廃棄物の処理及び清掃に関する法律

# 昭和四十五年法律第百三十七号 #
略称 : 廃掃法  ごみ処理法  廃棄物処理法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 01月17日 08時56分


1項

この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全 及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

1項

この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体 その他の汚物 又は不要物であつて、固形状 又は液状のもの(放射性物質 及びこれによつて汚染された物を除く)をいう。

2項

この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。

3項

この法律において「特別管理一般廃棄物」とは、一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性 その他の人の健康 又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。

4項

この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。

一 号

事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類 その他政令で定める廃棄物

二 号

輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶 及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る第十五条の四の五第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る同項において「携帯廃棄物」という。)を除く

5項

この法律において「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性 その他の人の健康 又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。

6項

この法律において「電子情報処理組織」とは、第十三条の二第一項に規定する情報処理センターの使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と、第十二条の三第一項に規定する事業者、同条第三項に規定する運搬受託者 及び同条第四項に規定する処分受託者の使用に係る入出力装置とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

1項

国内において生じた廃棄物は、なるべく国内において適正に処理されなければならない。

2項
国外において生じた廃棄物は、その輸入により国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう、その輸入が抑制されなければならない。
1項

非常災害により生じた廃棄物は、人の健康 又は生活環境に重大な被害を生じさせるものを含むおそれがあることを踏まえ、 生活環境の保全 及び公衆衛生上の支障を防止しつつ、その適正な処理を確保することを旨として、円滑かつ迅速に処理されなければならない。

2項

非常災害により生じた廃棄物は、当該廃棄物の発生量が著しく多量であることを踏まえ、その円滑かつ迅速な処理を確保するとともに、将来にわたつて生ずる廃棄物の適正な処理を確保するため、分別、再生利用等によりその減量が図られるよう、適切な配慮がなされなければならない。

1項

国民は、廃棄物の排出を抑制し、再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り、廃棄物を分別して排出し、その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により、廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関し国 及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

1項

事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

2項

事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。

3項

事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量 その他 その適正な処理の確保等に関し国 及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

1項

市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たつては、職員の資質の向上、施設の整備 及び作業方法の改善を図る等 その能率的な運営に努めなければならない。

2項

都道府県は、市町村に対し、前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし、産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。

3項

国は、廃棄物に関する情報の収集、整理 及び活用 並びに廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図り、並びに国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずるとともに、市町村 及び都道府県に対し、前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的 及び財政的援助を与えること 並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めなければならない。

4項

国、都道府県 及び市町村は、廃棄物の排出を抑制し、及び その適正な処理を確保するため、 これらに関する国民 及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。

1項

国、地方公共団体、事業者 その他の関係者は、第二条の三に定める処理の原則にのつとり、非常災害時における廃棄物の適正な処理が円滑かつ迅速に行われるよう、適切に役割を分担するとともに、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。

1項

土地 又は建物の占有者(占有者がない場合には、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地 又は建物の清潔を保つように努めなければならない。

2項

土地の所有者 又は占有者は、その所有し、又は占有し、若しくは管理する土地において、他の者によつて不適正に処理された廃棄物と認められるものを発見したときは、速やかに、その旨を都道府県知事 又は市町村長に通報するように努めなければならない。

3項

建物の占有者は、建物内を全般にわたつて清潔にするため、市町村長が定める計画に従い、大掃除を実施しなければならない。

4項

何人も、公園、広場、キャンプ場、スキー場、海水浴場、道路、河川、港湾 その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。

5項

前項に規定する場所の管理者は、当該管理する場所の清潔を保つように努めなければならない。

6項

市町村は、必要と認める場所に、公衆便所 及び公衆用ごみ容器を設け、これを衛生的に維持管理しなければならない。

7項

便所が設けられている車両、船舶 又は航空機を運行する者は、当該便所に係るし尿を生活環境の保全上支障が生じないように処理することに努めなければならない。

1項

環境大臣は、廃棄物の排出の抑制、再生利用等による廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2項
基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 号
廃棄物の減量 その他 その適正な処理の基本的な方向
二 号
廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関する目標の設定に関する事項
三 号
廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関する施策を推進するための基本的事項
四 号
廃棄物の処理施設の整備に関する基本的事項
五 号

非常災害時における前二号に掲げる事項に関する施策の推進を図るために必要な事項

六 号

前各号に掲げるもののほか、廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関し必要な事項

3項

環境大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、都道府県知事の意見を聴かなければならない。

4項

環境大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

1項

環境大臣は、廃棄物処理施設整備事業(廃棄物の処理施設の整備に関する事業で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の計画的な実施に資するため、 基本方針に即して、五年ごとに、廃棄物処理施設整備事業に関する計画(以下「廃棄物処理施設整備計画」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

2項

廃棄物処理施設整備計画においては、計画期間に係る廃棄物処理施設整備事業の実施の目標 及び概要を定めるものとする。

3項

前項の実施の目標 及び概要を定めるに当たつては、廃棄物の処理施設の整備における課題に的確に対応するため、廃棄物処理施設整備事業における投資の重点化 及び効率化を図ることができるように留意しなければならない。

4項

環境大臣は、廃棄物処理施設整備計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議しなければならない。

5項

環境大臣は、第一項の閣議の決定があつたときは、遅滞なく、廃棄物処理施設整備計画を公表しなければならない。

6項

第三項から 前項までの規定は、廃棄物処理施設整備計画を変更しようとする場合について準用する。

1項
国は、廃棄物処理施設整備計画の達成を図るため、その実施につき必要な措置を講ずるものとする。
1項

都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県の区域内における廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関する計画(以下「廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。

2項

廃棄物処理計画には、環境省令で定める基準に従い、 当該都道府県の区域内における廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号
廃棄物の発生量 及び処理量の見込み
二 号
廃棄物の減量 その他 その適正な処理に関する基本的事項
三 号
一般廃棄物の適正な処理を確保するために必要な体制に関する事項
四 号
産業廃棄物の処理施設の整備に関する事項
五 号

非常災害時における前三号に掲げる事項に関する施策を実施するために必要な事項

3項

都道府県は、廃棄物処理計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ環境基本法平成五年法律第九十一号第四十三条の規定により置かれる審議会 その他の合議制の機関 及び関係市町村の意見を聴かなければならない。

4項

都道府県は、廃棄物処理計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めなければならない。

1項
国 及び都道府県は、廃棄物処理計画の達成に必要な措置を講ずるように努めるものとする。
1項
市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量等に関する事項を審議させるため、廃棄物減量等推進審議会を置くことができる。
2項
廃棄物減量等推進審議会の組織 及び運営に関して必要な事項は、条例で定める。
1項

市町村は、社会的信望があり、かつ、一般廃棄物の適正な処理に熱意と識見を有する者のうちから、 廃棄物減量等推進員を委嘱することができる。

2項
廃棄物減量等推進員は、一般廃棄物の減量のための市町村の施策への協力 その他の活動を行う。