この法律は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正をはかり、もつて建築物の質の向上に寄与させることを目的とする。
建築士法
第一章 総則
この法律で「建築士」とは、一級建築士、二級建築士 及び木造建築士をいう。
この法律で「一級建築士」とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理 その他の業務を行う者をいう。
この法律で「二級建築士」とは、都道府県知事の免許を受け、二級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理 その他の業務を行う者をいう。
この法律で「木造建築士」とは、都道府県知事の免許を受け、木造建築士の名称を用いて、木造の建築物に関し、設計、工事監理 その他の業務を行う者をいう。
この法律で「建築設備士」とは、建築設備に関する知識 及び技能につき国土交通大臣が定める資格を有する者をいう。
この法律で「設計図書」とは建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図 その他これに類するものを除く。)及び仕様書を、「設計」とはその者の責任において設計図書を作成することをいう。
この法律で「構造設計」とは基礎伏図、構造計算書 その他の建築物の構造に関する設計図書で国土交通省令で定めるもの(以下「構造設計図書」という。)の設計を、「設備設計」とは建築設備(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三号に規定する建築設備をいう。以下同じ。)の各階平面図 及び構造詳細図 その他の建築設備に関する設計図書で国土交通省令で定めるもの(以下「設備設計図書」という。)の設計をいう。
この法律で「工事監理」とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。
この法律で「大規模の修繕」又は「大規模の模様替」とは、それぞれ建築基準法第二条第十四号 又は第十五号に規定するものをいう。
この法律で「延べ面積」、「高さ」、「軒の高さ」又は「階数」とは、それぞれ建築基準法第九十二条の規定により定められた算定方法によるものをいう。
建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令 及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
左の各号に掲げる建築物(建築基準法第八十五条第一項 又は第二項に規定する応急仮設建築物を除く。以下この章中同様とする。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計 又は工事監理をしてはならない。
学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーデイトリアムを有しないものを除く。)又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が五百平方メートルをこえるもの
木造の建築物 又は建築物の部分で、高さが十三メートル 又は軒の高さが九メートルを超えるもの
鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロツク造 若しくは無筋コンクリート造の建築物 又は建築物の部分で、延べ面積が三百平方メートル、高さが十三メートル 又は軒の高さが九メートルをこえるもの
延べ面積が千平方メートルをこえ、且つ、階数が二以上の建築物
建築物を増築し、改築し、又は建築物の大規模の修繕 若しくは大規模の模様替をする場合においては、当該増築、改築、修繕 又は模様替に係る部分を新築するものとみなして前項の規定を適用する。
前条第一項各号に掲げる建築物以外の建築物で、次の各号に掲げるものを新築する場合においては、一級建築士 又は二級建築士でなければ、その設計 又は工事監理をしてはならない。
前条第一項第三号に掲げる構造の建築物 又は建築物の部分で、延べ面積が三十平方メートルを超えるもの
延べ面積が百平方メートル(木造の建築物にあつては、三百平方メートル)を超え、又は階数が三以上の建築物
前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
都道府県は、土地の状況により必要と認める場合においては、第一項の規定にかかわらず、条例で、区域 又は建築物の用途を限り、同項各号に規定する延べ面積(木造の建築物に係るものを除く。)を別に定めることができる。
前条第一項第二号に掲げる建築物以外の木造の建築物で、延べ面積が百平方メートルを超えるものを新築する場合においては、一級建築士、二級建築士 又は木造建築士でなければ、その設計 又は工事監理をしてはならない。
第三条第二項 及び前条第三項の規定は、前項の場合に準用する。
この場合において、
同条第三項中
「同項各号に規定する延べ面積(木造の建築物に係るものを除く。)」とあるのは、
「次条第一項に規定する延べ面積」と
読み替えるものとする。