犯罪の捜査、触法調査、少年相談 その他の活動において、ぐ犯少年と認められる者を発見した場合は、少年法 及び児童福祉法に基づく措置に資することを念頭に置き、少年の健全な育成を期する精神をもって、当該少年に係る事件の調査に当たるものとする。
少年警察活動規則
第三節 ぐ犯調査
ぐ犯調査を行うに当たっては、少年の心理、生理 その他の特性にかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、少年に対する言動に注意する等温情と理解をもって当たり、その心情を傷つけないよう努めなければならない。
少年法第六条の二第三項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則第一条の規定により警察本部長が指定した警察職員は、上司である警察官の命を受け、ぐ犯調査を行うことができる。
ぐ犯調査においては、事件の事実、原因 及び動機 並びに当該少年の性格、行状、経歴、教育程度、環境、家庭の状況、交友関係等について調査するものとする。
警察本部長 又は警察署長は、調査すべき事項及び調査に従事する者の任務分担の決定、関係機関との連絡調整 その他の適正な調査の遂行 及び管理のために必要な職務を行わせるため、個々のぐ犯調査につき、調査主任官を指名するものとする。
調査主任官が交代する場合には、関係書類等の引継ぎを確実に行うとともに、調査の状況 その他必要な事項を明らかにし、事後の調査に支障を来すことのないようにしなければならない。
ぐ犯少年に係る事件については、長官が定める様式の少年事件処理簿を作成し、 ぐ犯調査の指揮 及び事件の送致 又は通告 その他の事件の処理の経過を明らかにしておかなければならない。
ぐ犯調査のため、ぐ犯少年と認められる者(以下この条において「少年」という。)、 保護者 又は参考人を呼び出すに当たっては、電話、長官が定める様式の呼出状の送付 その他適当な方法により、出向くべき日時、場所、用件 その他必要な事項を呼出人に確実に伝達しなければならない。
この場合において、少年 又は重要な参考人の呼出しについては、警察本部長 又は警察署長に報告して、その指揮を受けなければならない。
少年を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年の保護者 又は これに代わるべき者に連絡するものとする。
ただし、連絡することが当該少年の福祉上 著しく不適当であると認められるときは、この限りでない。
少年、保護者 又は参考人を呼び出す場合には、 長官が定める様式の呼出簿に所要事項を記載して、その処理の経過を明らかにしておかなければならない。
低年齢少年に係るぐ犯調査を行うに当たっては、特に低年齢少年が精神的に未成熟であり、可塑性に富むこと、迎合する傾向にあること等の特性を有することにかんがみ、 少年の心情と早期の立直りに配慮しなければならない。
低年齢少年であって ぐ犯少年と認められる者(以下 この項 及び次項において「少年」という。)を呼び出し、質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張 又は不安を与えることのないよう言動に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、夜間に呼び出し、質問すること、長時間にわたり質問すること 及び他人の耳目に触れるおそれがある場所において質問することを避けなければならない。
少年に質問するに当たっては、当該少年に無用の緊張 又は不安を与えることを避け、事案の真相を明らかにし、事後の効果的な指導育成に資するよう、少年の保護者 その他の当該少年の保護 又は監護の観点から適切と認められる者の立会いについて配慮するものとする。
ぐ犯調査の結果、次の各号に該当するときは、当該各号に定める手続により処理をするものとする。
処理をする時において、当該少年が十四歳以上十八歳未満であって、 その者を家庭裁判所の審判に付することが適当と認められるとき。
長官が定める様式のぐ犯少年事件送致書を作成し、これに長官が定める様式の身上調査表 その他の関係書類を添付して家庭裁判所に送致すること。
処理をする時において、当該少年が十四歳以上十八歳未満であって、保護者がないとき 又は保護者に監護させることが不適当であると認められ、かつ、家庭裁判所に直接送致するよりも、まず、児童福祉法による措置に委ねるのが適当であると認められるとき。
長官が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告すること。
処理をする時において、当該少年が低年齢少年であって、保護者がないとき 又は保護者に監護させることが不適当であると認められるとき。
長官が定める様式の児童通告書により児童相談所に通告すること。
前項の処理をするに当たっては、警察本部長 又は警察署長の指揮を受けて行わなければならない。
警察本部長 及び警察署長は、ぐ犯調査に従事する者に対し、 職務遂行に必要な知識 及び技能に関する指導教養を行うものとする。