個人情報の保護に関する法律

# 平成十五年法律第五十七号 #
略称 : 個人情報保護法 

第五節 行政機関等匿名加工情報の提供等

分類 法律
カテゴリ   憲法
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 20時49分


1項

行政機関の長等は、この節の規定に従い、行政機関等匿名加工情報(行政機関等匿名加工情報ファイルを構成するものに限る。以下この節において同じ。)を作成することができる。

2項

行政機関の長等は、次の各号いずれかに該当する場合を除き、行政機関等匿名加工情報を提供してはならない。

一 号

法令に基づく場合(この節の規定に従う場合を含む。

二 号

保有個人情報を利用目的のために第三者に提供することができる場合において、当該保有個人情報を加工して作成した行政機関等匿名加工情報を当該第三者に提供するとき。

3項

第六十九条の規定にかかわらず、行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために削除情報(保有個人情報に該当するものに限る)を自ら利用し、又は提供してはならない。

4項

前項の「削除情報」とは、行政機関等匿名加工情報の作成に用いた保有個人情報から削除した記述等 及び個人識別符号をいう。

1項

行政機関の長等は、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイルが第六十条第三項各号いずれにも該当すると認めるときは、当該個人情報ファイルについては、個人情報ファイル簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。


この場合における当該個人情報ファイルについての第七十五条第一項の規定の適用については、

同項
第十号」とあるのは、
第十号 並びに第百十条各号」と

する。

一 号

第百十二条第一項の提案の募集をする個人情報ファイルである旨

二 号

第百十二条第一項の提案を受ける組織の名称 及び所在地

1項

行政機関の長等は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、定期的に、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイル(個人情報ファイル簿に前条第一号に掲げる事項の記載があるものに限る。以下この節において同じ。)について、次条第一項の提案を募集するものとする。

1項

前条の規定による募集に応じて個人情報ファイルを構成する保有個人情報を加工して作成する行政機関等匿名加工情報をその事業の用に供しようとする者は、行政機関の長等に対し、当該事業に関する提案をすることができる。

2項

前項の提案は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を行政機関の長等に提出してしなければならない。

一 号

提案をする者の氏名 又は名称 及び住所 又は居所 並びに法人 その他の団体にあっては、その代表者の氏名

二 号
提案に係る個人情報ファイルの名称
三 号
提案に係る行政機関等匿名加工情報の本人の数
四 号

前号に掲げるもののほか、提案に係る行政機関等匿名加工情報の作成に用いる第百十六条第一項の規定による加工の方法を特定するに足りる事項

五 号

提案に係る行政機関等匿名加工情報の利用の目的 及び方法 その他当該行政機関等匿名加工情報がその用に供される事業の内容

六 号

提案に係る行政機関等匿名加工情報を前号の事業の用に供しようとする期間

七 号

提案に係る行政機関等匿名加工情報の漏えいの防止 その他当該行政機関等匿名加工情報の適切な管理のために講ずる措置

八 号

前各号に掲げるもののほか、個人情報保護委員会規則で定める事項

3項

前項の書面には、次に掲げる書面 その他個人情報保護委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

一 号

第一項の提案をする者が次条各号いずれにも該当しないことを誓約する書面

二 号

前項第五号の事業が新たな産業の創出 又は活力ある経済社会 若しくは豊かな国民生活の実現に資するものであることを明らかにする書面

1項

次の各号いずれかに該当する者は、前条第一項提案をすることができない

一 号
未成年者
二 号

心身の故障により前条第一項の提案に係る行政機関等匿名加工情報をその用に供して行う事業を適正に行うことができない者として個人情報保護委員会規則で定めるもの

三 号
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
四 号

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

五 号

第百二十条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を解除され、その解除の日から起算して二年を経過しない者

六 号

法人 その他の団体であって、その役員のうちに前各号いずれかに該当する者があるもの

1項

行政機関の長等は、第百十二条第一項の提案があったときは、当該提案が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

一 号

第百十二条第一項の提案をした者が前条各号いずれにも該当しないこと。

二 号

第百十二条第二項第三号の提案に係る行政機関等匿名加工情報の本人の数が、行政機関等匿名加工情報の効果的な活用の観点からみて個人情報保護委員会規則で定める数以上であり、かつ、提案に係る個人情報ファイルを構成する保有個人情報の本人の数以下であること。

三 号

第百十二条第二項第三号 及び第四号に掲げる事項により特定される加工の方法が第百十六条第一項の基準に適合するものであること。

四 号

第百十二条第二項第五号の事業が新たな産業の創出 又は活力ある経済社会 若しくは豊かな国民生活の実現に資するものであること。

五 号

第百十二条第二項第六号の期間が行政機関等匿名加工情報の効果的な活用の観点からみて個人情報保護委員会規則で定める期間を超えないものであること。

六 号

第百十二条第二項第五号の提案に係る行政機関等匿名加工情報の利用の目的 及び方法 並びに同項第七号の措置が当該行政機関等匿名加工情報の本人の権利利益を保護するために適切なものであること。

七 号

前各号に掲げるもののほか、個人情報保護委員会規則で定める基準に適合するものであること。

2項

行政機関の長等は、前項の規定により審査した結果、第百十二条第一項の提案が前項各号に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該提案をした者に対し、次に掲げる事項を通知するものとする。

一 号

次条の規定により行政機関の長等との間で行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結することができる旨

二 号

前号に掲げるもののほか、個人情報保護委員会規則で定める事項

3項

行政機関の長等は、第一項の規定により審査した結果、第百十二条第一項の提案が第一項各号に掲げる基準のいずれかに適合しないと認めるときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該提案をした者に対し、理由を付して、その旨を通知するものとする。

1項

前条第二項の規定による通知を受けた者は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、行政機関の長等との間で、行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結することができる。

1項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報を作成するときは、特定の個人を識別することができないように 及びその作成に用いる保有個人情報を復元することができないようにするために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、当該保有個人情報を加工しなければならない。

2項

前項の規定は、行政機関等から行政機関等匿名加工情報の作成の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

1項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報を作成したときは、当該行政機関等匿名加工情報の作成に用いた保有個人情報を含む個人情報ファイルについては、個人情報ファイル簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。


この場合における当該個人情報ファイルについての第百十条の規定により読み替えて適用する第七十五条第一項の規定の適用については、

同項
並びに第百十条各号」とあるのは、
「、第百十条各号 並びに第百十七条各号」と

する。

一 号
行政機関等匿名加工情報の概要として個人情報保護委員会規則で定める事項
二 号

次条第一項の提案を受ける組織の名称 及び所在地

三 号

次条第一項の提案をすることができる期間

1項

前条の規定により個人情報ファイル簿に同条第一号に掲げる事項が記載された行政機関等匿名加工情報をその事業の用に供しようとする者は、行政機関の長等に対し、当該事業に関する提案をすることができる。


当該行政機関等匿名加工情報について第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結した者が、当該行政機関等匿名加工情報をその用に供する事業を変更しようとするときも、同様とする。

2項

第百十二条第二項 及び第三項 並びに第百十三条から第百十五条までの規定は、前項の提案について準用する。


この場合において、

第百十二条第二項
次に」とあるのは
第一号 及び第四号から第八号までに」と、

同項第四号
前号に掲げるもののほか、提案」とあるのは
「提案」と、

の作成に用いる第百十六条第一項の規定による加工の方法を特定する」とあるのは
「を特定する」と、

同項第八号
前各号」とあるのは
第一号 及び第四号から前号まで」と、

第百十四条第一項
次に」とあるのは
第一号 及び第四号から第七号までに」と、

同項第七号
前各号」とあるのは
第一号 及び前三号」と、

同条第二項
前項各号」とあるのは
前項第一号 及び第四号から第七号まで」と、

同条第三項
第一項各号」とあるのは
第一項第一号 及び第四号から第七号まで」と

読み替えるものとする。

1項

第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を行政機関の長と締結する者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

2項

前条第二項において準用する第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を行政機関の長と締結する者は、政令で定めるところにより、前項の政令で定める額を参酌して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

3項

第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を地方公共団体の機関と締結する者は、条例で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額を標準として条例で定める額の手数料を納めなければならない。

4項

前条第二項において準用する第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を地方公共団体の機関と締結する者は、条例で定めるところにより、前項の政令で定める額を参酌して政令で定める額を標準として条例で定める額の手数料を納めなければならない。

5項

第百十五条の規定(前条第二項において準用する場合を含む。第八項 及び次条において同じ。)により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を独立行政法人等と締結する者は、独立行政法人等の定めるところにより、利用料を納めなければならない。

6項

前項の利用料の額は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、独立行政法人等が定める。

7項

独立行政法人等は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。

8項

第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を地方独立行政法人と締結する者は、地方独立行政法人の定めるところにより、手数料を納めなければならない。

9項

前項の手数料の額は、実費を勘案し、かつ、第三項 又は第四項の条例で定める手数料の額を参酌して、地方独立行政法人が定める。

10項

地方独立行政法人は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。

1項

行政機関の長等は、第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結した者が次の各号いずれかに該当するときは、当該契約を解除することができる。

一 号
偽りその他不正の手段により当該契約を締結したとき。
二 号

第百十三条各号第百十八条第二項において準用する場合を含む。)のいずれかに該当することとなったとき。

三 号

当該契約において定められた事項について重大な違反があったとき。

1項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該行政機関等匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該行政機関等匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。

2項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報、第百九条第四項に規定する削除情報 及び第百十六条第一項の規定により行った加工の方法に関する情報(以下この条 及び次条において「行政機関等匿名加工情報等」という。)の漏えいを防止するために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、行政機関等匿名加工情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

3項

前二項の規定は、行政機関等から行政機関等匿名加工情報等の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

1項

行政機関等匿名加工情報等の取扱いに従事する行政機関等の職員 若しくは職員であった者、前条第三項の委託を受けた業務に従事している者 若しくは従事していた者 又は行政機関等において行政機関等匿名加工情報等の取扱いに従事している派遣労働者 若しくは従事していた派遣労働者は、その業務に関して知り得た行政機関等匿名加工情報等の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

1項

行政機関等は、匿名加工情報(行政機関等匿名加工情報を除く。以下この条において同じ。)を第三者に提供するときは、法令に基づく場合を除き、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、第三者に提供される匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目 及びその提供の方法について公表するとともに、当該第三者に対して、当該提供に係る情報が匿名加工情報である旨を明示しなければならない。

2項

行政機関等は、匿名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該個人情報から削除された記述等 若しくは個人識別符号 若しくは第四十三条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。

3項

行政機関等は、匿名加工情報の漏えいを防止するために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、匿名加工情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

4項

前二項の規定は、行政機関等から匿名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。