国税徴収法

# 昭和三十四年法律第百四十七号 #

第三章 第二次納税義務

分類 法律
カテゴリ   国税
@ 施行日 : 令和六年一月一日 ( 2024年 1月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 22時26分


1項

税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、徴収しようとする金額、納付の期限 その他必要な事項を記載した納付通知書により告知しなければならない。


この場合においては、その者の住所 又は居所の所在地を所轄する税務署長に対しその旨を通知しなければならない。

2項

第二次納税義務者がその国税を前項の納付の期限までに完納しないときは、税務署長は、次項において準用する国税通則法第三十八条第一項 及び第二項繰上請求)の規定による請求をする場合を除き、納付催告書によりその納付を督促しなければならない。


この場合においては、その納付催告書は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その納付の期限から五十日以内に発するものとする。

3項

国税通則法第三十八条第一項 及び第二項同法第四章第一節納税の猶予)並びに同法第五十五条納付委託)の規定は、第一項の場合について準用する。

4項

第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き第一項の納税者の財産を換価に付した後でなければ、行うことができない。

5項

この章の規定は、第二次納税義務者から第一項の納税者に対してする求償権の行使を妨げない。

1項

合名会社 若しくは合資会社 又は税理士法人、弁護士法人、外国法事務弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人、弁理士法人、司法書士法人、行政書士法人、社会保険労務士法人 若しくは土地家屋調査士法人が国税を滞納した場合において、その財産につき滞納処分を執行してもなお その徴収すべき額に不足すると認められるときは、その社員(合資会社 及び監査法人にあつては、無限責任社員)は、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。


この場合において、その社員は、連帯してその責めに任ずる。

1項

法人が解散した場合において、その法人に課されるべき、又は その法人が納付すべき国税を納付しないで残余財産の分配 又は引渡しをしたときは、その法人に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算人 及び残余財産の分配 又は引渡しを受けた者(前条の規定の適用を受ける者を除く。以下 この項において同じ。)は、その滞納に係る国税につき第二次納税義務を負う。


ただし、清算人は分配 又は引渡しをした財産の価額の限度において、残余財産の分配 又は引渡しを受けた者は その受けた財産の価額の限度において、それぞれ その責めに任ずる。

2項

信託法平成十八年法律第百八号)第百七十五条(清算の開始原因)に規定する信託が終了した場合において、その信託に係る清算受託者(同法第百七十七条(清算受託者の職務)に規定する清算受託者をいう。以下 この項において同じ。)に課されるべき、又は その清算受託者が納付すべき国税(その納める義務が信託財産責任負担債務(同法第二条第九項(定義)に規定する信託財産責任負担債務をいう。)となるものに限る。以下 この項において同じ。)を納付しないで信託財産に属する財産を残余財産受益者等(同法第百八十二条第二項(残余財産の帰属)に規定する残余財産受益者等をいう。以下 この項において同じ。)に給付をしたときは、その清算受託者に対し滞納処分を執行してもなお その徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算受託者(信託財産に属する財産のみをもつて当該国税を納める義務を履行する責任を負う清算受託者に限る。以下 この項において「特定清算受託者」という。)及び残余財産受益者等は、その滞納に係る国税につき第二次納税義務を負う。


ただし、特定清算受託者は給付をした財産の価額の限度において、残余財産受益者等は給付を受けた財産の価額の限度において、それぞれ その責めに任ずる。

1項

滞納者がその者を判定の基礎となる株主 又は社員として選定した場合に法人税法昭和四十年法律第三十四号)第二条第十号(同族会社の定義)に規定する会社に該当する会社(以下「同族会社」という。)の株式 又は出資を有する場合において、その株式 又は出資につき次に掲げる理由があり、かつ、その者の財産(当該株式 又は出資を除く)につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められるときは、その有する当該株式 又は出資(当該滞納に係る国税の法定納期限(国税に関する法律の規定による国税の還付金の額に相当する税額を減少させる修正申告 又は更正により納付すべき国税 並びに当該国税に係る附帯税 及び滞納処分費については、その還付の基因となつた申告、更正 又は決定があつた日とし、過怠税については、その納税義務の成立の日とする。以下この章において同じ。)の一年以上前に取得したものを除く)の価額の限度において、当該会社は、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。

一 号
その株式 又は出資を再度換価に付してもなお買受人がないこと。
二 号
その株式 若しくは出資の譲渡につき法律 若しくは定款に制限があり、又は株券の発行がないため、これらを譲渡することにつき支障があること。
2項

前項の同族会社の株式 又は出資の価額は、第三十二条第一項第二次納税義務者への告知)の納付通知書を発する時における当該会社の資産の総額から 負債の総額を控除した額をその株式 又は出資の数で除した額を基礎として計算した額による。

3項

第一項の同族会社であるかどうかの判定は、第三十二条第一項の納付通知書を発する時の現況による。

1項

滞納者の次の各号に掲げる国税につき滞納処分を執行してもなお その徴収すべき額に不足すると認められるときは、第一号に定める者にあつては同号に規定する収益が生じた財産(その財産の異動により取得した財産 及び これらの財産に基因して取得した財産(以下 この条 及び次条において「取得財産」という。)を含む。)、第二号に定める者にあつては同号に規定する貸付けに係る財産(取得財産を含む。)、第三号に定める者にあつては その受けた利益の額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。

一 号

所得税法第十二条実質所得者課税の原則)若しくは第百五十八条事業所の所得の帰属の推定)又は法人税法第十一条(実質所得者課税の原則)の規定により課された国税 その国税の賦課の基因となつた収益が法律上帰属するとみられる者

二 号

消費税法昭和六十三年法律第百八号第十三条資産の譲渡等 又は特定仕入れを行つた者の実質判定)の規定により課された国税(同法第二条第一項第八号定義)に規定する貸付けに係る部分に限る) その国税の賦課の基因となつた当該貸付けを法律上行つたとみられる者

三 号

所得税法第百五十七条同族会社等の行為 又は計算の否認等)若しくは第百六十八条の二非居住者の恒久的施設帰属所得に係る行為 又は計算の否認)、法人税法第百三十二条(同族会社等の行為 又は計算の否認)、第百三十二条の二(組織再編成に係る行為 又は計算の否認)、第百三十二条の三(通算法人に係る行為 又は計算の否認)若しくは第百四十七条の二(外国法人の恒久的施設帰属所得に係る行為 又は計算の否認)、相続税法第六十四条同族会社等の行為 又は計算の否認等)又は地価税法平成三年法律第六十九号)第三十二条(同族会社等の行為 又は計算の否認等)の規定により課された国税 これらの規定により否認された納税者の行為(否認された計算の基礎となつた行為を含む。)につき利益を受けたものとされる者

1項

次の各号に掲げる者が納税者の事業の遂行に欠くことができない重要な財産を有し、かつ、当該財産に関して生ずる所得が納税者の所得となつている場合において、その納税者がその供されている事業に係る国税を滞納し、その国税につき滞納処分を執行してもなお その徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該各号に掲げる者は、当該財産(取得財産を含む。)を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。

一 号

納税者が個人である場合

その者と生計を一にする配偶者 その他の親族でその納税者の経営する事業から所得を受けているもの

二 号

納税者がその事実のあつた時の現況において同族会社である場合

その判定の基礎となつた株主 又は社員

1項

納税者が生計を一にする親族 その他納税者と特殊な関係のある個人 又は被支配会社(当該納税者を判定の基礎となる株主 又は社員として選定した場合に法人税法第六十七条第二項(特定同族会社の特別税率)に規定する会社に該当する会社をいい、これに類する法人を含む。)で政令で定めるものに事業を譲渡し、かつ、その譲受人が同一 又は類似の事業を営んでいる場合において、その納税者が当該事業に係る国税を滞納し、その国税につき滞納処分を執行してもなお その徴収すべき額に不足すると認められるときは、その譲受人は、譲受財産の価額の限度において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。


ただし、その譲渡が滞納に係る国税の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。

1項

滞納者の国税につき滞納処分の執行(租税条約等(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第二条第二号(定義)に規定する租税条約等をいう。)の規定に基づく当該租税条約等の相手国等(同条第三号に規定する相手国等をいう。)に対する共助対象国税(同法第十一条の二第一項(国税の徴収の共助)に規定する共助対象国税をいう。)の徴収の共助(第百五十三条第一項第一号滞納処分の停止の要件等)並びに第百八十七条第一項 及び第二項罰則)において「租税条約等の相手国等に対する共助対象国税の徴収の共助」という。)の要請をした場合には、当該要請による徴収を含む。)をしてもなお その徴収すべき額に不足すると認められる場合において、その不足すると認められることが、当該国税の法定納期限の一年前の日以後に、滞納者がその財産につき行つた政令で定める無償 又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、これらの処分により権利を取得し、又は義務を免れた者は、これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族 その他滞納者と特殊な関係のある個人 又は同族会社(これに類する法人を含む。)で政令で定めるもの(第五十八条第一項第三者が占有する動産等の差押手続)及び第百四十二条第二項第二号捜索の権限 及び方法)において「親族 その他の特殊関係者」という。)であるときは、これらの処分により受けた利益の限度)において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。

1項

人格のない社団等が国税を滞納した場合において、これに属する財産(第三者が名義人となつているため、その者に法律上帰属するとみられる財産を除く)につき滞納処分を執行してもなお その徴収すべき額に不足すると認められるときは、その第三者は、その法律上帰属するとみられる財産を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。

2項

滞納者である人格のない社団等の財産の払戻 又は分配をした場合(第三十四条清算人等の第二次納税義務)の規定の適用がある場合を除く)において、当該社団等(前項に規定する第三者を含む。)につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該払戻 又は分配を受けた者は、その受けた財産の価額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。


ただし、その払戻 又は分配が滞納に係る国税の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。