国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律

# 平成二十五年法律第四十八号 #
略称 : ハーグ条約実施法 

第五章 家事事件の手続に関する特則

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


第一節 子の返還申立事件に係る家事調停の手続等

1項

家庭裁判所 及び高等裁判所は、当事者の同意を得て、いつでも、職権で、子の返還申立事件を家事調停に付することができる。

1項

裁判所は、の規定により事件を家事調停に付する場合においては、家事調停事件を自ら処理しなければならない。


ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を当該裁判所以外の家庭裁判所(に定める家庭裁判所に限る)に処理させることができる。

2項

の規定は、の規定により事件を家事調停に付した場合の家事調停事件の手続における手続上の行為をすることができる能力について準用する。

3項

の規定により事件を家事調停に付した場合において、当事者間に子の返還の合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、子の返還の合意に係る記載部分は、の規定にかかわらず、確定した子の返還を命ずる終局決定と同一の効力を有する。

4項

の規定により事件を家事調停に付した場合の家事調停事件の手続においてされたの規定による審判(の規定により読み替えて適用されるの規定による調停に代わる審判に代わる裁判を含む。以下この項 及びにおいて「調停に代わる審判」という。)について、の規定による異議の申立てがないとき、又は異議の申立てを却下する審判(の規定により読み替えて適用されるに規定する異議の申立てを却下する審判に代わる裁判を含む。)が確定したときは、当該調停に代わる審判のうち子の返還を命ずる部分は、の規定にかかわらず、確定した子の返還を命ずる終局決定と同一の効力を有する。

1項

裁判所がの規定により事件を家事調停に付したときは、当該裁判所は、家事調停事件が終了するまで子の返還申立事件の手続を中止することができる。

1項

裁判所がの規定により事件を家事調停に付した場合において、調停が成立し、又は調停に代わる審判が確定したときは、子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなす。

第二節 面会その他の交流についての家事審判及び家事調停の手続等に関する特則

1項

外国返還援助決定 若しくは日本国面会交流援助決定を受けた者 又は子の返還の申立てをした者が、子との面会 その他の交流の定めをすること 又はその変更を求める家事審判 又は家事調停の申立てをする場合において、次の各号に掲げるときには、当該各号に定める家庭裁判所にも、これらの申立てをすることができる。

一 号

子の住所地(日本国内に子の住所がないとき、又は住所が知れないときは、その居所地。次号において同じ。)が東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所 又は札幌高等裁判所の管轄区域内にあるとき

東京家庭裁判所

二 号

子の住所地が大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所 又は高松高等裁判所の管轄区域内にあるとき

大阪家庭裁判所

2項

前項の申立てに係る審判事件 及び調停事件は、日本国内に子の住所がない場合 又は住所が知れない場合であって、日本国内に子の居所がないとき 又は居所が知れないときは、東京家庭裁判所の管轄に属する。

1項

子との面会 その他の交流の定めをすること 又はその変更を求める家事審判の申立てに係る事件の記録中に住所等表示部分がある場合には、裁判所は、当該住所等表示部分については、の規定にかかわらずの申立てに係る許可をしないものとする。


ただしに掲げる場合のいずれかに該当するときは、この限りでない。

2項

子との面会 その他の交流について定め、又はその変更について定める審判書 又は調停調書の正本に基づく強制執行の申立てに係る事件の記録中にに係る部分に限る)の規定により外務大臣から提供を受けた情報が記載され、又は記録されたものがある場合には、当該事件の記録の閲覧、謄写 若しくは複製、その正本、謄本 若しくは抄本の交付 又は当該事件に関する事項の証明書の交付の請求については、の規定を準用する。