親権に関する審判事件は、子(父 又は母を同じくする数人の子についての親権者の指定 若しくは変更 又は第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の申立てに係るものにあっては、そのうちの一人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。
家事事件手続法
第八節 親権に関する審判事件
第百十八条の規定は、次の各号に掲げる審判事件(第三号 及び第七号の審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における当該各号に定める者について準用する。
子に関する特別代理人の選任の審判事件(別表第一の六十五の項の事項についての審判事件をいう。)
子
第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件(別表第一の六十六の項の事項についての審判事件をいう。第百七十三条において同じ。)
子
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判事件(別表第一の六十七の項の事項についての審判事件をいう。)
子 及びその父母
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの審判事件(別表第一の六十八の項の事項についての審判事件をいう。)
子 及びその父母
親権 又は管理権を辞し、又は回復するについての許可の審判事件(別表第一の六十九の項の事項についての審判事件をいう。)
子 及びその父母
養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の審判事件(別表第二の七の項の事項についての審判事件をいう。)
養子、その父母 及び養親
親権者の指定 又は変更の審判事件(別表第二の八の項の事項についての審判事件をいう。)
子 及びその父母
家庭裁判所は、次の各号に掲げる審判をする場合には、当該各号に定める者(第一号、第二号 及び第四号にあっては、申立人を除く。)の陳述を聴かなければならない。
この場合において、第一号に掲げる子の親権者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判
子(十五歳以上のものに限る。)及び子の親権者
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの審判
子(十五歳以上のものに限る。)、子に対し親権を行う者、子の未成年後見人 及び親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者
親権 又は管理権を辞するについての許可の審判
子(十五歳以上のものに限る。)
親権 又は管理権を回復するについての許可の審判
子(十五歳以上のものに限る。)、子に対し親権を行う者 及び子の未成年後見人
家庭裁判所は、親権者の指定 又は変更の審判をする場合には、第六十八条の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。
次の各号に掲げる審判は、第七十四条第一項に規定する者のほか、当該各号に定める者に告知しなければならない。
ただし、子にあっては、子の年齢 及び発達の程度 その他一切の事情を考慮して子の利益を害すると認める場合は、この限りでない。
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判
子
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの審判
子、子に対し親権を行う者 及び子の未成年後見人
家庭裁判所は、親権者の指定 又は変更の審判において、当事者に対し、子の引渡し 又は財産上の給付 その他の給付を命ずることができる。
次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第一号から第三号まで 及び第五号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。
親権喪失の審判
親権を喪失する者 及びその親族
親権停止の審判
親権を停止される者 及びその親族
管理権喪失の審判
管理権を喪失する者 及びその親族
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の申立てを却下する審判
申立人、子 及びその親族、未成年後見人 並びに未成年後見監督人
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの審判
子 及びその親族、子に対し親権を行う者、未成年後見人 並びに未成年後見監督人
親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの申立てを却下する審判
申立人 並びに親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者 及びその親族
親権 又は管理権を回復するについての許可の申立てを却下する審判
申立人
養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の審判
養子の父母 及び養子の監護者
養子の離縁後に親権者となるべき者の指定の申立てを却下する審判
申立人、養子の父母 及び養子の監護者
親権者の指定 又は変更の審判 及びその申立てを却下する審判
子の父母 及び子の監護者
次の各号に掲げる即時抗告の期間は、当該各号に定める日から進行する。
審判の告知を受ける者でない者 及び子による親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判に対する即時抗告
親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失する者が審判の告知を受けた日
審判の告知を受ける者でない者 及び子による親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの審判に対する即時抗告
親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者が審判の告知を受けた日
第百二十五条の規定は、第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件について準用する。
家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所。以下 この条 及び次条において同じ。)は、親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の申立てがあった場合において、子の利益のため必要があると認めるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、親権者の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。
前項の規定による親権者の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される親権者、子に対し親権を行う者 又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。
家庭裁判所は、いつでも、第一項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。
家庭裁判所は、第一項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、子の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。
家庭裁判所は、親権者の指定 又は変更の審判 又は調停の申立てがあった場合において、強制執行を保全し、又は子 その他の利害関係人の急迫の危険を防止するため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権者の指定 又は変更の審判を本案とする仮処分 その他の必要な保全処分を命ずることができる。
前項の規定により仮の地位の仮処分を命ずる場合には、第百七条の規定により審判を受ける者となるべき者の陳述を聴くほか、子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。
ただし、子の陳述を聴く手続を経ることにより保全処分の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
家庭裁判所は、親権者の指定 又は変更の審判 又は調停の申立てがあった場合において、子の利益のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、親権者の指定 又は変更の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、親権者の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任することができる。
前項の規定による親権者の職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される親権者、子に対し親権を行う者 又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。
家庭裁判所は、いつでも、第三項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。
家庭裁判所は、第三項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、子の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。