困難な問題を抱える女性への支援に関する法律

# 令和四年法律第五十二号 #

第三章 女性相談支援センターによる支援等

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 04月20日 01時37分


1項
都道府県は、女性相談支援センターを設置しなければならない。
2項

地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)は、女性相談支援センターを設置することができる。

3項
女性相談支援センターは、困難な問題を抱える女性への支援に関し、主として次に掲げる業務を行うものとする。
一 号

困難な問題を抱える女性に関する各般の問題について、困難な問題を抱える女性の立場に立って相談に応ずること 又は第十一条第一項に規定する女性相談支援員 若しくは相談を行う機関を紹介すること。

二 号

困難な問題を抱える女性(困難な問題を抱える女性がその家族を同伴する場合にあっては、困難な問題を抱える女性 及びその同伴する家族。次号から第五号まで 及び第十二条第一項において同じ。)の緊急時における安全の確保 及び一時保護を行うこと。

三 号
困難な問題を抱える女性の心身の健康の回復を図るため、医学的 又は心理学的な援助 その他の必要な援助を行うこと。
四 号
困難な問題を抱える女性が自立して生活することを促進するため、就労の支援、住宅の確保、援護、児童の保育等に関する制度の利用等について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整 その他の援助を行うこと。
五 号
困難な問題を抱える女性が居住して保護を受けることができる施設の利用について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整 その他の援助を行うこと。
4項
女性相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、その支援の対象となる者の抱えている問題 及びその背景、心身の状況等を適切に把握した上で、その者の意向を踏まえながら、最適な支援を行うものとする。
5項
女性相談支援センターに、所長 その他所要の職員を置く。
6項

女性相談支援センターには、第三項第二号の一時保護を行う施設を設けなければならない。

7項

第三項第二号の一時保護は、緊急に保護することが必要と認められる場合 その他厚生労働省令で定める場合に、女性相談支援センターが、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うものとする。

8項

前項の規定による委託を受けた者 若しくはその役員 若しくは職員 又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、その委託を受けた業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

9項

第三項第二号の一時保護に当たっては、その対象となる者が監護すべき児童を同伴する場合には、当該児童の状況に応じて、当該児童への学習に関する支援が行われるものとする。

10項
女性相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、困難な問題を抱える女性への支援に関する活動を行う民間の団体との連携に努めるものとする。
11項

前各項に定めるもののほか、女性相談支援センターに関し必要な事項は、政令で定める。

1項

女性相談支援センターの所長は、困難な問題を抱える女性であって配偶者のないもの 又はこれに準ずる事情にあるもの 及びその者の監護すべき児童について、児童福祉法第六条の三第十八項に規定する妊産婦等生活援助事業の実施 又は同法第二十三条第二項に規定する母子保護の実施が適当であると認めたときは、これらの者を当該妊産婦等生活援助事業の実施 又は当該母子保護の実施に係る都道府県 又は市町村の長に報告し、又は通知しなければならない。

1項

都道府県(女性相談支援センターを設置する指定都市を含む。第二十条第一項第四号から第六号まで除く)並びに第二十二条第一項 及び第二項第一号において同じ。)は、困難な問題を抱える女性について、その発見に努め、その立場に立って相談に応じ、及び専門的技術に基づいて必要な援助を行う職務に従事する職員(以下「女性相談支援員」という。)を置くものとする。

2項

市町村(女性相談支援センターを設置する指定都市を除く第二十条第二項 及び第二十二条第二項第二号において同じ。)は、女性相談支援員を置くよう努めるものとする。

3項

女性相談支援員の任用に当たっては、その職務を行うのに必要な能力 及び専門的な知識経験を有する人材の登用に特に配慮しなければならない。

1項

都道府県は、困難な問題を抱える女性を入所させて、その保護を行うとともに、その心身の健康の回復を図るための医学的 又は心理学的な援助を行い、及びその自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談 その他の援助を行うこと(以下「自立支援」という。)を目的とする施設(以下「女性自立支援施設」という。)を設置することができる。

2項
都道府県は、女性自立支援施設における自立支援を、その対象となる者の意向を踏まえながら、自ら行い、又は市町村、社会福祉法人 その他適当と認める者に委託して行うことができる。
3項
女性自立支援施設における自立支援に当たっては、その対象となる者が監護すべき児童を同伴する場合には、当該児童の状況に応じて、当該児童への学習 及び生活に関する支援が行われるものとする。
1項
都道府県は、困難な問題を抱える女性への支援に関する活動を行う民間の団体と協働して、その自主性を尊重しつつ、困難な問題を抱える女性について、その意向に留意しながら、訪問、巡回、居場所の提供、インターネットの活用、関係機関への同行 その他の厚生労働省令で定める方法により、その発見、相談 その他の支援に関する業務を行うものとする。
2項

市町村は、困難な問題を抱える女性への支援に関する活動を行う民間の団体と協働して、その自主性を尊重しつつ、困難な問題を抱える女性について、その意向に留意しながら、前項の業務を行うことができる。

1項

民生委員法昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員、児童福祉法に定める児童委員、人権擁護委員法昭和二十四年法律第百三十九号)に定める人権擁護委員、保護司法昭和二十五年法律第二百四号)に定める保護司 及び更生保護事業法平成七年法律第八十六号)に定める更生保護事業を営む者は、この法律の施行に関し、女性相談支援センター 及び女性相談支援員に協力するものとする。

1項

地方公共団体は、単独で 又は共同して、困難な問題を抱える女性への支援を適切かつ円滑に行うため、関係機関、第九条第七項 又は第十二条第二項の規定による委託を受けた者、困難な問題を抱える女性への支援に関する活動を行う民間の団体 及び困難な問題を抱える女性への支援に従事する者 その他の関係者(以下この条において「関係機関等」という。)により構成される会議(以下この条において「支援調整会議」という。)を組織するよう努めるものとする。

2項
支援調整会議は、困難な問題を抱える女性への支援を適切かつ円滑に行うために必要な情報の交換を行うとともに、困難な問題を抱える女性への支援の内容に関する協議を行うものとする。
3項

支援調整会議は、前項に規定する情報の交換 及び協議を行うため必要があると認めるときは、関係機関等に対し、資料 又は情報の提供、意見の開陳 その他必要な協力を求めることができる。

4項

関係機関等は、前項の規定による求めがあった場合には、これに協力するよう努めるものとする。

5項

次の各号に掲げる支援調整会議を構成する関係機関等の区分に従い、当該各号に定める者は、正当な理由がなく、支援調整会議の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

一 号
国 又は地方公共団体の機関 当該機関の職員 又は職員であった者
二 号
法人 当該法人の役員 若しくは職員 又はこれらの者であった者
三 号

前二号に掲げる者以外の者 支援調整会議を構成する者 又は当該者であった者

6項

前各項に定めるもののほか、支援調整会議の組織 及び運営に関し必要な事項は、支援調整会議が定める。