公認会計士に対する懲戒処分は、次の三種とする。
公認会計士法
第五章 公認会計士の責任
二年以内の業務の停止
公認会計士が、故意に、虚偽、錯誤 又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤 及び脱漏のないものとして証明した場合には、内閣総理大臣は、前条第二号 又は第三号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽、錯誤 又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽、錯誤 及び脱漏のないものとして証明した場合には、内閣総理大臣は、前条第一号 又は第二号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
監査法人が虚偽、錯誤 又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤 及び脱漏のないものとして証明した場合において、当該証明に係る業務を執行した社員である公認会計士に故意 又は相当の注意を怠つた事実があるときは、当該公認会計士について前二項の規定を準用する。
公認会計士がこの法律 若しくはこの法律に基づく命令に違反した場合 又は第三十四条の二の規定による指示に従わない場合には、内閣総理大臣は、第二十九条各号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
公認会計士が、著しく不当と認められる業務の運営を行つた場合には、内閣総理大臣は、第二十九条第一号 又は第二号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
公認会計士が会社 その他の者の財務書類について証明をした場合において、第三十条第一項 又は第二項に規定する場合に該当する事実があるときは、内閣総理大臣は、第三十四条の四十から第三十四条の六十二までに定める手続に従い、当該公認会計士に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
当該証明について第三十条第一項に規定する場合に該当する事実がある場合
当該証明を受けた当該会社 その他の者の財務書類に係る会計期間における報酬 その他の対価として政令で定める額(次号において「監査報酬相当額」という。)の一・五倍に相当する額
当該証明について第三十条第二項に規定する場合に該当する事実がある場合
監査報酬相当額
前項の規定にかかわらず、内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、同項の公認会計士に対して、同項の課徴金を納付させることを命じないことができる。
第三十条第一項に規定する場合に該当する事実がある場合において、当該公認会計士に対して同項の処分をする場合(同項の財務書類に係る虚偽、錯誤 又は脱漏が当該財務書類全体の信頼性に与える影響が比較的軽微であると認められる場合として内閣府令で定める場合に限る。)
第三十条第二項に規定する場合に該当する事実がある場合において、当該公認会計士に対して同項の処分をする場合(同項の相当の注意を著しく怠つた場合として内閣府令で定める場合を除く。)
当該公認会計士に対して第二十九条第二号に掲げる処分をする場合(第三十四条の十の四第四項に規定する被監査会社等との間で既に締結されている契約に基づく第二条第一項の業務として内閣府令で定めるものの停止を命ずる場合に限る。)
当該公認会計士に対して第二十九条第三号に掲げる処分をする場合
第一項の規定により計算した課徴金の額が一万円未満であるときは、課徴金の納付を命ずることができない。
第一項の規定により計算した課徴金の額に一万円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
第一項の規定による命令を受けた者は、同項の規定による課徴金を納付しなければならない。
何人も、公認会計士に第三十条 又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると思料するときは、内閣総理大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
前項に規定する報告があつたときは、内閣総理大臣は、事件について必要な調査をしなければならない。
内閣総理大臣は、公認会計士に第三十条 又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると思料するときは、職権をもつて、必要な調査をすることができる。
内閣総理大臣は、第三十条 又は第三十一条の規定により第二十九条第一号 又は第二号に掲げる懲戒の処分をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第三十条 又は第三十一条の規定による懲戒の処分は、聴聞を行つた後、相当な証拠により第三十条 又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると認めたときにおいて、公認会計士・監査審査会の意見を聴いて行う。
ただし、懲戒の処分が第四十一条の二の規定による勧告に基づくものである場合は、公認会計士・監査審査会の意見を聴くことを要しないものとする。
内閣総理大臣は、前条第二項(第四十六条の十第二項において準用する場合を含む。)又は第三項の規定により事件について必要な調査をするため、当該職員に次に掲げる処分をさせることができる。
前項の規定により出頭 又は鑑定を命ぜられた参考人 又は鑑定人は、政令の定めるところにより、旅費、日当 その他の費用を請求することができる。
内閣総理大臣は、事件について必要な調査をしたときは、その要旨を調書に記載し、かつ、前条に規定する処分があつたときは、特にその結果を明らかにしておかなければならない。
利害関係人は、内閣総理大臣に対し、前項の調書の縦覧を求め、又は内閣府令で定めるところにより実費を支弁して、その謄本 若しくは抄本の交付を求めることができる。
ただし、当該公認会計士 又はその代理人以外の者は、事件について懲戒処分 若しくは第三十四条の五十三第一項から第三項までの規定による決定がされ、又は懲戒処分をしない旨の決定 若しくは同条第六項の規定による決定があつた後でなければ、前項の調書の縦覧を求め、又はその謄本 若しくは抄本の交付を求めることができない。
内閣総理大臣は、第三十条 又は第三十一条の規定により懲戒の処分をしたときは、その旨を公告しなければならない。
内閣総理大臣は、公認会計士がこの法律 若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は公認会計士が行う第二条第一項の業務が著しく不当と認められる場合において、当該公認会計士が行う同項の業務の適正な運営を確保するために必要であると認められるときは、当該公認会計士に対し、必要な指示をすることができる。