受託信託会社等は、毎年一回一定の期日に信託財産について、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる資料 及びその附属明細書を作成しなければならない。
資産の流動化に関する法律
第四節 計算等
受託信託会社等は、第一項の資料を、同項 又は前項の規定により作成した日から五年間、その本店に備え置かなければならない。
受託信託会社等は、第一項の資料の写しを、前項に規定する日から三年間、その支店に備え置かなければならない。
ただし、第一項の資料が電磁的記録で作成されている場合であって、支店における次項において準用する会社法第四百四十二条第三項第三号 及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
会社法第四百四十二条第三項(計算書類等の備置き及び閲覧等)の規定は、第一項の資料について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「債権者」とあるのは
「特定目的信託の受託信託会社等が信託事務を処理するために行った資金の借入れに係る債権者」と
読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
信託業法第二十七条の規定は、特定目的信託に係る信託財産については、適用しない。
受益証券の権利者に対する金銭の分配は、各受益証券の権利者が有する元本持分に応じて行わなければならない。
ただし、資産信託流動化計画に別段の定めをすることを妨げない。
百分の三(これを下回る割合を特定目的信託契約で定めた場合にあっては、その割合)以上の元本持分を有する受益証券の権利者は、第二百四十条第一項の規定にかかわらず、受託信託会社等に対し、次に掲げる請求をすることができる。
前項の請求は、理由を付した書面をもって行わなければならない。
第一項に規定する受益証券の権利者は、あらかじめ特定目的信託契約に定めがあるときは、前項の規定による書面による請求に代えて、電磁的方法により第一項の請求をすることができる。
この場合において、当該受益証券の権利者は、当該書面による請求をしたものとみなす。
第一項の請求があったときは、受託信託会社等は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う受益証券の権利者がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
当該請求を行う受益証券の権利者が、第一項の規定による閲覧 若しくは謄写 又は報告によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
当該請求を行う受益証券の権利者が、過去二年以内において、第一項の規定による閲覧 若しくは謄写 又は報告によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがある者であるとき。
当該請求を行う受益証券の権利者が、不適当なときに第一項の規定による閲覧 若しくは謄写 又は報告の請求を行ったとき。
信託法第三十六条(信託事務の処理の状況についての報告義務)、第三十八条(帳簿等の閲覧等の請求)及び第三十九条(他の受益者の氏名等の開示の請求)の規定は、受益証券の権利者については、適用しない。
前項の規定に違反して受託信託会社等が財産上の利益を供与したときは、代表権利者、特定信託管理者 又は各受益証券の権利者は、当該受託信託会社等に対して損失のてん補 又は信託財産の復旧を求めることができる。
会社法第百二十条第二項 及び第三項(株主等の権利の行使に関する利益の供与)の規定は、受益証券の権利者の権利の行使に関する利益の供与について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。