ同順位者又ハ次順位者ノ申請ニ依リ裁定庁ハ所在不明中扶助料ノ停止ヲ命スルコトヲ得
夫ニ給スル扶助料ハ其ノ者六十歳ニ満ツル月迄之ヲ停止ス
但シ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ者 又ハ公務員ノ死亡ノ当時ヨリ重度障害ノ状態ニ在ル者ニ付テハ此等ノ事情ノ継続スル間ハ此ノ限ニ在ラズ
前三条ノ扶助料停止ノ事由アル場合ニ於テハ停止期間中扶助料ハ同順位者アルトキハ当該同順位者ニ、同順位者ナク次順位者アルトキハ当該次順位者ニ之ヲ転給ス
第七十三条ノ二ノ規定ハ第七十八条ノ扶助料停止ノ申請 並前条ノ扶助料転給ノ請求 及其ノ支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス
第七十五条第一項第二号 又ハ第三号ノ規定ニ依ル扶助料ヲ受クル者国家公務員災害補償法第十五条 若ハ労働基準法第七十九条ノ規定ニ依ル遺族補償 又ハ之ニ相当スル給付ニシテ同法第八十四条第一項ノ規定ニ該当スルモノヲ受ケタル者ナルトキハ当該補償 又ハ給付ヲ受クル事由ノ生ジタル月ノ翌月ヨリ六年間其ノ扶助料ノ年額ト第七十五条第一項第一号ノ規定ニ依ル金額トノ差額ニ同条第二項ノ規定ニ依ル加給年額ヲ加ヘタル金額ヲ停止ス
但シ停止年額ハ当該補償 又ハ給付ノ金額ノ六分ノ一ニ相当スル金額ヲ超ユルコトナシ
遺族左ノ各号ノ一ニ該当シタルトキハ扶助料ヲ受クルノ権利ヲ失フ
配偶者婚姻シタルトキ 又ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ
子婚姻シタルトキ 若ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ 又ハ子カ公務員ノ養子ナル場合ニ於テ離縁シタルトキ
父母 又ハ祖父母婚姻ニ因リ其ノ氏ヲ改メタルトキ
成年ノ子第七十四条ニ規定スル事情止ミタルトキ
裁定庁ハ前項ニ規定スル事情ヲ調査スル為必要アルトキハ他ノ官庁 又ハ公署ノ援助ヲ求ムルコトヲ得
公務員第七十三条第一項各号ノ一ニ該当シ兄弟姉妹以外ニ扶助料ヲ受クル者ナキトキハ其ノ兄弟姉妹未成年 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ場合ニ限リ之ニ一時扶助料ヲ給ス
前項ノ一時扶助料ノ金額ハ兄弟姉妹ノ人員ニ拘ラス扶助料年額ノ一年分乃至五年分ニ相当スル金額トス
第七十三条ノ二ノ規定ハ前二項ノ一時扶助料ノ請求 及其ノ支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス
文官在職年三年以上十七年未満、警察監獄職員在職年三年以上十二年未満ニシテ在職中死亡シタル場合ニハ其ノ遺族ニ一時扶助料ヲ給ス
前項ノ一時扶助料ノ金額ハ之ヲ受クヘキ者ノ人員ニ拘ラス公務員ノ死亡当時ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ其ノ公務員ノ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
第五十九条ノ二第四項ノ規定ハ死亡当時ノ俸給月額ニ付之ヲ準用ス
第七十三条中遺族ノ順位ニ関スル規定並第七十三条ノ二及第七十四条ノ規定ハ第一項ノ一時扶助料ヲ給スル場合ニ付之ヲ準用ス
第四章 雑則
昭和二十三年七月一日以後ニ於テハ本法ノ中国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)又ハ同法ニ基ク法律、政令若ハ人事院規則ノ規定ニ矛盾スル規定ハ其ノ効力ヲ失フ