外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律
第三章 外国法事務弁護士となる資格
第一節 法務大臣による承認
弁護士法第七条の規定は、外国法事務弁護士となる資格について準用する。
第九条の規定による承認(以下「承認」という。)を受けようとする者は、氏名、生年月日、国籍、住所、外国弁護士となる資格を取得した年月日、その資格を取得した外国(次条において「資格取得国」という。)の国名、当該外国弁護士の名称 その他の法務省令で定める事項を記載した承認申請書を法務大臣に提出しなければならない。
前項の承認申請書には、外国弁護士となる資格を取得したことを証する書類、次条第一項各号に掲げる基準に適合することを証する書類 その他の法務省令で定める書類を添付しなければならない。
法務大臣は、前条第一項の規定による申請をした者(以下「承認申請者」という。)が次に掲げる基準に適合するものでなければ、承認をすることができない。
外国弁護士となる資格を有し、かつ、その資格を取得した後三年以上資格取得国において外国弁護士として職務を行つた経験(資格取得国における外国弁護士が資格取得国以外の外国において外国弁護士となる資格を基礎として資格取得国の法に関する法律事務を行う業務に従事した経験を含む。)を有すること。
禁錮以上の刑に相当する外国の法令による刑に処せられた者
弁護士法第七条第三号に規定する処分に相当する外国の法令による処分を受け、その処分を受けた日から三年を経過しない者
前項第一号の規定の適用については、外国弁護士となる資格を有する者がその資格を取得した後に国内において弁護士、弁護士法人、外国法事務弁護士、外国法事務弁護士法人 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に雇用され、かつ、当該弁護士、当該弁護士法人、当該外国法事務弁護士、当該外国法事務弁護士法人 又は当該弁護士・外国法事務弁護士共同法人に対し資格取得国の法に関する知識に基づいて行つた労務の提供は、通算して二年を限度として資格取得国において外国弁護士として行つた職務の経験とみなす。
法務大臣は、承認申請者が第一項各号に掲げる基準に適合するものである場合においても、次の各号のいずれかに掲げる事情があるときでなければ、承認をすることができない。
弁護士となる資格を有する者に対し第一項第一号の外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われていること。
弁護士となる資格を有する者に対し第一項第一号の外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われていない場合においては、そのことを理由に承認をしないことが条約 その他の国際約束の誠実な履行を妨げることとなること。
法務大臣は、承認をする場合には、あらかじめ、日本弁護士連合会の意見を聴かなければならない。
法務大臣は、承認をしたときは、遅滞なく、その旨を承認申請者 及び日本弁護士連合会に書面で通知するとともに、官報で告示しなければならない。
承認は、前項の告示があつた日からその効力を生ずる。
承認を受けた者が、前条第一項の規定による告示の日の翌日から起算して六箇月以内に、又は第三十条の規定による請求により登録の取消しを受けた日の翌日から起算して六箇月以内に、第二十六条第一項の規定による請求をしなかつたときは、その承認は、その効力を失う。
法務大臣は、承認を受けた者に対し、必要があると認めるときは、第十二条第一項各号に掲げる基準に係る事項 又は弁護士となる資格を有する者に対する原資格国における取扱いに関する事項について、報告 又は資料の提出を求めることができる。
法務大臣は、承認を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その承認を取り消さなければならない。
第十条において準用する弁護士法第七条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたとき。
第二十七条の規定により登録が拒絶されたとき。
第三十一条第二項の規定により登録が取り消されたとき。
法務大臣は、承認を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その承認を取り消すことができる。
第十一条第一項の承認申請書 又は同条第二項の添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けていることが判明したとき。
第十二条第一項第二号に掲げる基準に適合しなくなつたとき。
第十二条第一項各号に掲げる基準に係る事項について、前条第一項の報告 若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告 若しくは資料の提出をしたとき。
法務大臣は、承認後に次の各号のいずれかに掲げる事情が生じているときは、当該各号に規定する外国を原資格国として承認を受けた者に対し、その承認を取り消すことができる。
弁護士となる資格を有する者に対し外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われなくなり、そのことを理由に承認を取り消すことが条約 その他の国際約束の誠実な履行を妨げることとならないこと。
第十二条第四項 及び第十三条の規定は、前三項の規定による承認の取消しについて準用する。
第二節 特定外国法の指定
法務大臣は、承認を受けた者が次の各号に掲げる条件のいずれかに該当するときは、その者に対し、特定外国法を指定することができる。
特定外国の外国弁護士となる資格を有する者と同程度に当該特定外国の法に関する学識を有し、かつ、その法に関する法律事務の取扱いについて五年以上の実務経験を有する者であること。
第十二条第四項 及び第十三条の規定は、前項の規定による指定について準用する。
承認を受けた者が前条第一項の規定による指定(以下「指定」という。)を受けようとするときは、指定申請書を法務大臣に提出しなければならない。
前項の指定申請書には、前条第一項各号に掲げる条件のいずれかに該当することを証する書類 その他の法務省令で定める書類を添付しなければならない。
承認がその効力を失い、又は取り消されたときは、指定は、その効力を失う。
指定を受けた者が第十七条第二項において準用する第十三条第一項の規定による告示の日の翌日から起算して六箇月以内に第三十四条第一項の規定による請求をしなかつたときも、同様とする。
法務大臣は、指定を受けた者に対し、必要があると認めるときは、第十七条第一項各号に掲げる条件に係る事項について、報告 又は資料の提出を求めることができる。
第十五条第二項の規定は、指定に関する事務の処理について準用する。
法務大臣は、指定を受けた者が第十七条第一項第一号の資格を失つたときは、その指定を取り消さなければならない。
法務大臣は、指定を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その指定を取り消すことができる。
第十八条第一項の指定申請書 又は同条第二項の添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けていることが判明したとき。
前条第一項の報告 若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告 若しくは資料の提出をしたとき。
第十二条第四項 及び第十三条の規定は、前二項の規定による指定の取消しについて準用する。