個人向け国債の発行 及び中途換金等に関する取扱いは、別に定めるもののほか、この省令の定めるところによる。
制定に関する表明
国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号)第一条第一項 及び第二条ノ二の規定に基づき、個人向け国債の発行等に関する省令を次のように定める。
この省令において「個人向け国債」とは、国債に関する法律第二条ノ二の規定の適用を受ける国債であって、もっぱら個人が保有することを目的とし、かつ、その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号。以下「振替法」という。)の規定による振替口座簿の記載 又は記録により定まるものとされるものとして発行する国債をいう。
個人向け国債の額面金額の最低額(以下 この条 及び次条第八項において「最低額面金額」という。)は、国債の発行等に関する省令(昭和五十七年大蔵省令第三十号。以下「発行省令」という。)第三条の規定にかかわらず、一万円とし、振替法の規定による振替口座簿の記載 又は記録は、最低額面金額の整数倍の金額によるものとする。
個人向け国債は、取扱機関(第七項の規定により日本銀行との間に契約を締結した者をいう。以下同じ。)による募集の取扱いの方法により発行するものとする。
財務大臣は、あらかじめ、取扱機関になることができる者を定め、その旨を当該取扱機関になることができる者に日本銀行を通じて通知するものとする。
これを変更した場合も同様とする。
取扱機関になることができる者は、振替法第四十四条第一項に規定する口座管理機関(同項第十三号に規定する者を除く。)のうち、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
銀行、保険会社、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会 又は水産加工業協同組合のうち、国債証券の売買 及び募集の取扱いを行うことについて、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第三十三条の二の規定に基づく登録を受けている者
財務大臣は、取扱機関になることができる者のうち、法令に基づき業務の停止処分を受けていることその他 それに準ずる事由により、個人向け国債の募集の取扱いを認めることが適当でないと認められる者を定めたときは、その旨を当該者に日本銀行を通じて通知するものとする。
財務大臣は、取扱機関になることができる者のうち、前項の規定により定められた者を除いた者の商号 又は名称を、インターネットを利用して公衆の閲覧に供する方法により公表するものとする。
これを変更した場合も同様とする。
財務大臣は、次の各号に掲げる事務に関して、必要となる基本的な事項を定め、これを日本銀行に通知するものとする。
これを変更した場合も同様とする。
取扱機関になることができる者(第四項の規定により定められた者を除く。)であって、次項の規定により日本銀行との間に契約を締結した者が行うこととなる第一項に規定する個人向け国債の募集の取扱いに係る事務
取扱機関になることができる者であって、次項の規定により日本銀行との間に契約を締結した者が行うこととなる中途換金(個人向け国債を有する者の請求により、国が当該個人向け国債を償還期限前に買い取ることをいう。以下同じ。)の取扱い その他の個人向け国債に係る事務
取扱機関になることができる者であって、次項の規定により日本銀行との間に契約を締結した者のうち、発行省令第六条第二項の規定に基づき財務大臣が定める者(同条第四項の規定により定められた者を除く。)が行うこととなる同条第一項に規定する国債の募集の取扱いに係る事務
日本銀行は、前項の規定による通知を受けたときは、取扱機関になることができる者との間に当該通知された事項を内容とする契約を締結するものとする。
財務大臣は、個人向け国債を発行しようとするときは、次の各号に掲げる事項を定め、これを日本銀行に通知するものとする。
発行の根拠法律 及びその条項
各取扱機関の募集の取扱い予定額
日本銀行は、前項の規定による通知を受けたときは、通知された事項に従い、取扱機関に個人向け国債の募集の取扱いを行わせるものとする。
日本銀行は、募集期間終了後、速やかに、当該募集の取扱いの状況についてとりまとめて、これを財務大臣に報告(発行省令第二条第二項に規定する電子情報処理組織を使用して行うものを含む。)するものとする。
財務大臣は、前項の規定による報告に基づき、発行額 その他当該個人向け国債の発行に関し必要な事項を決定し、これを日本銀行に通知するものとする。
日本銀行は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、取扱機関に、払込金の払込みをさせなければならない。
日本銀行は、取扱機関から前項の払込金の払込みを受けたときは、当該取扱機関から報告を受けた振替法第九十二条第一項各号に掲げる事項についての通知を行うものとする。
財務大臣は、個人向け国債を発行したときは、第八項各号(第四号から第六号まで 及び第九号を除く。)に掲げる事項、発行額 及び発行価格を告示するものとする。
個人向け国債は、国債に関する法律第二条ノ二に規定する財務大臣の定める国債とし、同条に規定する者は、財務大臣が告示するものとする。
個人向け国債の中途換金は、当該個人向け国債の第二期利子支払期以後において行われる場合に行うことができるものとする。
個人向け国債の中途換金を請求しようとする者は、取扱機関に対し、当該個人向け国債の買取りを請求するものとする。
取扱機関は、前項の規定による請求を受けたときは、遅滞なく、 当該個人向け国債を買い取り、日本銀行に対して当該個人向け国債の買取りを請求するものとする。
日本銀行は、前項の規定による請求を受けたときは、遅滞なく、当該個人向け国債を買い取るものとする。
前二項の規定による買取りは、当該買取りに係る個人向け国債の金額に経過利子に相当する金額(当該買取りに係る個人向け国債を買い取る日の直前の利子支払期から 当該買い取る日までの期間に対応する部分の利子に相当する金額をいう。)を加えた金額から中途換金調整額(当該買取りに係る個人向け国債を買い取る日の直前二期の利子支払期に支払われた利子に相当する金額にそれぞれ百分の七十九・六八五を乗じて得た額の合計額をいう。)を減じた金額(一円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てるものとする。)によるものとする。
前条第一項に規定する場合のほか、個人向け国債を有する者(相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第二十一条の四第一項に規定する特定障害者扶養信託契約の受益者 及び所得税法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第五号)第三条の規定による改正前の相続税法第二十一条の四第一項に規定する特別障害者扶養信託契約の受益者を含む。)が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、前条第一項に定める利子支払期前であっても、 取扱機関に対し、当該個人向け国債に係る同条第二項の請求をすることができるものとする。
死亡したとき
その相続人
その居住する市町村(特別区を含み、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、当該市 又は当該市の区 若しくは総合区とする。第三項において同じ。)の区域において、災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)による救助の行われる災害が発生し、当該災害にかかったとき
当該個人向け国債を有する者
前項第一号の規定による請求をしようとする者は、取扱機関に対し、相続人たる地位を証明する書類、被相続人の死亡を公的機関が証明した書類 その他の必要な書類を提出しなければならない。
第一項第二号の規定による請求をしようとする者は、取扱機関に対し、当該災害が発生した市町村の区域に居住していることを証明する書類、当該災害にかかったことを公的機関が証明した書類 その他の必要な書類を提出しなければならない。
前条第五項の規定にかかわらず、第一項の規定による買取りは、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める金額によるものとする。
当該個人向け国債を初期利子支払期から 第二期利子支払期前までの間に買い取るとき当該買取りに係る個人向け国債の金額に経過利子に相当する金額(当該買取りに係る個人向け国債の初期利子支払期から 当該買い取る日までの期間に対応する部分の利子に相当する金額をいう。以下 この号において同じ。)を加えた金額から中途換金調整額(当該買取りに係る個人向け国債の初期利子支払期に支払われた利子に相当する金額に百分の七十九・六八五を乗じて得た額 及び経過利子に相当する金額の合計額をいう。)を減じた金額(一円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てるものとする。次号において同じ。)
当該個人向け国債を初期利子支払期前に買い取るとき当該買取りに係る個人向け国債の金額に経過利子に相当する金額(当該買取りに係る個人向け国債の発行日から 当該買い取る日までの期間に対応する部分の利子に相当する金額をいう。以下 この号において同じ。)を加えた金額から中途換金調整額(経過利子に相当する金額をいう。)を減じた金額
発行省令第八条の規定は、個人向け国債については、適用しない。