都道府県知事は、一類感染症、二類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第七号 又は第十号に掲げる者に対し、当該各号に定める検体 又は感染症の病原体を提出すべきことを命ずることができる。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
第五章 消毒その他の措置
厚生労働大臣は、一類感染症、二類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第七号 又は第十号に掲げる者に対し、当該各号に定める検体 又は感染症の病原体を提出すべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、第一項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第七号 又は第十号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、当該各号に定める検体 又は感染症の病原体を無償で収去させることができる。
厚生労働大臣は、第二項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第七号 又は第十号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、当該各号に定める検体 又は感染症の病原体を無償で収去させることができる。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受けた検体 若しくは感染症の病原体 又は第三項の規定により当該職員に収去させた検体 若しくは感染症の病原体について検査を実施しなければならない。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果 その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受けた検体 若しくは感染症の病原体 又は第三項の規定により当該職員に収去させた検体 若しくは感染症の病原体の一部の提出を求めることができる。
都道府県知事は、第一項の規定により検体 若しくは感染症の病原体の提出の命令をし、第三項の規定により当該職員に検体 若しくは感染症の病原体の収去の措置を実施させ、又は第五項の規定により検体 若しくは感染症の病原体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事 又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣 その他の必要な協力を求めることができる。
都道府県知事は、一類感染症、二類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第四号に掲げる者に対し、同号に定める検体を提出し、又は当該職員による当該検体の採取に応ずべきことを命ずることができる。
厚生労働大臣は、一類感染症、二類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第四号に掲げる者に対し、同号に定める検体を提出し、又は当該職員による当該検体の採取に応ずべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、第一項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第四号に規定する動物 又はその死体から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。
厚生労働大臣は、第二項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、当該職員に当該命令に係る第十五条第三項第四号に規定する動物 又はその死体から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体 又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体について検査を実施しなければならない。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果 その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体 又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体の一部の提出を求めることができる。
都道府県知事は、第一項の規定により検体の提出 若しくは採取の命令をし、第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させ、又は第五項の規定により検体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事 又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣 その他の必要な協力を求めることができる。
都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の患者がいる場所 又はいた場所、当該感染症により死亡した者の死体がある場所 又はあった場所 その他当該感染症の病原体に汚染された場所 又は汚染された疑いがある場所について、当該患者 若しくはその保護者 又はその場所の管理をする者 若しくはその代理をする者に対し、消毒すべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の患者がいる場所 又はいた場所、当該感染症により死亡した者の死体がある場所 又はあった場所 その他当該感染症の病原体に汚染された場所 又は汚染された疑いがある場所について、市町村に消毒するよう指示し、又は当該都道府県の職員に消毒させることができる。
都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症 又は四類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねずみ族、昆虫等が存在する区域を指定し、当該区域の管理をする者 又はその代理をする者に対し、当該ねずみ族、昆虫等を駆除すべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症 又は四類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねずみ族、昆虫等が存在する区域を指定し、当該区域を管轄する市町村に当該ねずみ族、昆虫等を駆除するよう指示し、又は当該都道府県の職員に当該ねずみ族、昆虫等を駆除させることができる。
都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類、寝具 その他の物件について、その所持者に対し、当該物件の移動を制限し、若しくは禁止し、消毒、廃棄 その他当該感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類、寝具 その他の物件について、市町村に消毒するよう指示し、又は当該都道府県の職員に消毒、廃棄 その他当該感染症の発生を予防し、若しくはそのまん延を防止するために必要な措置をとらせることができる。
都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体の移動を制限し、又は禁止することができる。
一類感染症、二類感染症、三類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、火葬しなければならない。
ただし、十分な消毒を行い、都道府県知事の許可を受けたときは、埋葬することができる。
一類感染症、二類感染症、三類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。
都道府県知事は、一類感染症、二類感染症 又は三類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある生活の用に供される水について、その管理者に対し、期間を定めて、その使用 又は給水を制限し、又は禁止すべきことを命ずることができる。
市町村は、都道府県知事が前項の規定により生活の用に供される水の使用 又は給水を制限し、又は禁止すべきことを命じたときは、同項に規定する期間中、都道府県知事の指示に従い、当該生活の用に供される水の使用者に対し、生活の用に供される水を供給しなければならない。
都道府県知事は、一類感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある建物について、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認める場合であって、消毒により難いときは、厚生労働省令で定めるところにより、期間を定めて、当該建物への立入りを制限し、又は禁止することができる。
都道府県知事は、前項に規定する措置によっても一類感染症のまん延を防止できない場合であって、緊急の必要があると認められるときに限り、政令で定める基準に従い、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある建物について封鎖 その他当該感染症のまん延の防止のために必要な措置を講ずることができる。
都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認める場合であって、消毒により難いときは、政令で定める基準に従い、七十二時間以内の期間を定めて、当該感染症の患者がいる場所その他当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある場所の交通を制限し、又は遮断することができる。
第二十六条の三から前条までの規定により実施される措置は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
都道府県知事は、第二十六条の三から第三十三条までに規定する措置を実施するため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者がいる場所 若しくはいた場所、当該感染症により死亡した者の死体がある場所 若しくはあった場所、当該感染症を人に感染させるおそれがある動物がいる場所 若しくはいた場所、当該感染症により死亡した動物の死体がある場所 若しくはあった場所 その他当該感染症の病原体に汚染された場所 若しくは汚染された疑いがある場所に立ち入り、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症 若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者 若しくは無症状病原体保有者 若しくは当該感染症を人に感染させるおそれがある動物 若しくはその死体の所有者 若しくは管理者 その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。
前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
前三項の規定は、厚生労働大臣が第二十六条の三第二項 若しくは第四項 又は第二十六条の四第二項 若しくは第四項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させるため必要があると認める場合について準用する。
この場合において、
第一項中
「、三類感染症、四類感染症 若しくは」とあるのは、
「若しくは」と
読み替えるものとする。
第一項から第三項までの規定は、市町村長が第二十七条第二項、第二十八条第二項、第二十九条第二項 又は第三十一条第二項に規定する措置を実施するため必要があると認める場合について準用する。
第二項の証明書に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
都道府県知事は、第二十六条の三第一項 若しくは第三項、第二十六条の四第一項 若しくは第三項、第二十七条第一項 若しくは第二項、第二十八条第一項 若しくは第二項、第二十九条第一項 若しくは第二項、第三十条第一項又は第三十一条第一項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合には、その名あて人 又はその保護者に対し、当該措置を実施する旨 及びその理由 その他厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。
ただし、当該事項を書面により通知しないで措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該措置を実施した後相当の期間内に、当該措置を実施した旨 及びその理由 その他同項の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を当該措置の名あて人 又はその保護者に交付しなければならない。
前二項の規定は、厚生労働大臣が第二十六条の三第二項 若しくは第四項又は第二十六条の四第二項 若しくは第四項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
都道府県知事は、第三十二条 又は第三十三条に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合には、適当な場所に当該措置を実施する旨 及びその理由 その他厚生労働省令で定める事項を掲示しなければならない。
第一項 及び第二項の規定は、市町村長が当該職員に第二十七条第二項、第二十八条第二項又は第二十九条第二項に規定する措置を実施させる場合について準用する。