宗教法人法

# 昭和二十六年法律第百二十六号 #

第九章 補則

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 12時44分


1項

宗教団体は、その包括する宗教法人と当該宗教団体との被包括関係の廃止を防ぐことを目的として、又はこれを企てたことを理由として、第二十六条第三項第三十六条において準用する場合を含む。)の規定による通知前に 又はその通知後二年間においては、当該宗教法人の代表役員、責任役員 その他の役員 又は規則で定めるその他の機関の地位にある者を解任し、これらの者の権限に制限を加え、その他これらの者に対し不利益の取扱をしてはならない。

2項

前項の規定に違反してした行為は、無効とする。

3項

宗教法人は、他の宗教団体との被包括関係を廃止した場合においても、その関係の廃止前に原因を生じた当該宗教団体に対する債務の履行を免かれることができない。

1項

所轄庁は、宗教法人について次の各号の一に該当する疑いがあると認めるときは、この法律を施行するため必要な限度において、当該宗教法人の業務 又は事業の管理運営に関する事項に関し、当該宗教法人に対し報告を求め、又は当該職員に当該宗教法人の代表役員、責任役員 その他の関係者に対し質問させることができる。


この場合において、当該職員が質問するために当該宗教法人の施設に立ち入るときは、当該宗教法人の代表役員、責任役員 その他の関係者の同意を得なければならない。

一 号

当該宗教法人が行う公益事業以外の事業について第六条第二項の規定に違反する事実があること。

二 号

第十四条第一項 又は第三十九条第一項の規定による認証をした場合において、当該宗教法人について第十四条第一項第一号 又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていること

三 号

当該宗教法人について第八十一条第一項第一号から第四号までの一に該当する事由があること。

2項

前項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させようとする場合においては、所轄庁は、当該所轄庁が文部科学大臣であるときはあらかじめ宗教法人審議会に諮問してその意見を聞き、当該所轄庁が都道府県知事であるときはあらかじめ文部科学大臣を通じて宗教法人審議会の意見を聞かなければならない。

3項

前項の場合においては、文部科学大臣は、報告を求め、又は当該職員に質問させる事項 及び理由を宗教法人審議会に示して、その意見を聞かなければならない。

4項

所轄庁は、第一項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させる場合には、宗教法人の宗教上の特性 及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。

5項

第一項の規定により質問する当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、宗教法人の代表役員、責任役員 その他の関係者に提示しなければならない。

6項

第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

所轄庁は、宗教法人が行う公益事業以外の事業について第六条第二項の規定に違反する事実があると認めたときは、当該宗教法人に対し、一年以内の期間を限りその事業の停止を命ずることができる。

2項

前項の規定による事業の停止の命令は、その理由 及び事業の停止を命ずる期間を附記した書面で当該宗教法人に通知してするものとする。

3項

所轄庁は、第一項の規定による事業の停止の命令に係る弁明の機会を付与するに当たつては、当該宗教法人が書面により弁明をすることを申し出たときを除き、口頭ですることを認めなければならない。

4項

前条第二項の規定は、第一項の規定により事業の停止を命じようとする場合に準用する。

1項

所轄庁は、第十四条第一項 又は第三十九条第一項の規定による認証をした場合において、当該認証に係る事案が第十四条第一項第一号 又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていることが判明したときは、当該認証に関する認証書を交付した日から一年以内に限り、当該認証を取り消すことができる。

2項

前項の規定による認証の取消は、その理由を附記した書面で当該宗教法人に通知してするものとする。

3項

宗教法人について第一項の規定に該当する事由があることを知つた者は、証拠を添えて、所轄庁に対し、その旨を通知することができる。

4項

第一項の規定による認証の取消しに係る聴聞の主宰者は、行政手続法平成五年法律第八十八号第二十条第三項の規定により当該宗教法人の代表者 又は代理人が補佐人とともに出頭することを申し出たときは、これを許可しなければならない。


ただし、当該聴聞の主宰者は、必要があると認めたときは、その補佐人の数を三人までに制限することができる。

5項

第七十八条の二第二項の規定は、第一項の規定による認証の取消しをしようとする場合に準用する。

6項

所轄庁は、第一項の規定による認証の取消しをしたときは、当該宗教法人の主たる事務所の所在地の登記所に解散の登記の嘱託をしなければならない。

1項

第十四条第一項第二十八条第一項第三十九条第一項 若しくは第四十六条第一項の規定による認証に関する決定、第七十九条第一項の規定による事業の停止の命令 又は前条第一項の規定による認証の取消しについての審査請求に対する裁決は、当該審査請求を却下する場合を除き、あらかじめ宗教法人審議会に諮問した後にしなければならない。

2項

前項の審査請求に対する裁決は、当該審査請求があつた日から四月以内にしなければならない。

1項

裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、その解散を命ずることができる。

一 号

法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。

二 号

第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと 又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。

三 号

当該宗教法人が第二条第一号に掲げる宗教団体である場合には、礼拝の施設が滅失し、やむを得ない事由がないのにその滅失後二年以上にわたつてその施設を備えないこと。

四 号

一年以上にわたつて代表役員 及びその代務者を欠いていること。

五 号

第十四条第一項 又は第三十九条第一項の規定による認証に関する認証書を交付した日から一年を経過している場合において、当該宗教法人について第十四条第一項第一号 又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていることが判明したこと。

2項

前項に規定する事件は、当該宗教法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄とする。

3項

第一項の規定による裁判には、理由を付さなければならない。

4項

裁判所は、第一項の規定による裁判をするときは、あらかじめ当該宗教法人の代表役員 若しくはその代務者 又は当該宗教法人の代理人 及び同項の規定による裁判の請求をした所轄庁、利害関係人 又は検察官の陳述を求めなければならない

5項

第一項の規定による裁判に対しては、当該宗教法人 又は同項の規定による裁判の請求をした所轄庁、利害関係人 若しくは検察官に限り、即時抗告をすることができる。


この場合において、当該即時抗告が当該宗教法人の解散を命ずる裁判に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。

6項

裁判所は、第一項の規定による裁判が確定したときは、その解散した宗教法人の主たる事務所の所在地の登記所に解散の登記の嘱託をしなければならない。

7項

第二項から前項までに規定するものを除くほか、第一項の規定による裁判に関する手続については、非訟事件手続法平成二十三年法律第五十一号)の定めるところによる。

1項

文部科学大臣 及び都道府県知事は、この法律の規定による認証に関し宗教法人の代表者 若しくは代理人 若しくは第十二条第一項の規定による認証を受けようとする者 若しくはその代理人が意見を述べる場合 又は第七十九条第一項の規定による事業の停止の命令に関し宗教法人の代表者 若しくは代理人が口頭により弁明をする場合においては、これらの者のほか、助言者、弁護人等としてこれらの者に随伴した者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。


ただし、必要があると認めたときは、その意見を述べる機会を与える随伴者の数を三人までに制限することができる。

1項

宗教法人の所有に係るその礼拝の用に供する建物 及びその敷地で、第七章第二節の定めるところにより礼拝の用に供する建物 及びその敷地である旨の登記をしたものは、不動産の先取特権、抵当権 又は質権の実行のためにする場合 及び破産手続開始の決定があつた場合を除くほか、その登記後に原因を生じた私法上の金銭債権のために差し押さえることができない

1項

国 及び公共団体の機関は、宗教法人に対する公租公課に関係がある法令を制定し、若しくは改廃し、又はその賦課徴収に関し境内建物、境内地 その他の宗教法人の財産の範囲を決定し、若しくは宗教法人について調査をする場合 その他宗教法人に関して法令の規定による正当の権限に基く調査、検査 その他の行為をする場合においては、宗教法人の宗教上の特性 及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。

1項

この法律のいかなる規定も、文部科学大臣、都道府県知事 及び裁判所に対し、宗教団体における信仰、規律、慣習等宗教上の事項についていかなる形においても調停し、若しくは干渉する権限を与え、又は宗教上の役職員の任免 その他の進退を勧告し、誘導し、若しくはこれに干渉する権限を与えるものと解釈してはならない。

1項

この法律のいかなる規定も、宗教団体が公共の福祉に反した行為をした場合において他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない。

1項

第八十条の二第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない

1項

第九条第十四条第一項第二項第二十八条第二項第三十九条第二項 及び第四十六条第二項において準用する場合を含む。)及び第四項第二十八条第二項第三十九条第二項 及び第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第二十五条第四項第二十六条第四項第三十六条において準用する場合を含む。)、第二十八条第一項第三十九条第一項第四十三条第三項第四十六条第一項第四十九条第三項第五十一条第五項 及び第六項第七十八条の二第一項 及び第二項第七十九条第四項 及び第八十条第五項において準用する場合を含む。)、第七十九条第一項から第三項まで第八十条第一項から第三項まで 及び第六項第八十一条第一項第四項 及び第五項 並びに第八十二条の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。