少年院法

# 平成二十六年法律第五十八号 #

第十四章 賞罰

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年十二月一日 ( 2023年 12月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十七号による改正
最終編集日 : 2024年 04月16日 09時45分


1項

少年院の長は、在院者が善行をなし、第三十五条第一項の成績の評価を向上させ、又は一定の技能を習得した場合には、法務省令で定めるところにより、賞詞、賞票 その他の賞を与えることができる。

1項

少年院の長は、在院者が、遵守事項 若しくは第四十条第四項第四十五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第八十四条第三項の規定に基づき少年院の職員が行った指示に従わなかった場合には、その在院者に懲戒を行うことができる。

2項

懲戒を行うに当たっては、懲戒が行われるべき行為(以下「反則行為」という。)をした在院者の年齢、心身の状態 及び行状、反則行為の性質、軽重、動機 及び少年院の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその在院者の態度、懲戒がその者の改善更生に及ぼす影響 その他の事情を考慮しなければならない。

3項
懲戒は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。
1項

在院者に行う懲戒の種類は、次のとおりとする。

一 号
厳重な訓戒
二 号

二十日以内の謹慎

1項

前条第二号に規定する謹慎(以下この条 及び第百十九条第三項において単に「謹慎」という。)においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において処遇し、在院者に反省を促すものとする。

一 号

第六十一条の規定により自弁の物品(少年院の長が指定する物品を除く)を使用し、又は摂取すること。

二 号

書籍等 及び新聞紙(いずれも被告人 若しくは被疑者としての権利の保護 又は訴訟の準備 その他の権利の保護に必要と認められるものを除く)を閲覧すること。

三 号
宗教上の儀式行事に参加し、又は他の在院者と共に宗教上の教誨を受けること。
四 号

面会すること(第九十二条第一項各号に掲げる者と面会する場合 及び被告人 若しくは被疑者としての権利の保護 又は訴訟の準備 その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く)。

五 号

信書を発受すること(次のイからハまでに掲げる信書を発受する場合 及び被告人 若しくは被疑者としての権利の保護 又は訴訟の準備 その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く)。

在院者の保護者等との間で発受する信書
婚姻関係の調整、訴訟の遂行、修学 又は就業の準備 その他の在院者の身分上、法律上、教育上又は職業上の重大な利害に係る用務の処理のため発受する信書
発受により在院者の改善更生に資すると認められる信書
2項

謹慎に付されている在院者については、第四十九条の規定にかかわらず、その健全な心身の成長に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限することができる。

3項
謹慎に付されている在院者には、謹慎の趣旨を踏まえ、適切な矯正教育を行うものとする。
1項

少年院の長は、懲戒を行う場合において、少年院の規律 及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。


ただし、反則行為をした在院者以外の者に属する物については、この限りでない。

一 号
反則行為を組成した物
二 号
反則行為の用に供し、又は供しようとした物
三 号
反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物 又は反則行為の報酬として得た物
四 号

前号に掲げる物の対価として得た物

1項

少年院の長は、在院者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無 及び第百十三条第二項の規定により考慮すべき事情 並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。

2項

少年院の長は、前項の調査をするため必要があるときは、指定職員に、在院者の身体、着衣、所持品 及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。

3項

第二十一条第二項の規定は、前項の規定による女子の在院者の身体 及び着衣の検査について準用する。

4項

少年院の長は、在院者について、反則行為をした疑いがあると思料する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、他の在院者との接触を制限するため必要な措置を執ることができる。

5項

前項の措置を執ることができる期間は、十日間とする。


ただし、少年院の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、十日間に限り、その期間を延長することができる。

6項

少年院の長は、前項の期間中であっても、第四項の措置を執る必要がなくなったときは、直ちにその措置を中止しなければならない。

1項

少年院の長は、在院者に懲戒を行おうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その在院者に対し、弁明の機会を与えなければならない。


この場合においては、その在院者に対し、あらかじめ、書面で、弁明をすべき日時 又は期限 及び懲戒(第百十六条の規定による処分を含む。次項 及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、在院者を補佐すべき者を少年院の職員のうちから指名しなければならない。

2項

前項前段の規定により指名を受けた職員は、懲戒を行うことの適否 及び行うべき懲戒の内容について協議し、これらの事項についての意見 及び在院者の弁明の内容を記載した報告書を少年院の長に提出しなければならない。

3項

第一項後段の規定により指名を受けた職員は、前条第一項の調査の結果を踏まえつつ、在院者から事情を聴取した上で、その正当な利益を保護するためにその者を誠実に補佐しなければならない。

1項

少年院の長は、懲戒を行うときは、在院者に対し、懲戒の内容 及び懲戒の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにこれを行うものとする。


ただし、反省の情が著しい場合 その他相当の理由がある場合には、その実施を延期し、又はその全部 若しくは一部の実施を免除することができる。

2項
懲戒を行うに当たっては、反則行為をした在院者の規範意識を醸成し、その改善更生に資するよう努めなければならない。
3項
少年院の長は、在院者を謹慎に付するに当たっては、その者の健康状態について、少年院の職員である医師 又は少年院の長が委嘱する医師の意見を聴かなければならない。