住宅宿泊事業法

# 平成二十九年法律第六十五号 #
略称 : 民泊法  民泊新法 

第二章 住宅宿泊事業

分類 法律
カテゴリ   観光
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 08月25日 18時27分


第一節 届出等

1項

都道府県知事(保健所を設置する市 又は特別区(以下「保健所設置市等」という。)であって、その長が第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理するものの区域にあっては、当該保健所設置市等の長。第七項 並びに同条第一項 及び第二項除き、以下同じ。)に住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者は、旅館業法第三条第一項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる。

2項

前項の届出をしようとする者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごとに、次に掲げる事項を記載した届出書を都道府県知事に提出しなければならない。

一 号

商号、名称 又は氏名 及び住所

二 号

法人である場合においては、その役員の氏名

三 号

未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名 及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号 又は名称 及び住所 並びにその役員の氏名

四 号

住宅の所在地

五 号

営業所 又は事務所を設ける場合においては、その名称 及び所在地

六 号

第十一条第一項の規定による住宅宿泊管理業務の委託以下単に「住宅宿泊管理業務の委託」という。)をする場合においては、その相手方である住宅宿泊管理業者の商号、名称 又は氏名 その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項

七 号
その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項
3項

前項の届出書には、当該届出に係る住宅の図面、第一項の届出をしようとする者が次条各号いずれにも該当しないことを誓約する書面 その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。

4項

住宅宿泊事業者は、第二項第一号から第三号まで第五号 又は第七号に掲げる事項に変更があったときはその日から三十日以内に同項第六号に掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

5項

第三項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

6項

住宅宿泊事業者が次の各号いずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、その日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

一 号

住宅宿泊事業者である個人が死亡したとき

その相続人

二 号

住宅宿泊事業者である法人が合併により消滅したとき

その法人を代表する役員であった者

三 号

住宅宿泊事業者である法人が破産手続開始の決定により解散したとき

その破産管財人

四 号

住宅宿泊事業者である法人が合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき

その清算人

五 号

住宅宿泊事業を廃止したとき

住宅宿泊事業者であった個人 又は住宅宿泊事業者であった法人を代表する役員

7項

都道府県知事は、第一項第四項 又は前項の規定による届出を受理した場合において、当該届出に係る住宅が保健所設置市等(その長が第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理するものを除く)の区域内に所在するときは、遅滞なく、その旨を当該保健所設置市等の長に通知しなければならない。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、住宅宿泊事業を営んではならない

一 号

心身の故障により住宅宿泊事業を的確に遂行することができない者として国土交通省令・厚生労働省令で定めるもの

二 号

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

三 号

第十六条第二項の規定により住宅宿泊事業の廃止を命ぜられ、その命令の日から三年を経過しない者(当該命令をされた者が法人である場合にあっては、当該命令の日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該命令の日から三年を経過しないものを含む。

四 号

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律 若しくは旅館業法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過しない者

五 号

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者以下「暴力団員等」という。

六 号

営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合にあっては、その役員を含む。第二十五条第一項第七号 及び第四十九条第一項第七号において同じ。)が前各号いずれかに該当するもの

七 号

法人であって、その役員のうちに第一号から第五号までいずれかに該当する者があるもの

八 号

暴力団員等がその事業活動を支配する者

第二節 業務

1項

住宅宿泊事業者は、届出住宅について、各居室(住宅宿泊事業の用に供するものに限る第十一条第一項第一号において同じ。)の床面積に応じた宿泊者数の制限、定期的な清掃 その他の宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置であって厚生労働省令で定めるものを講じなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、届出住宅について、非常用照明器具の設置、避難経路の表示 その他の火災 その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定めるものを講じなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、外国人観光旅客である宿泊者に対し、届出住宅の設備の使用方法に関する外国語を用いた案内、移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供 その他の外国人観光旅客である宿泊者の快適性 及び利便性の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定めるものを講じなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより届出住宅 その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業 その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があったときは、これを提出しなければならない。

2項

宿泊者は、住宅宿泊事業者から請求があったときは、前項の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を告げなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、宿泊者に対し、騒音の防止のために配慮すべき事項 その他の届出住宅の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項であって国土交通省令・厚生労働省令で定めるものについて説明しなければならない。

2項

住宅宿泊事業者は、外国人観光旅客である宿泊者に対しては、外国語を用いて前項の規定による説明をしなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情 及び問合せについては、適切かつ迅速にこれに対応しなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、次の各号いずれかに該当するときは、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。


ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行うときは、この限りでない。

一 号

届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしても その適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める居室の数を超えるとき。

二 号

届出住宅に人を宿泊させる間、不在(一時的なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを除く)となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離 その他の事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくても その適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合として国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く)。

2項

第五条から前条までの規定は、住宅宿泊管理業務の委託がされた届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者については、適用しない

1項

住宅宿泊事業者は、宿泊サービス提供契約(宿泊者に対する届出住宅における宿泊のサービスの提供に係る契約をいう。)の締結の代理 又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者 又は旅行業者に委託しなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令・厚生労働省令で定める様式の標識を掲げなければならない。

1項

住宅宿泊事業者は、届出住宅に人を宿泊させた日数 その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、都道府県知事に報告しなければならない。

第三節 監督

1項

都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、住宅宿泊事業者に対し、業務の方法の変更 その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

都道府県知事は、住宅宿泊事業者がその営む住宅宿泊事業に関し法令 又は前条の規定による命令に違反したときは、一年以内の期間を定めて、その業務の全部 又は一部の停止を命ずることができる。

2項

都道府県知事は、住宅宿泊事業者がその営む住宅宿泊事業に関し法令 又は前条 若しくは前項の規定による命令に違反した場合であって、他の方法により監督の目的を達成することができないときは、住宅宿泊事業の廃止を命ずることができる。

3項

都道府県知事は、前二項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を住宅宿泊事業者に通知しなければならない。

1項

都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、届出住宅 その他の施設に立ち入り、その業務の状況 若しくは設備、帳簿書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第四節 雑則

1項

都道府県(第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理する保健所設置市等の区域にあっては、当該保健所設置市等)は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生 その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。

1項

観光庁長官は、住宅宿泊事業の適切な実施を図るため、住宅宿泊事業者に対し、インターネットを利用することができる機能を有する設備の整備 その他の外国人観光旅客に対する接遇の向上を図るための措置に関し必要な助言 その他の援助を行うものとする。

1項

観光庁長官は、外国人観光旅客の宿泊に関する利便の増進を図るため、外国人観光旅客に対し、住宅宿泊事業の実施状況 その他の住宅宿泊事業に関する情報を提供するものとする。

2項

観光庁長官は、前項の情報を提供するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該都道府県の区域内に所在する届出住宅に関し必要な情報の提供を求めることができる。

1項

建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)及びこれに基づく命令の規定において「住宅」、「長屋」、「共同住宅」又は「寄宿舎」とあるのは、届出住宅であるものを含むものとする。