少年院法
第十二章 規律及び秩序の維持
前項の目的を達成するため執る措置は、そのために必要な限度を超えてはならない。
少年院の長は、在院者が遵守すべき事項(次項 及び第百十三条第一項において「遵守事項」という。)を定める。
前各号に掲げるもののほか、少年院の規律 及び秩序を維持するため必要な事項
前各号に掲げる事項について定めた遵守事項 又は第四十条第四項(第四十五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。
前二項のほか、少年院の長 又はその指定する職員は、少年院の規律 及び秩序を維持するため必要がある場合には、在院者に対し、その生活 及び行動について指示することができる。
第二十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の在院者の身体 及び着衣の検査について準用する。
指定職員は、少年院の規律 及び秩序を維持するため必要がある場合には、少年院内において、在院者以外の者(弁護士である付添人 若しくは在院者 若しくはその保護者、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹の依頼により付添人となろうとする弁護士 又は弁護人等(弁護人 又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者をいう。以下同じ。)を除く。)の着衣 及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。
前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。
指定職員は、在院者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。
前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。
指定職員は、在院者を護送するとき、又は在院者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合において、やむを得ないときは、少年院の長の命令により、法務省令で定めるところにより、手錠(手錠に附属するひもがある場合にはこれを含む。以下この条 及び第百二十一条第一項第六号において同じ。)を使用することができる。
前項に規定する場合において、少年院の長の命令を待ついとまがないときは、指定職員は、その命令を待たないで、手錠を使用することができる。
この場合には、速やかに、その旨を少年院の長に報告しなければならない。
在院者を護送する際に手錠を使用するに当たっては、その名誉をいたずらに害することのないように配慮しなければならない。
指定職員は、在院者が次の各号のいずれかに該当する場合において、やむを得ないときは、少年院の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。
次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、少年院の規律 及び秩序を維持するため特に必要があるとき。
前項に規定する場合において、少年院の長の命令を待ついとまがないときは、指定職員は、その命令を待たないで、その在院者を保護室に収容することができる。
この場合には、速やかに、その旨を少年院の長に報告しなければならない。
保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。
ただし、特に継続の必要がある場合には、少年院の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。
少年院の長は、第三項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。
指定職員は、在院者が次の各号のいずれかに該当する場合には、これを連れ戻すことができる。
ただし、当該各号に定める時から四十八時間を経過した後は、保護処分在院者にあっては裁判官のあらかじめ発する連戻状によらなければ連戻しに着手することができず、受刑在院者にあっては連戻しに着手することができない。
院外委嘱指導 又は第四十五条第一項の規定による外出 若しくは外泊の場合において、少年院の長が指定した日時までに少年院に帰着しなかったときその日時
前項の規定による連戻しが困難である場合には、少年院の長は、警察官に対して連戻しのための援助を求めることができる。
この場合において、援助を求められた警察官については、同項の規定を準用する。
第一項ただし書(前項において準用する場合を含む。)の連戻状は、少年院の長の請求により、その少年院の所在地を管轄する家庭裁判所の裁判官が発する。
この場合においては、少年法第四条 及び第三十六条の規定を準用する。
少年院の長は、地震、火災 その他の災害に際し、少年院内において避難の方法がないときは、在院者を適当な場所に護送しなければならない。
前項の場合において、在院者を護送することができないときは、少年院の長は、その者を少年院から解放することができる。
地震、火災 その他の災害に際し、少年院の外にある在院者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。
前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、少年院 又は少年院の長が指定した場所に出頭しなければならない。
指定職員は、第二項の規定により解放された保護処分在院者が前項の規定に違反して少年院 又は指定された場所に出頭しないときは、裁判官のあらかじめ発する連戻状により、その者を連れ戻すことができる。
前項の規定による連戻しが困難である場合には、少年院の長は、警察官に対して連戻しのための援助を求めることができる。
この場合において、援助を求められた警察官については、同項の規定を準用する。
前条第三項の規定は、第四項(前項において準用する場合を含む。)の連戻状について準用する。