この法律は、地方公共団体が処理する事務のうち特定のものを郵便局(日本郵便株式会社の営業所であって、簡易郵便局法(昭和二十四年法律第二百十三号)第二条に規定する郵便窓口業務を行うものをいう。以下同じ。)において取り扱うための措置を講ずることにより、住民の利便の増進を図るとともに、地方公共団体の組織 及び運営の合理化に資することを目的とする。
地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律
地方公共団体は、次に掲げる当該地方公共団体の事務を、当該地方公共団体において取り扱うほか、次条第一項の規定により当該地方公共団体が指定した郵便局において取り扱わせることができる。
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条第一項(同法第四条において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。)の規定に基づく戸籍謄本等(同項の戸籍謄本等 又は同法第百二十条第一項(同法第四条において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。)の戸籍証明書をいう。以下 この号において同じ。)の交付 若しくは同法第百二十条の三第一項(同法第四条において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。)の戸籍電子証明書の提供(いずれも戸籍に記載され、又は記録されている者に対するものに限る。)又は同法第十二条の二(同法第四条において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。)において準用する同法第十条第一項の規定に基づく除籍謄本等(同法第十二条の二の除籍謄本等 又は同法第百二十条第一項の除籍証明書をいう。以下 この号において同じ。)の交付 若しくは同法第百二十条の三第一項の除籍電子証明書の提供(いずれも除かれた戸籍に記載され、又は記録されている者に対するものに限る。)の請求の受付 及び当該請求に係る戸籍謄本等の引渡し 若しくは同法第百二十条の三第二項(同法第四条において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。)の戸籍電子証明書提供用識別符号の提供 又は除籍謄本等の引渡し 若しくは同法第百二十条の三第二項の除籍電子証明書提供用識別符号の提供
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十条の十の規定に基づく同条の証明書(以下 この号において「納税証明書」という。)の交付の請求の受付 及び当該請求に係る納税証明書の引渡し
住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項の規定に基づく同項の住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書(以下 この号において「住民票の写し等」という。)の交付 又は同法第十五条の四第一項の規定に基づく同項の除票の写し若しくは除票記載事項証明書(以下 この号において「除票の写し等」という。)の交付の請求の受付 及び当該請求に係る住民票の写し等 又は除票の写し等の引渡し
住民基本台帳法第二十条第一項の規定に基づく同項の戸籍の附票の写し(以下 この号において「戸籍の附票の写し」という。)の交付(当該戸籍の附票に記録されている者に対するものに限る。)又は同法第二十一条の三第一項の規定に基づく同項の戸籍の附票の除票の写し(以下 この号において「戸籍の附票の除票の写し」という。)の交付(当該戸籍の附票の除票に記載されている者に対するものに限る。)の請求の受付 及び当該請求に係る戸籍の附票の写し又は戸籍の附票の除票の写しの引渡し
電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項の規定に基づく同項の個人番号カード用署名用電子証明書(以下 この号において「個人番号カード用署名用電子証明書」という。)の発行の申請の受付、同条第三項の署名利用者確認のための書類の受付 及び当該申請に係る個人番号カード用署名用電子証明書を記録した同条第四項の個人番号カードの引渡し 並びに同法第九条第一項の規定に基づく個人番号カード用署名用電子証明書の失効を求める旨の申請の受付 及び同条第二項において準用する同法第三条第三項の署名利用者確認のための書類の受付
電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律第二十二条第一項の規定に基づく同項の個人番号カード用利用者証明用電子証明書(以下 この号において「個人番号カード用利用者証明用電子証明書」という。)の発行の申請の受付、同条第三項の利用者証明利用者確認のための書類の受付 及び当該申請に係る個人番号カード用利用者証明用電子証明書を記録した同条第四項の個人番号カードの引渡し 並びに同法第二十八条第一項の規定に基づく個人番号カード用利用者証明用電子証明書の失効を求める旨の申請の受付 及び同条第二項において準用する同法第二十二条第三項の利用者証明利用者確認のための書類の受付
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第十七条第一項の規定に基づく同法第二条第七項の個人番号カード(以下 この号 及び次号において「個人番号カード」という。)の交付の申請の受付 及び当該申請に係る個人番号カードの引渡し、同法第十七条第四項の規定に基づく同項の届出の受付、当該届出に係る個人番号カードの受付 及び同項において準用する同条第三項の返還に係る個人番号カードの引渡し、同条第五項の規定に基づく同項の届出の受付 並びに同条第七項の規定に基づく個人番号カードの返納の受付
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第十七条第一項の規定に基づく個人番号カードの交付に当たり、市町村長(特別区の区長を含む。以下この号において同じ。)が電子情報処理組織(当該市町村長の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下 この号において同じ。)と当該郵便局の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いて映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話することができる方法によって本人確認の措置(同項後段の措置をいう。以下 この号 及び次条第一項において同じ。)を行う場合における当該本人確認の措置に係る書類の受付 及び個人番号カードの交付の申請をした者が当該本人確認の措置を受けるために必要な連絡 その他の事務
市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長 又は区長 若しくは総合区長とする。次号において同じ。)が作成する印鑑に関する証明書(以下この号において「印鑑登録証明書」という。)の交付(当該印鑑登録証明書に記載されている者に対するものに限る。)の請求の受付 及び当該請求に係る印鑑登録証明書の引渡し
地方公共団体は、前条各号に掲げる事務を郵便局において取り扱わせようとするときは、次に掲げる基準に適合する郵便局を指定するものとする。
その人的構成に照らして、前条各号に掲げる事務のうち郵便局において取り扱う事務(以下「郵便局取扱事務」という。)を適正かつ確実に実施することができる知識 及び能力を有していること。
郵便局取扱事務を適正かつ確実に実施するために必要な施設 及び設備(前条第九号に掲げる事務にあっては、本人確認の措置を適正かつ確実に行うために必要な施設 及び設備を含む。)として総務省令で定める施設 及び設備を備えていること。
個人情報の適正な取扱いを確保するための措置 その他郵便局取扱事務を適正かつ確実に実施するために必要な措置(前条第九号に掲げる事務にあっては、本人確認の措置を適正かつ確実に行うために必要な措置を含む。)として総務省令で定める措置が講じられていること。
地方公共団体は、前項の規定により郵便局を指定しようとするときは、当該郵便局の名称、当該郵便局の郵便局取扱事務 及び当該郵便局取扱事務を取り扱う期間を明らかにして、あらかじめ、日本郵便株式会社に協議しなければならない。
地方公共団体は、前項の規定による協議が調い、第一項の規定により郵便局を指定しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
地方公共団体は、第一項の規定により郵便局を指定したときは、その旨、当該郵便局の名称、当該郵便局の郵便局取扱事務 及び当該郵便局取扱事務を取り扱う期間を周知するよう努めなければならない。
地方公共団体は、日本郵便株式会社との協議により、第一項の規定により指定した郵便局(以下「事務取扱郵便局」という。)の郵便局取扱事務 若しくは郵便局取扱事務を取り扱う期間を変更し、又は同項の規定による指定を取り消すことができる。
この場合においては、前二項の規定を準用する。
地方公共団体の長は、事務取扱郵便局が次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項の規定による指定を取り消し、又は期間を定めて当該事務取扱郵便局の郵便局取扱事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
前条第一項各号に掲げる基準を満たさなくなったと認められるとき。
前項の規定による指示に違反したとき。
地方公共団体の長は、前項の規定により事務取扱郵便局の指定を取り消したときはその旨 及び当該事務取扱郵便局の名称を、同項の規定により事務取扱郵便局の郵便局取扱事務の全部 又は一部の停止を命じたときはその旨、当該事務取扱郵便局の名称、当該停止を命じた郵便局取扱事務 及び当該停止を命じた期間を、周知するよう努めなければならない。
日本郵便株式会社は、事務取扱郵便局の職員が郵便局取扱事務に関して知り得た情報を当該郵便局取扱事務の取扱い以外の目的のために利用することを防止するために、必要な措置を講じなければならない。
郵便局取扱事務に従事する事務取扱郵便局の職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この法律に規定するもののほか、郵便局取扱事務の取扱いに関し必要な事項は、総務省令(第二条第一号 又は第四号に掲げる事務に係る事項については、総務省令・法務省令)で定める。
第六条第一項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。