いじめ防止対策推進法

# 平成二十五年法律第七十一号 #
略称 : いじめ対策法 

第五章 重大事態への対処

分類 法律
カテゴリ   教育
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第八十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 20時50分


1項

学校の設置者 又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者 又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用 その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。

一 号

いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身 又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

二 号

いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

2項

学校の設置者 又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等 及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等 その他の必要な情報を適切に提供するものとする。

3項

第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査 及び前項の規定による情報の提供について必要な指導 及び支援を行うものとする。

1項

国立大学法人(国立大学法人法平成十五年法律第百十二号第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する国立大学に附属して設置される学校は、前条第一項各号に掲げる場合には、当該国立大学法人の学長 又は理事長を通じて、重大事態が発生した旨を、文部科学大臣に報告しなければならない。

2項

前項の規定による報告を受けた文部科学大臣は、当該報告に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、前条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項

文部科学大臣は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る国立大学法人 又はその設置する国立大学に附属して設置される学校が当該調査に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、国立大学法人法第三十五条の二において準用する独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第六十四条第一項に規定する権限の適切な行使 その他の必要な措置を講ずるものとする。

1項

地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。

2項

前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項

地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。

4項

第二項の規定は、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律昭和三十一年法律第百六十二号第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。

5項

地方公共団体の長 及び教育委員会は、第二項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限 及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。

1項

第二十九条の規定は、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。)が設置する公立大学に附属して設置される学校について準用する。


この場合において、

第二十九条第一項
文部科学大臣」とあるのは
「当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長(以下この条において単に「地方公共団体の長」という)」と、

同条第二項 及び第三項
文部科学大臣」とあるのは
「地方公共団体の長」と、

同項
国立大学法人法第三十五条の二において準用する独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第六十四条第一項」とあるのは
「地方独立行政法人法第百二十一条第一項」と

読み替えるものとする。

1項

学校法人(私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、重大事態が発生した旨を、当該学校を所轄する都道府県知事(以下この条において単に「都道府県知事」という。)に報告しなければならない。

2項

前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、当該報告に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項

都道府県知事は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校法人 又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、私立学校法第六条に規定する権限の適切な行使 その他の必要な措置を講ずるものとする。

4項

前二項の規定は、都道府県知事に対し、学校法人が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。

1項

学校設置会社(構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十二条第二項に規定する学校設置会社をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該学校設置会社の代表取締役 又は代表執行役を通じて、重大事態が発生した旨を、同法第十二条第一項の規定による認定を受けた地方公共団体の長(以下「認定地方公共団体の長」という。)に報告しなければならない。

2項

前項の規定による報告を受けた認定地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

3項

認定地方公共団体の長は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校設置会社 又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処 又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、構造改革特別区域法第十二条第十項に規定する権限の適切な行使 その他の必要な措置を講ずるものとする。

4項

前二項の規定は、認定地方公共団体の長に対し、学校設置会社が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。

5項

第一項から前項までの規定は、学校設置非営利法人(構造改革特別区域法第十三条第二項に規定する学校設置非営利法人をいう。)が設置する学校について準用する。


この場合において、

第一項
学校設置会社の代表取締役 又は代表執行役」とあるのは
「学校設置非営利法人の代表権を有する理事」と、

第十二条第一項」とあるのは
「第十三条第一項」と、

第二項
前項」とあるのは
第五項において準用する前項」と、

第三項
前項」とあるのは
第五項において準用する前項」と、

学校設置会社」とあるのは
「学校設置非営利法人」と、

第十二条第十項」とあるのは
「第十三条第三項において準用する同法第十二条第十項」と、

前項
前二項」とあるのは
次項において準用する前二項」と

読み替えるものとする。

1項

地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百四十五条の四第一項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県 又は市町村に対し、都道府県の教育委員会は市町村に対し、重大事態への対処に関する都道府県 又は市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言 又は援助を行うことができる。