罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科する。
少年法
第三節 処分
罪を犯すとき十八歳に満たない者に対しては、無期刑をもつて処断すべきときであつても、有期の懲役 又は禁錮を科することができる。
この場合において、その刑は、十年以上二十年以下において言い渡す。
少年に対して有期の懲役 又は禁錮をもつて処断すべきときは、処断すべき刑の範囲内において、長期を定めるとともに、長期の二分の一(長期が十年を下回るときは、長期から五年を減じた期間。次項において同じ。)を下回らない範囲内において短期を定めて、これを言い渡す。
この場合において、長期は十五年、短期は十年を超えることはできない。
前項の短期については、同項の規定にかかわらず、少年の改善更生の可能性 その他の事情を考慮し特に必要があるときは、処断すべき刑の短期の二分の一を下回らず、かつ、長期の二分の一を下回らない範囲内において、これを定めることができる。
この場合においては、刑法第十四条第二項の規定を準用する。
刑の執行猶予の言渡をする場合には、前二項の規定は、これを適用しない。
第十七条第一項第二号の措置がとられた場合においては、少年鑑別所に収容中の日数は、これを未決勾留の日数とみなす。
少年に対しては、労役場留置の言渡をしない。
裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めるときは、決定をもつて、事件を家庭裁判所に移送しなければならない。
懲役 又は禁錮の言渡しを受けた少年(第三項の規定により少年院において刑の執行を受ける者を除く。)に対しては、特に設けた刑事施設 又は刑事施設 若しくは留置施設内の特に分界を設けた場所において、その刑を執行する。
本人が二十六歳に達するまでは、前項の規定による執行を継続することができる。
懲役 又は禁錮の言渡しを受けた十六歳に満たない少年に対しては、刑法第十二条第二項 又は第十三条第二項の規定にかかわらず、十六歳に達するまでの間、少年院において、その刑を執行することができる。
この場合において、その少年には、矯正教育を授ける。
保護処分の継続中、懲役、禁錮 又は拘留の刑が確定したときは、先に刑を執行する。
懲役、禁錮 又は拘留の刑が確定してその執行前保護処分がなされたときも、同様である。
少年のとき懲役 又は禁錮の言渡しを受けた者については、次の期間を経過した後、仮釈放をすることができる。
無期刑については七年
第五十一条第二項の規定により言い渡した有期の刑については、その刑期の三分の一
第五十二条第一項 又は同条第一項 及び第二項の規定により言い渡した刑については、その刑の短期の三分の一
第五十一条第一項の規定により無期刑の言渡しを受けた者については、前項第一号の規定は適用しない。
少年のとき無期刑の言渡しを受けた者が、仮釈放後、その処分を取り消されないで十年を経過したときは、刑の執行を受け終わつたものとする。
少年のとき第五十一条第二項 又は第五十二条第一項 若しくは同条第一項 及び第二項の規定により有期の刑の言渡しを受けた者が、仮釈放後、その処分を取り消されないで仮釈放前に刑の執行を受けた期間と同一の期間 又は第五十一条第二項の刑期 若しくは第五十二条第一項の長期を経過したときは、そのいずれか早い時期において、刑の執行を受け終わつたものとする。
少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向つて刑の言渡を受けなかつたものとみなす。
少年のとき犯した罪について刑に処せられた者で刑の執行猶予の言渡を受けた者は、その猶予期間中、刑の執行を受け終つたものとみなして、前項の規定を適用する。
前項の場合において、刑の執行猶予の言渡を取り消されたときは、人の資格に関する法令の適用については、その取り消されたとき、刑の言渡があつたものとみなす。