放送法

# 昭和二十五年法律第百三十二号 #

第二節 業務

分類 法律
カテゴリ   電気通信
@ 施行日 : 令和六年八月十五日 ( 2024年 8月15日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

協会は、第十五条の目的を達成するため、次の業務を行う。

一 号

次に掲げる放送による国内基幹放送(特定地上基幹放送局 又は次条第三項に規定する基幹放送局提供子会社の中継地上基幹放送局(第九十一条第二項第三号に規定する放送系において他の放送局から放送をされる放送番組を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする地上基幹放送の業務に主として用いられる基幹放送局をいう。以下同じ。)を用いて行われるものに限る)を行うこと。

中波放送
超短波放送
テレビジョン放送
二 号

テレビジョン放送による国内基幹放送(電波法の規定により協会以外の者が受けた免許に係る基幹放送局を用いて行われる衛星基幹放送に限る)を行うこと。

三 号

放送 及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと。

四 号

邦人向け国際放送 及び外国人向け国際放送を行うこと。

五 号

邦人向け協会国際衛星放送 及び外国人向け協会国際衛星放送を行うこと。

2項

協会は、前項の業務のほか、第十五条の目的を達成するため、次の業務を行うことができる。

一 号

前項第四号の国際放送の放送番組の外国における送信を外国放送事業者に係る放送局を用いて行う場合に必要と認めるときにおいて、当該外国放送事業者との間の協定に基づき基幹放送局をその者に係る中継国際放送の業務の用に供すること。

二 号

協会が放送した 又は放送する放送番組 及びその編集上必要な資料 その他の協会が放送した 又は放送する放送番組に対する理解の増進に資する情報(これらを編集したものを含む。次号において「放送番組等」という。)を電気通信回線を通じて一般の利用に供すること(放送に該当するものを除く)。

三 号

放送番組等を、放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供する事業を行う者(放送事業者 及び外国放送事業者を除く)に提供すること(協会のテレビジョン放送による国内基幹放送の全ての放送番組を当該国内基幹放送と同時に提供することを除く)。

四 号

放送番組 及びその編集上必要な資料を外国放送事業者に提供すること。

五 号

テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の放送番組 及びその編集上必要な資料を放送事業者に提供すること。

六 号

前項の業務に附帯する業務を行うこと(前各号に掲げるものを除く)。

七 号

多重放送を行おうとする者に放送設備を賃貸すること。

八 号

委託により、放送 及びその受信の進歩発達に寄与する調査研究、放送設備の設計 その他の技術援助 並びに放送に従事する者の養成を行うこと。

九 号

前各号に掲げるもののほか、放送 及びその受信の進歩発達に特に必要な業務を行うこと。

3項

協会は、前二項の業務のほか、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、次の業務を行うことができる。

一 号

協会の保有する施設 又は設備(協会がその所有する土地についてした信託の終了により取得したものを含む。)を一般の利用に供し、又は賃貸すること。

二 号

委託により、放送番組等を制作する業務 その他の協会が前二項の業務を行うために保有する設備 又は技術を活用して行う業務であつて、協会が行うことが適切であると認められるものを行うこと。

4項

協会は、前三項の業務を行うに当たつては、営利を目的としてはならない。

5項

協会は、中波放送と超短波放送とのいずれか 及びテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受信できるように措置をしなければならない。

6項

協会は、第一項第一号の業務を行うに当たつては、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、他の特定地上基幹放送事業者 及び基幹放送局提供事業者(電波法の規定により衛星基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者を除く次項において同じ。)が第九十二条の責務にのつとり講ずる措置の円滑な実施に必要な協力をしなければならない。

7項

協会は、他の特定地上基幹放送事業者 又は基幹放送局提供事業者から、前項の協力の具体的な内容に関する協議の求めがあつたときは、正当な理由がある場合を除き、当該協議に応じなければならない。

8項

協会は、第一項第一号 又は第二号の業務を行うに当たつては、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、他の放送事業者が第四条第二項の責務にのつとり講ずる措置の円滑な実施に必要な協力をするよう努めなければならない。

9項

協会は、第一項第三号の業務を行うについて、放送に関係を有する者 その他学識経験を有する者から意見の申出があつた場合において、その内容が放送 及びその受信の進歩発達に寄与するものであり、かつ、同項 及び第二項の業務の遂行に支障を生じないものであるときは、これを尊重するものとし、同号の業務による成果は、できる限り一般の利用に供しなければならない。

10項

協会は、外国人向け協会国際衛星放送を行うに当たつては、その全部 又は一部をテレビジョン放送によるものとしなければならない。

11項

第二項第一号の協定は、中継国際放送に係る放送区域、放送時間 その他総務省令で定める放送設備に関する事項を内容とするものとし、協会は、当該協定を締結し、又は変更しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

12項

協会は、第二項第二号 又は第三号の業務を行おうとするときは、次に掲げる事項について実施基準を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

一 号

第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法

二 号

第二項第二号 又は第三号の業務の実施に要する費用に関する事項

三 号

第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法 並びに同項第二号の業務に関する料金 その他の提供条件に関する事項が、特定受信設備(第六十四条第一項に規定する特定受信設備をいう。)を設置した者について、同条第一項の規定により協会と同項に規定する受信契約を締結しなければならないこととされている趣旨に照らして、不適切なものでないこと。

四 号

その他総務省令で定める事項

13項

総務大臣は、前項の認可の申請が、次の各号いずれにも該当すると認めるときは、同項の認可をするものとする。

一 号

第十五条の目的の達成に資するものであること。

二 号

第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法が適正かつ明確に定められていること。

三 号

第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法 並びに同項第二号の業務に関する料金 その他の提供条件に関する事項が、特定受信設備(第六十四条第一項に規定する特定受信設備をいう。)を設置した者について、同条第一項の規定により協会と同項に規定する受信契約を締結しなければならないこととされている趣旨に照らして、不適切なものでないこと。

四 号

第二項第二号 又は第三号の業務の実施に過大な費用を要するものでないこと。

五 号

第二項第二号の業務にあつては、特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

六 号

第二項第二号の業務にあつては、利用者(同号に規定する一般の利用について、協会と契約を締結する者をいう。)の利益を不当に害するものでないこと。

14項

協会は、第二項第二号 又は第三号の業務を行うに当たつては、第十二項の認可を受けた実施基準に定めるところに従わなければならない。

15項

協会は、第十二項の認可を受けたときは、遅滞なく、その実施基準を公表しなければならない。

16項

協会は、第二項第二号 又は第三号の業務を行うに当たつては、第十二項の認可を受けた実施基準に基づき、総務省令で定めるところにより、毎事業年度の当該業務の実施計画を定め、当該事業年度の開始前に、これを総務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

17項

協会は、第二項第二号の業務を行うに当たつては、全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供するよう努めるとともに、他の放送事業者が実施する当該業務に相当する業務の円滑な実施に必要な協力をするよう努めなければならない。

18項

総務大臣は、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、協会に対し、期限を定めて、当該各号に定める勧告をすることができる。

一 号

第十二項の認可を受けた実施基準が第十三項各号いずれかに該当しないこととなつた場合

その実施基準を変更すべき旨の勧告

二 号

協会が第十四項の規定に違反している場合

第十二項の認可を受けた実施基準に従い第二項第二号 又は第三号の業務を行うべき旨の勧告

19項

総務大臣は、協会が前項の勧告に従わなかつたときは、第十二項の認可を取り消すことができる。

20項

協会は、少なくとも三年ごとに、第二項第二号 又は第三号の業務に関する技術の発達 及び需要の動向 その他の事情を勘案し、当該業務の実施の状況について評価を行うとともに、その結果に基づき当該業務の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

21項

協会は、第二項第九号 又は第三項の業務を行おうとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

22項

協会は、基幹放送の受信用機器 又はその部品を認定し、基幹放送の受信用機器の修理業者を指定し、その他いかなる名目であつても、無線用機器の製造業者、販売業者 及び修理業者の行う業務を規律し、又はこれに干渉するような行為をしてはならない。

1項

協会は、前条第一項第一号の業務を効率的に遂行するため、総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことを主たる目的とする会社に出資することができる。


この場合において、協会は、当該出資をしている間、当該出資をした者を子会社(協会がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社 その他の協会がその経営を支配している法人として総務省令で定めるものをいう。第二十二条の二第一号除き、以下この章 及び第百九十一条第二項において同じ。)として保有しなければならない。

一 号

指定地上基幹放送地域(人口、地理的条件 その他の事情により協会が当該地域における地上基幹放送の提供に必要な放送設備の全部を自ら保有するための費用が他の地域に比して多額であり、協会が基幹放送局提供事業者の提供する基幹放送局設備(中継地上基幹放送局に係るものに限る。以下この条において同じ。)を利用することにより業務の効率化を図る必要性が特に高い地域として総務大臣が指定する地域をいう。以下この条において同じ。)において、基幹放送局設備の保有 及び管理をすること。

二 号

指定地上基幹放送地域において、協会 その他の基幹放送事業者との契約に基づき、前号の基幹放送局設備を当該基幹放送事業者の地上基幹放送の業務の用に供すること。

2項

前項第一号の規定による指定は、告示によつて行う。

3項

協会は、指定地上基幹放送地域において地上基幹放送の業務を行うに当たつては、第一項の規定に基づき出資した子会社(以下この条 及び第二十二条において「基幹放送局提供子会社」という。)との契約に基づき、基幹放送局提供子会社の提供する基幹放送局設備を用いることができる。

4項

協会は、第八十五条第一項の総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、基幹放送局提供子会社に対し、指定地上基幹放送地域における地上基幹放送の業務に用いられる中継地上基幹放送局 及びこれに附属する放送設備を譲渡することができる。

1項

協会は、テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の業務を円滑に遂行するため、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことを主たる目的とする会社をに限り子会社として保有しなければならない。

一 号

協会の委託を受けてテレビジョン放送による外国人向け放送番組を制作すること。

二 号

協会の委託を受けて、電波法の規定により基幹放送局の免許を受けた協会以外の者 又は外国の放送局を運用する者に対し、その放送局を協会が行うテレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の業務の用に供させること。

2項

協会は、テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の業務を行うに当たつては、当該業務を円滑に遂行できるようにするために協会が定める基準に従い、当該業務の一部を前項に規定する子会社に委託しなければならない。

3項

協会は、前項の基準を定めたときは、遅滞なく、その基準を総務大臣に届け出なければならない。


これを変更したときも、同様とする。

1項

協会は、基幹放送局提供子会社 又は前条第一項に規定する子会社に対して出資する場合のほか、第二十条第一項 又は第二項の業務を遂行するために必要がある場合には、総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、次に掲げる者に出資することができる。

一 号
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
二 号

第百四十条第二項に規定する指定再放送事業者

三 号

前二号に掲げる者のほか、第二十条第一項 又は第二項の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者

1項

協会は、前条の場合のほか、協会 及びその子会社から成る集団の業務の効率的な遂行を確保するために必要がある場合には、総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、関連事業持株会社(その定款で次に掲げる事項を定める会社をいう。以下この条 及び次条第一項において同じ。)に出資することができる。


この場合において、協会は、当該出資をしている間、当該出資をした者を関連事業持株会社たる子会社として保有しなければならない。

一 号

専ら前条第三号に掲げる者を子会社(会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社 その他の当該会社がその経営を支配している法人として総務省令で定めるものをいう。)として保有することを目的とすること。

二 号

出資は、次条第一項の認定に係る同項に規定する関連事業出資計画(同条第三項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。同項 及び同条第五項において「認定出資計画」という。)に従い、専ら前条第三号に掲げる者に対して行うこと。

1項

協会は、前条の認可を受け、又は受けようとするときは、関連事業持株会社と共同して、総務省令で定めるところにより、当該関連事業持株会社の出資に関する計画(以下この条 及び第二十九条第一項第一号ヰにおいて「関連事業出資計画」という。)を作成し、これを総務大臣に提出して、その関連事業出資計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2項

総務大臣は、前項の認定の申請があつた場合において、当該申請に係る関連事業出資計画の実施が、協会が第二十条第一項 又は第二項の業務を遂行するために必要なものであると認めるときは、その認定をするものとする。

3項

協会は、第一項の認定を受けた場合において、認定出資計画を変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、総務大臣の認定を受けなければならない。

4項

第二項の規定は、前項の認定について準用する。

5項
総務大臣は、認定出資計画に従つて当該認定出資計画に記載された出資が行われていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
1項

協会は、第二十一条第二項の場合のほか、第二十条第一項の業務 又は第六十五条第一項 若しくは第六十六条第一項の規定によりその行う業務(次項において「第二十条第一項の業務等」という。)については、協会が定める基準に従う場合に限り、その一部を他に委託することができる。

2項

前項の基準は、同項の規定による委託をすることにより、当該委託業務が効率的に行われ、かつ、第二十条第一項の業務等の円滑な遂行に支障が生じないようにするものでなければならない。

3項

協会は、第一項の基準を定めたときは、遅滞なく、その基準を総務大臣に届け出なければならない。


これを変更したときも、同様とする。

1項

総務大臣が協会について第九十三条第一項の規定による認定の審査を行う場合における同項の規定の適用については、

同項
次に掲げる要件」とあるのは、
「次に掲げる要件(第五号第六号 及び第七号イからハまでに係る部分に限る)を除く)」と

する。

2項

総務大臣が協会について第九十六条第二項の規定による認定の更新の審査を行う場合における同項の規定の適用については、

同項
第九十三条第一項第四号 及び第五号」とあるのは、
第九十三条第一項第四号」と

する。

1項

協会は、外国の放送局を用いて国際放送 又は協会国際衛星放送を開始したときは、遅滞なく、放送区域、放送事項 その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。


これらの事項を変更したときも、同様とする。

1項

協会は、第二十条第十項の規定によるテレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送(第二十一条第二項の規定による子会社への放送番組の制作の委託を含む。)を行うに当たり、当該放送を実施するため特に必要があると認めるときは、協会以外の基幹放送事業者(放送大学学園法(平成十四年法律第百五十六号)第三条に規定する放送大学学園(以下「学園」という。)を除く第三項において同じ。)に対し、協会が定める基準 及び方法に従つて、放送番組の編集上必要な資料の提供 その他必要な協力を求めることができる。

2項

協会は、前項に規定する基準 及び方法を定め、又はこれらを変更しようとするときは、第八十二条第一項に規定する国際放送番組審議会に諮問しなければならない。

3項

前項の国際放送番組審議会は、同項の規定により諮問を受けた場合には、協会以外の基幹放送事業者の意見を聴かなければならない。

4項

協会は、第一項に規定する基準 及び方法を定めたときは、遅滞なく、その基準 及び方法を総務大臣に届け出なければならない。


これらを変更した場合も、同様とする。

1項

協会は、その業務に関して申出のあつた苦情 その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。