この法律は、配偶者同行休業の制度を設けることにより、裁判官の継続的な勤務を促進し、もって裁判事務等の円滑な運営に資することを目的とする。
この法律にいう「配偶者」には、届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。
この法律において「配偶者同行休業」とは、裁判官が、外国での勤務 その他の最高裁判所規則で定める事由により外国に住所 又は居所を定めて滞在するその配偶者と、当該住所 又は居所において生活を共にするため、職務に従事しないことをいう。
最高裁判所は、裁判官が配偶者同行休業を請求した場合において、裁判事務等の運営に支障がないと認めるときは、三年を超えない範囲内の期間に限り、当該裁判官が配偶者同行休業をすることを承認することができる。
前項の請求は、配偶者同行休業をしようとする期間の初日 及び末日 並びに当該裁判官の配偶者が当該期間中 外国に住所 又は居所を定めて滞在する事由を明らかにしてしなければならない。
配偶者同行休業をしている裁判官は、当該配偶者同行休業を開始した日から引き続き配偶者同行休業をしようとする期間が三年を超えない範囲内において、延長をしようとする期間の末日を明らかにして、最高裁判所に対し、配偶者同行休業の期間の延長を請求することができる。
配偶者同行休業の期間の延長は、最高裁判所規則で定める特別の事情がある場合を除き、一回に限るものとする。
前条第一項の規定は、配偶者同行休業の期間の延長の承認について準用する。
配偶者同行休業をしている裁判官は、裁判官としての身分を保有するが、その配偶者同行休業の期間中 報酬 その他の給与を受けない。
配偶者同行休業の承認は、次に掲げる場合には、その効力を失う。
当該配偶者同行休業をしている裁判官が裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号)第三十九条の規定により職務を停止された場合
当該配偶者同行休業に係る配偶者が死亡し、又は当該配偶者同行休業をしている裁判官の配偶者でなくなった場合
最高裁判所は、次に掲げる場合には、配偶者同行休業の承認を取り消すものとする。
当該配偶者同行休業をしている裁判官から配偶者同行休業の承認の取消しの申出があった場合
当該配偶者同行休業をしている裁判官が当該配偶者同行休業に係る配偶者と 生活を共にしなくなった場合
その他 最高裁判所規則で定める場合
国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第六条の四第一項 及び第七条第四項(最高裁判所裁判官退職手当特例法(昭和四十一年法律第五十二号)第三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の適用については、配偶者同行休業をした期間は、国家公務員退職手当法第六条の四第一項に規定する現実に職務をとることを要しない期間に該当するものとする。
配偶者同行休業をした期間についての国家公務員退職手当法第七条第四項の規定の適用については、
同項中
「その月数の二分の一に相当する月数(国家公務員法第百八条の六第一項ただし書 若しくは行政執行法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)第七条第一項ただし書に規定する事由 又はこれらに準ずる事由により現実に職務をとることを要しなかつた期間については、その月数)」とあるのは、
「その月数」と
する。
この法律の実施に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。