不動産登記法

# 平成十六年法律第百二十三号 #
略称 : 新不動産登記法  不登法 

第五款 信託に関する登記

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 04時01分

1項

信託の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一 号

委託者、受託者 及び受益者の氏名 又は名称 及び住所

二 号

受益者の指定に関する条件 又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め

三 号

信託管理人があるときは、その氏名 又は名称 及び住所

四 号

受益者代理人があるときは、その氏名 又は名称 及び住所

五 号

信託法平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨

六 号

信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨

七 号

公益信託ニ関スル法律大正十一年法律第六十二号) 第一条に規定する公益信託であるときは、その旨

八 号

信託の目的

九 号

信託財産の管理方法

十 号
信託の終了の事由
十一 号
その他の信託の条項
2項

前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登記したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登記した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る)の氏名 又は名称 及び住所を登記することを要しない。

3項

登記官は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。

1項

信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転 又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。

2項

信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。

3項

信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。

1項

受益者 又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。

1項

受託者の任務が死亡、後見開始 若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散 又は裁判所 若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁 及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第百二条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する不動産についてする受託者の変更による権利の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。

2項

受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する不動産についてする当該受託者の任務の終了による権利の変更の登記は、第六十条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。

1項

登記官は、信託財産に属する不動産について次に掲げる登記をするときは、職権で、信託の変更の登記をしなければならない。

一 号

信託法第七十五条第一項 又は第二項の規定による権利の移転の登記

二 号

信託法第八十六条第四項本文の規定による権利の変更の登記

三 号

受託者である登記名義人の氏名 若しくは名称 又は住所についての変更の登記 又は更正の登記

1項

裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人 若しくは受益者代理人の選任 若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。

2項

主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人 若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。

1項

前二条に規定するもののほか第九十七条第一項各号に掲げる登記事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登記を申請しなければならない。

2項

第九十九条の規定は、前項の信託の変更の登記の申請について準用する。

1項

信託財産に属する不動産に関する権利が移転、変更 又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登記の抹消の申請は、当該権利の移転の登記 若しくは変更の登記 又は当該権利の登記の抹消の申請と同時にしなければならない。

2項

信託の登記の抹消は、受託者が単独で申請することができる。

1項

信託の併合 又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消 及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合 又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。


信託の併合 又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。

2項

信託財産に属する不動産についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登記(第九十八条第三項の登記を除く)については、同表の中欄に掲げる者を登記権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登記義務者とする。


この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第二十二条本文の規定は、適用しない

一 不動産に関する権利が固有財産に属する財産か信託財産に属する財産となった場合
受益者
受託者
二 不動産に関する権利が信託財産に属する財産から 固有財産に属する財産となった場合
受託者
受益者
三 不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合
当該 他の信託の受益者 及び受託者
当該一の信託の受益者 及び受託者