本法ニ於テ遺族トハ公務員ノ祖父母、父母、配偶者、子及兄弟姉妹ニシテ公務員ノ死亡ノ当時之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニシタルモノヲ謂フ
恩給法
第三章 遺族
公務員ノ死亡ノ当時胎児タル子出生シタルトキハ前項ノ規定ノ適用ニ付テハ公務員ノ死亡ノ当時之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニシタルモノト看做ス
公務員左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ遺族ニハ配偶者、未成年ノ子、父母、成年ノ子、祖父母ノ順位ニ依リ之ニ扶助料ヲ給ス
先順位者タルヘキ者後順位者タル者ヨリ後ニ生スルニ至リタルトキハ前二項ノ規定ハ当該後順位者失権シタル後ニ限リ之ヲ適用ス
但シ第七十四条ノ二第一項ニ規定スル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前条第一項 及第二項ノ規定ニ依ル同順位ノ遺族二人以上アルトキハ其ノ中一人ヲ総代者トシテ扶助料ノ請求 又ハ扶助料支給ノ請求ヲ為スヘシ
公務員ノ死亡当時之ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニシタル者ニシテ公務員ノ死亡後戸籍ノ届出カ受理セラレ其ノ届出ニ因リ公務員ノ祖父母、父母、配偶者又ハ子ナルコトト為リタルモノニ給スル扶助料ハ当該戸籍届出受理ノ日ヨリ之ヲ給ス
前項ニ規定スル者ニ給スル一時扶助料ハ公務員ノ死亡ノ時ニ於テ他ニ其ノ一時扶助料ヲ受クヘキ権利ヲ有スル者ナキトキニ限リ之ヲ給ス
公務員ノ死亡ノ時ニ於テ扶助料ヲ受クヘキ権利ヲ有シタル者カ第一項ニ規定スル者ノ生シタルカ為扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有セサリシコトトナル場合ニ於テモ其ノ者ハ同項ニ規定スル戸籍届出ノ受理ノ時迄ノ分ニ付当該扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有スルモノト看做ス
公務員ノ死亡ノ時ニ於テ一時扶助料ヲ受クヘキ権利ヲ有シタル者カ第一項ニ規定スル者ノ生シタルカ為一時扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有セサリシコトトナル場合ニ於テモ其ノ者ハ当該一時扶助料ヲ受クルノ権利ヲ有スルモノト看做ス
第二号及第三号ニ特ニ規定スル場合ノ外ハ公務員ニ給セラルル普通恩給年額ノ十分ノ五ニ相当スル金額
公務員公務ニ因ル傷痍疾病ノ為死亡シタルトキハ前号ノ規定ニ依ル金額ニ退職当時ノ俸給年額ニ依リ定メタル別表第四号表ノ率ヲ乗ジタル金額
増加恩給ヲ併給セラルル者公務ニ起因スル傷痍疾病ニ因ラズシテ死亡シタルトキハ第一号ノ規定ニ依ル金額ニ退職当時ノ俸給年額ニ依リ定メタル別表第五号表ノ率ヲ乗ジタル金額
前項第二号及第三号ニ規定スル場合ニ於テ扶助料ヲ受クル者ニ扶養遺族アルトキハ其ノ中二人迄ニ付テハ一人ニ付七万二千円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)其ノ他ノ扶養遺族ニ付テハ一人ニ付三万六千円ニ調整改定率ヲ乗ジテ得タル額(其ノ額ニ五十円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ切捨テ五十円以上百円未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ百円トス)ヲ扶助料ノ年額ニ加給ス
前項ノ扶養遺族トハ扶助料ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ 又ハ之ト生計ヲ共ニスル公務員ノ祖父母、父母、未成年ノ子 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ扶助料ヲ受クベキ要件ヲ具フルモノヲ謂フ
公務員ノ死亡後遺族左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ扶助料ヲ受クル資格ヲ失フ
子婚姻シタルトキ 若ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ 又ハ子カ公務員ノ養子ナル場合ニ於テ離縁シタルトキ
父母 又ハ祖父母婚姻ニ因リ其ノ氏ヲ改メタルトキ
扶助料ヲ受クル者三年以下ノ懲役 又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ月ノ翌月ヨリ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月迄扶助料ヲ停止ス
但シ刑ノ全部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ扶助料ハ之ヲ停止セス刑ノ一部ノ執行猶予ノ言渡ヲ受ケタルトキハ其ノ刑ノ内執行ガ猶予サレザリシ部分ノ期間ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月ノ翌月以降ハ之ヲ停止セズ之等ノ言渡ヲ猶予ノ期間中ニ取消サレタルトキハ取消ノ月ノ翌月ヨリ刑ノ執行ヲ終リ 又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル月迄之ヲ停止ス
前項ノ規定ハ禁錮以上ノ刑ニ処セラレ刑ノ執行中 又ハ其ノ執行前ニ在ル者ニ扶助料ヲ給スヘキ事由発生シタル場合ニ付之ヲ準用ス
扶助料ヲ給セラルヘキ者一年以上所在不明ナルトキハ同順位者又ハ次順位者ノ申請ニ依リ裁定庁ハ所在不明中扶助料ノ停止ヲ命スルコトヲ得
夫ニ給スル扶助料ハ其ノ者六十歳ニ満ツル月迄之ヲ停止ス
但シ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ者 又ハ公務員ノ死亡ノ当時ヨリ重度障害ノ状態ニ在ル者ニ付テハ此等ノ事情ノ継続スル間ハ此ノ限ニ在ラズ
前三条ノ扶助料停止ノ事由アル場合ニ於テハ停止期間中扶助料ハ同順位者アルトキハ当該同順位者ニ、同順位者ナク次順位者アルトキハ当該次順位者ニ之ヲ転給ス
第七十三条ノ二ノ規定ハ第七十八条ノ扶助料停止ノ申請 並前条ノ扶助料転給ノ請求 及其ノ支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス
第七十五条第一項第二号 又ハ第三号ノ規定ニ依ル扶助料ヲ受クル者国家公務員災害補償法第十五条 若ハ労働基準法第七十九条ノ規定ニ依ル遺族補償 又ハ之ニ相当スル給付ニシテ同法第八十四条第一項ノ規定ニ該当スルモノヲ受ケタル者ナルトキハ当該補償 又ハ給付ヲ受クル事由ノ生ジタル月ノ翌月ヨリ六年間其ノ扶助料ノ年額ト第七十五条第一項第一号ノ規定ニ依ル金額トノ差額ニ同条第二項ノ規定ニ依ル加給年額ヲ加ヘタル金額ヲ停止ス
但シ停止年額ハ当該補償 又ハ給付ノ金額ノ六分ノ一ニ相当スル金額ヲ超ユルコトナシ
遺族左ノ各号ノ一ニ該当シタルトキハ扶助料ヲ受クルノ権利ヲ失フ
配偶者婚姻シタルトキ 又ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ
子婚姻シタルトキ 若ハ遺族以外ノ者ノ養子ト為リタルトキ 又ハ子カ公務員ノ養子ナル場合ニ於テ離縁シタルトキ
父母 又ハ祖父母婚姻ニ因リ其ノ氏ヲ改メタルトキ
成年ノ子第七十四条ニ規定スル事情止ミタルトキ
裁定庁ハ前項ニ規定スル事情ヲ調査スル為必要アルトキハ他ノ官庁 又ハ公署ノ援助ヲ求ムルコトヲ得
公務員第七十三条第一項各号ノ一ニ該当シ兄弟姉妹以外ニ扶助料ヲ受クル者ナキトキハ其ノ兄弟姉妹未成年 又ハ重度障害ノ状態ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ場合ニ限リ之ニ一時扶助料ヲ給ス
前項ノ一時扶助料ノ金額ハ兄弟姉妹ノ人員ニ拘ラス扶助料年額ノ一年分乃至五年分ニ相当スル金額トス
第七十三条ノ二ノ規定ハ前二項ノ一時扶助料ノ請求 及其ノ支給ノ請求ニ付之ヲ準用ス
文官在職年三年以上十七年未満、警察監獄職員在職年三年以上十二年未満ニシテ在職中死亡シタル場合ニハ其ノ遺族ニ一時扶助料ヲ給ス
前項ノ一時扶助料ノ金額ハ之ヲ受クヘキ者ノ人員ニ拘ラス公務員ノ死亡当時ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ其ノ公務員ノ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
第五十九条ノ二第四項ノ規定ハ死亡当時ノ俸給月額ニ付之ヲ準用ス
第七十三条中遺族ノ順位ニ関スル規定並第七十三条ノ二及第七十四条ノ規定ハ第一項ノ一時扶助料ヲ給スル場合ニ付之ヲ準用ス