地方自治法

# 昭和二十二年法律第六十七号 #
略称 : 地自法 

第一節 大都市に関する特例

分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和六年六月二十六日 ( 2024年 6月26日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第六十五号による改正
最終編集日 : 2024年 11月07日 11時44分


1項

政令で指定する人口五十万以上の市(以下「指定都市」という。)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律 又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部 又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。

一 号

児童福祉に関する事務

二 号

民生委員に関する事務

三 号

身体障害者の福祉に関する事務

四 号

生活保護に関する事務

五 号

行旅病人 及び行旅死亡人の取扱に関する事務

五の二 号

社会福祉事業に関する事務

五の三 号

知的障害者の福祉に関する事務

六 号

母子家庭 及び父子家庭 並びに寡婦の福祉に関する事務

六の二 号

老人福祉に関する事務

七 号

母子保健に関する事務

七の二 号

介護保険に関する事務

八 号

障害者の自立支援に関する事務

八の二 号

生活困窮者の自立支援に関する事務

九 号

食品衛生に関する事務

九の二 号

医療に関する事務

十 号

精神保健 及び精神障害者の福祉に関する事務

十一 号

結核の予防に関する事務

十一の二 号

難病の患者に対する医療等に関する事務

十二 号

土地区画整理事業に関する事務

十三 号

屋外広告物の規制に関する事務

2項

指定都市がその事務を処理するに当たつて、法律 又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事 若しくは都道府県の委員会の許可、認可、承認 その他これらに類する処分を要し、又はその事務の処理について都道府県知事 若しくは都道府県の委員会の改善、停止、制限、禁止 その他これらに類する指示 その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの許可、認可等の処分を要せず、若しくはこれらの指示 その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事 若しくは都道府県の委員会の許可、認可等の処分 若しくは指示 その他の命令に代えて、各大臣の許可、認可等の処分を要するものとし、若しくは各大臣の指示 その他の命令を受けるものとする。

1項

指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所 又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。

2項

区の事務所 又はその出張所の位置、名称 及び所管区域 並びに区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。

3項

区にその事務所の長として区長を置く。

4項

区長 又は区の事務所の出張所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて充てる。

5項

区に選挙管理委員会を置く。

6項

第四条第二項の規定は第二項の区の事務所 又はその出張所の位置 及び所管区域に、第百七十五条第二項の規定は区長 又は第四項の区の事務所の出張所の長に、第二編第七章第三節中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について、これを準用する。

7項

指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区ごとに区地域協議会を置くことができる。


この場合において、その区域内に地域自治区が設けられる区には、区地域協議会を設けないことができる。

8項

第二百二条の五第二項から第五項まで 及び第二百二条の六から第二百二条の九までの規定は、区地域協議会に準用する。

9項

指定都市は、地域自治区を設けるときは、その区域は、区の区域を分けて定めなければならない。

10項

第七項の規定に基づき、区に区地域協議会を置く指定都市は、第二百二条の四第一項の規定にかかわらず、その一部の区の区域に地域自治区を設けることができる。

11項

前各項に定めるもののほか、指定都市の区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

1項

指定都市は、その行政の円滑な運営を確保するため必要があると認めるときは、前条第一項の規定にかかわらず、市長の権限に属する事務のうち特定の区の区域内に関するものを第八項の規定により総合区長に執行させるため、条例で、当該区に代えて総合区を設け、総合区の事務所 又は必要があると認めるときはその出張所を置くことができる。

2項

総合区の事務所 又はその出張所の位置、名称 及び所管区域 並びに総合区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。

3項

総合区にその事務所の長として総合区長を置く。

4項

総合区長は、市長が議会の同意を得てこれを選任する。

5項

総合区長の任期は、四年とする。


ただし、市長は、任期中においてもこれを解職することができる。

6項

総合区の事務所の職員のうち、総合区長があらかじめ指定する者は、総合区長に事故があるとき 又は総合区長が欠けたときは、その職務を代理する。

7項

第百四十一条第百四十二条第百五十九条第百六十四条第百六十五条第二項第百六十六条第一項 及び第三項 並びに第百七十五条第二項の規定は、総合区長について準用する。

8項

総合区長は、総合区の区域に係る政策 及び企画をつかさどるほか、法律 若しくはこれに基づく政令 又は条例により総合区長が執行することとされた事務 及び市長の権限に属する事務のうち主として総合区の区域内に関するもので次に掲げるものを執行し、これらの事務の執行について当該指定都市を代表する。


ただし、法律 又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合は、この限りでない。

一 号

総合区の区域に住所を有する者の意見を反映させて総合区の区域のまちづくりを推進する事務(法律 若しくはこれに基づく政令 又は条例により市長が執行することとされたものを除く

二 号

総合区の区域に住所を有する者相互間の交流を促進するための事務(法律 若しくはこれに基づく政令 又は条例により市長が執行することとされたものを除く

三 号

社会福祉 及び保健衛生に関する事務のうち総合区の区域に住所を有する者に対して直接提供される役務に関する事務(法律 若しくはこれに基づく政令 又は条例により市長が執行することとされたものを除く

四 号

前三号に掲げるもののほか、主として総合区の区域内に関する事務で条例で定めるもの

9項

総合区長は、総合区の事務所 又はその出張所の職員(政令で定めるものを除く)を任免する。


ただし、指定都市の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、市長の同意を得なければならない。

10項

総合区長は、歳入歳出予算のうち総合区長が執行する事務に係る部分に関し必要があると認めるときは、市長に対し意見を述べることができる。

11項

総合区に選挙管理委員会を置く。

12項

第四条第二項の規定は第二項の総合区の事務所 又はその出張所の位置 及び所管区域について、第百七十五条第二項の規定は総合区の事務所の出張所の長について、第二編第七章第三節中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について準用する。

13項

前条第七項から第十項までの規定は、総合区について準用する。

14項

前各項に定めるもののほか、指定都市の総合区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

1項

法律 又はこれに基づく政令に定めるもののほか第二百五十二条の十九第一項の規定による指定都市の指定があつた場合において必要な事項は、政令でこれを定める。

1項

指定都市 及び当該指定都市を包括する都道府県(以下 この条から第二百五十二条の二十一の四までにおいて「包括都道府県」という。)は、指定都市 及び包括都道府県の事務の処理について必要な協議を行うため、指定都市都道府県調整会議を設ける。

2項

指定都市都道府県調整会議は、次に掲げる者をもつて構成する。

一 号

指定都市の市長

二 号

包括都道府県の知事

3項

指定都市の市長 及び包括都道府県の知事は、必要と認めるときは、協議して、指定都市都道府県調整会議に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。

一 号

指定都市の市長以外の指定都市の執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員 若しくは当該執行機関の事務を補助する職員 又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者

二 号

指定都市の市長がその補助機関である職員のうちから選任した者

三 号

指定都市の議会が当該指定都市の議会の議員のうちから選挙により選出した者

四 号

包括都道府県の知事以外の包括都道府県の執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員 若しくは当該執行機関の事務を補助する職員 又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者

五 号

包括都道府県の知事がその補助機関である職員のうちから選任した者

六 号

包括都道府県の議会が当該包括都道府県の議会の議員のうちから選挙により選出した者

七 号

学識経験を有する者

4項

指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、指定都市の市長 又は包括都道府県の知事以外の執行機関の権限に属する事務の処理について、指定都市都道府県調整会議における協議を行う場合には、指定都市都道府県調整会議に、当該執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員 若しくは当該執行機関の事務を補助する職員 又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者を構成員として加えるものとする。

5項

指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、第二条第六項 又は第十四項の規定の趣旨を達成するため必要があると認めるときは、指定都市の市長にあつては包括都道府県の事務に関し当該包括都道府県の知事に対して、包括都道府県の知事にあつては指定都市の事務に関し当該指定都市の市長に対して、指定都市都道府県調整会議において協議を行うことを求めることができる。

6項

前項の規定による求めを受けた指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、当該求めに係る協議に応じなければならない。

7項

前各項に定めるもののほか、指定都市都道府県調整会議に関し必要な事項は、指定都市都道府県調整会議が定める。

1項

指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、前条第五項の規定による求めに係る協議を調えるため必要があると認めるときは、総務大臣に対し、文書で、当該指定都市 及び包括都道府県の事務の処理に関し当該協議を調えるため必要な勧告を行うことを求めることができる。

2項

指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、前項の規定による勧告の求め(以下 この条 及び次条において「勧告の求め」という。)をしようとするときは、あらかじめ、当該指定都市 又は包括都道府県の議会の議決を経なければならない。

3項

指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、勧告の求めをしようとするときは、指定都市の市長にあつては包括都道府県の知事、包括都道府県の知事にあつては指定都市の市長に対し、その旨をあらかじめ通知しなければならない。

4項

勧告の求めをした指定都市の市長 又は包括都道府県の知事は、総務大臣の同意を得て、当該勧告の求めを取り下げることができる。

5項

総務大臣は、勧告の求めがあつた場合においては、これを国の関係行政機関の長に通知するとともに、次条第二項の規定により指定都市都道府県勧告調整委員を任命し、当該勧告の求めに係る総務大臣の勧告について意見を求めなければならない。

6項

前項の規定により通知を受けた国の関係行政機関の長は、総務大臣に対し、文書で、当該勧告の求めについて意見を申し出ることができる。

7項

総務大臣は、前項の意見の申出があつたときは、当該意見を指定都市都道府県勧告調整委員に通知するものとする。

8項

総務大臣は、指定都市都道府県勧告調整委員から意見が述べられたときは、遅滞なく、指定都市の市長 及び包括都道府県の知事に対し、第二条第六項 又は第十四項の規定の趣旨を達成するため必要な勧告をするとともに、当該勧告の内容を国の関係行政機関の長に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

1項

指定都市都道府県勧告調整委員は、前条第五項の規定による総務大臣からの意見の求めに応じ、総務大臣に対し、勧告の求めがあつた事項に関して意見を述べる。

2項

指定都市都道府県勧告調整委員は、三人とし、事件ごとに、優れた識見を有する者のうちから、総務大臣がそれぞれ任命する。

3項

指定都市都道府県勧告調整委員は、非常勤とする。

4項

指定都市都道府県勧告調整委員は、勧告の求めをした指定都市の市長 若しくは包括都道府県の知事が前条第四項の規定により勧告の求めを取り下げたとき又は同条第五項の規定による総務大臣からの意見の求めに応じ、総務大臣に対し、勧告の求めがあつた事項に関して意見を述べたときは、その職を失う。

5項

総務大臣は、指定都市都道府県勧告調整委員が当該事件に直接利害関係を有することとなつたときは、当該指定都市都道府県勧告調整委員を罷免しなければならない。

6項

第二百五十条の九第二項第八項第九項第二号除く)及び第十項から第十四項までの規定は、指定都市都道府県勧告調整委員に準用する。


この場合において、

同条第二項
三人以上」とあるのは
二人以上」と、

同条第九項
総務大臣は、両議院の同意を得て」とあるのは
「総務大臣は」と、

三人以上」とあるのは
二人以上」と、

二人」とあるのは
一人」と、

同条第十項
二人」とあるのは
一人」と、

同条第十一項
両議院の同意を得て、その委員を」とあるのは
「その指定都市都道府県勧告調整委員を」と、

同条第十二項
第四項後段 及び第八項から前項まで」とあるのは
第八項第九項第二号除く)、第十項 及び前項 並びに第二百五十二条の二十一の四第五項」と

読み替えるものとする。

1項

前二条に規定するもののほか第二百五十二条の二十一の三第一項に規定する総務大臣の勧告に関し必要な事項は、政令で定める。