放送法

# 昭和二十五年法律第百三十二号 #

第七節 財務及び会計

分類 法律
カテゴリ   電気通信
@ 施行日 : 令和六年八月十五日 ( 2024年 8月15日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2024年 09月07日 05時30分


1項

協会の事業年度は、毎年四月に始まり、翌年三月に終わる。

1項

協会の会計は、総務省令で定めるところにより、原則として企業会計原則によるものとする。

1項

協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

総務大臣が前項の収支予算、事業計画 及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を付すとともに同項の中期経営計画を添え、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。

3項

前項の収支予算、事業計画 及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が付してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。

4項

第六十四条第一項の規定により受信契約を締結した者から徴収する受信料の額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。

1項

協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画が国会の閉会 その他やむを得ない理由により当該事業年度の開始の日までにその承認を受けることができない場合においては、三箇月以内に限り、事業の経常的運営 及び施設の建設 又は改修の工事(国会の承認を受けた前事業年度の事業計画に基づいて実施したこれらの工事の継続に係るものに限る)に必要な範囲の収支予算、事業計画 及び資金計画を作成し、総務大臣の認可を受けてこれを実施することができる。


この場合において、前条第四項に規定する受信料の額は、同項の規定にかかわらず、前事業年度終了の日における受信料の額とする。

2項

前項の規定による収支予算、事業計画 及び資金計画は、当該事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画の国会による承認があつたときは、失効するものとし、同項の規定による収支予算、事業計画 及び資金計画に基づいてした収入、支出、事業の実施 並びに資金の調達 及び返済は、当該事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画に基づいてしたものとみなす。

3項

総務大臣は、第一項の認可をしたときは、事後にこれを国会に報告しなければならない。

1項

協会は、三年以上五年以下の期間ごとに、協会の経営に関する計画(次項において「中期経営計画」という。)を定め、これを公表しなければならない。


これを変更したときも、同様とする。

2項

中期経営計画の期間(前項の期間の範囲内で経営委員会が定める期間をいう。第七十三条の二第三項 及び第五項第二号において同じ。

一 号

中期経営計画の期間(前項の期間の範囲内で経営委員会が定める期間をいう。

二 号

協会の経営に関する基本的な方向

三 号

協会が行う業務の種類 及び内容

四 号

協会の業務 並びに協会 及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制に関する事項

五 号

受信料の体系 及び水準に関する事項 その他受信料に関する事項

六 号
収支の見通し
七 号

その他協会の経営に関する重要事項

1項

協会は、毎事業年度の業務報告書を作成し、これに監査委員会の意見書を添え、当該事業年度経過後三箇月以内に、総務大臣に提出しなければならない。

2項

総務大臣は、前項の業務報告書を受理したときは、これに意見を付すとともに同項の監査委員会の意見書を添え、内閣を経て国会に報告しなければならない。

3項

協会は、第一項の規定による提出を行つたときは、遅滞なく、同項の書類を、各事務所に備えて置き、総務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

1項

協会の収入は、第二十条第一項から第三項までの業務の遂行以外の目的に支出してはならない。

2項

協会は、次に掲げる業務に係る経理については、総務省令で定めるところにより、その他の経理と区分し、それぞれ特別の勘定を設けて整理しなければならない。

一 号

第二十条第二項第二号 及び第三号の業務(専ら受信料を財源とするものを除く

二 号

第二十条第三項の業務

1項

協会は、毎事業年度の損益計算において第二十条第一項 及び第二項の業務(前条第二項第一号に掲げる業務を除く)から生じた収支差額が零を上回るときは、当該上回る額のうち総務省令で定めるところにより計算した額を還元目的積立金として積み立てなければならない。

2項

還元目的積立金は、協会が次項の規定により収支予算を作成し国会の承認を受けた場合において当該収支予算に係る事業年度の損益計算において前項に規定する収支差額が零を下回るときに、当該下回る額を当該事業年度の予想収支差額(当該収支予算で定める当該収支差額がを下回る場合における当該下回る額をいう。次項において同じ。)を限度として補う場合を除き、取り崩してはならない。


ただし、総務大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。

3項

協会は、中期経営計画の期間の最後の事業年度の前事業年度に係る収支差額の処理を行つた後、還元目的積立金の額から当該最後の事業年度の予想収支差額を減じた額(第五項第二号において「予想積立額」という。)が零を上回るときは、当該中期経営計画の期間の次の中期経営計画の期間(同項において「還元実施期間」という。)の事業年度については、還元受信料額により受信料収入(協会の受信料による収入をいう。同項において同じ。)の予想額を計算した収支予算を作成しなければならない。


ただし、当該収支予算を作成しないことについて合理的な理由がある場合は、この限りでない。

4項

前項ただし書に規定する場合において、同項に規定する収支予算を作成しないときにおける第七十条第一項 及び第二項の規定の適用については、

同条第一項 及び第二項
中期経営計画」とあるのは、
「中期経営計画 及び第七十三条の二第三項ただし書に規定する理由を記載した書類」と

する。

5項

第三項に規定する「還元受信料額」とは、還元実施期間の受信料収入の予想額の合計額が第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じた額を超えない額となるように計算した受信料の額をいう。

一 号

基準受信料額(還元実施期間において第一項に規定する業務に係る収入の予想額の合計額と当該業務に係る支出の予想額の合計額が同額となるように計算した受信料の額をいう。)により計算した当該還元実施期間の受信料収入の予想額の合計額

二 号
当該還元実施期間の直前の中期経営計画の期間に計算した予想積立額
1項

協会は、毎事業年度の財産目録、貸借対照表、損益計算書 その他総務省令で定める書類 及びこれらに関する説明書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これらに監査委員会 及び会計監査人の意見書を添え、当該事業年度経過後 三箇月以内に、総務大臣に提出しなければならない。

2項

総務大臣は、前項の書類を受理したときは、これを内閣に提出しなければならない。

3項

内閣は、前項の書類を会計検査院の検査を経て国会に提出しなければならない。

4項

協会は、第一項の規定による提出を行つたときは、遅滞なく、貸借対照表 及び損益計算書を官報に公告し、かつ、同項の書類を、各事務所に備えて置き、総務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

1項

協会は、財務諸表について、監査委員会の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。

1項

会計監査人は、経営委員会が任命する。

2項

会計監査人は、公認会計士(公認会計士法昭和二十三年法律第百三号第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。

3項

次に掲げる者は、会計監査人となることができない

一 号

公認会計士法の規定により、財務諸表について監査をすることができない者

二 号

協会の子会社 若しくはその取締役、会計参与、監査役 若しくは執行役から公認会計士 若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 又はその配偶者

三 号

監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

1項

会計監査人は、いつでも、会計帳簿 若しくはこれに関する資料の閲覧 及び謄写をし、又は役員 及び職員に対し、会計に関する報告を求めることができる。

2項

会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、協会の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は協会 若しくはその子会社の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。

3項

前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告 又は調査を拒むことができる。

4項

会計監査人は、その職務を行うに際して役員の職務の執行に関し不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査委員会に報告しなければならない。

5項

監査委員会が選定した監査委員は、役員の職務の執行を監査するため必要があるときは、会計監査人に対し、会計監査に関する報告を求めることができる。

1項

会計監査人の任期は、その選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表についての第七十四条第一項の規定による総務大臣への提出の時までとする。

1項

協会の会計については、会計検査院が検査する。

1項

協会は、放送設備の建設 又は改修の資金に充てるため、放送債券を発行することができる。

2項

前項の放送債券の発行額は、会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表による協会の純財産額の三倍超えることができない

3項

協会は、発行済みの放送債券の借換えのため、一時前項の規定による制限を超えて放送債券を発行することができる。


この場合においては、発行する放送債券の払込みの期日(数回に分けて払込みをさせるときは、第一回の払込みの期日)から六箇月以内にその発行額に相当する額の発行済みの放送債券を償却しなければならない。

4項

協会は、第一項の規定により放送債券を発行したときは、毎事業年度末現在の発行債券未償却額の十分の一に相当する額を償却積立金として積み立てなければならない。

5項

協会は、放送債券を償却する場合に限り、前項に規定する積立金を充当することができる。

6項

協会の放送債券の債権者は、協会の財産について他の債権者に先立ち自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

7項

前項の先取特権の順位は、民法の一般の先取特権に次ぐものとする。

8項

前各項に定めるもののほか、放送債券に関し必要な事項については、政令の定めるところにより、会社法平成十七年法律第八十六号)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号。以下「社債等振替法」という。)の社債に関する規定を準用する。